クリエイター向けPCモニターおすすめ3選(主に3DCG制作)カラーマネジメントとは(色深度・色域・HDR・キャリブレーション)

クリエイター向けPCモニターおすすめ3選(主に3DCG制作)カラーマネジメントとは(色深度・色域・HDR・キャリブレーション)

3DCGや映像、写真などを扱うクリエイターにとってPC選びは重要です。ですがPCと同じくらい、PCモニター選びも性能を吟味するべきです。プロでもない駆け出しなのにハイクラスのモニターが必要だろうか、と悩む人もいるでしょう。24インチ・フルHDのPCモニターを使っている人は、今がクリエイター向けのPCモニターへの買い替え時です。

最もNGなのは、テキトーにAmazonで一番安いPCモニターを買うことです。特にお金を稼ぐために本気で取り組みたいと思っている人は、クリエイター向けのスペックを最低限満たしたPCモニターを選んでください。

もちろん、最初から高価格のPCモニターをそろえる必要はありません。プロを目指す人が知っておいた方がいい「」に関する知識や「PCモニターに関する用語」を知ったうえで、高コスパでお得なPCモニターを選ぶときのポイントをおさえておきましょう。

おすすめ高コスパPCモニター(必要スペック)

  • アスペクト比:16:9
  • 解像度:4K(3840px × 2,160px)
  • パネル:液晶パネル(IPS・ノングレア)
  • ディスプレイサイズ:27~32インチ
  • 色深度(表示色数):10bit対応(約10.7億色)
  • 色域:「Rec.709」「sRGB」それぞれカバー率99~100%
  • 輝度(ダイナミックレンジ):「HDR10」「Display HDR 400」以上

色の正確性・再現性を厳密にこだわる方は、「ハードウェア・キャリブレーション」対応のPCモニターをチェックしましょう。

CGクリエイター向けPCモニターおすすめ3選【プロ御用達】

クリエイター向けにおすすめのPCモニターを紹介します。

デスクトップPCを検討している方は、以下の記事をご覧ください。
またPCモニターの性能を最大限引き出すには、各パーツの理解も必要です。CPUメモリ(RAM)ストレージ(HDD・SSD)グラフィックボード(GPU)など、パソコンの性能に関するパーツについても記載しています。

ノートPCを検討している方は、以下の記事をご覧ください。
3DCG制作のような重たい作業も、ノートPCで可能です。自宅でも色んな場所で作業したい、出先で作業したい、と思っているならノートPC一択です。パソコンに機動性を重視しない場合は、デスクトップPCの方が割安です。

PCモニターの内臓スピーカーは基本的に音質が悪いため、PCスピーカーの購入は必須です。安価なPCスピーカーでも音質が大幅に改善してPC作業に集中しやすくなります。以下の記事で、コスパの高いPCスピーカーを選ぶ際の参考にしてください。スピーカーの数、再生周波数帯域、ハイレゾ対応などについてポイントを記述しています。

このブログでは「Cinema 4D」を使って、3DCG制作を1人で完結できるようになるまでをサポートしています。筆者自身も手を動かしながら、毎日「Cinema 4D」を学習しています。「Cinema 4D」で稼げるよう一緒に頑張りましょう。
以下の記事では、「Cinema 4D」でできることを伝えつつ、大手3DCG制作ソフトの特徴を比較しています。

PCモニターの選びの重要な指標5つ

3DCG制作や映像制作を行うクリエイターがPCモニターを選ぶ際は、以下の5つの項目を確認しましょう。
参考:よくわかる、HDR徹底解説! HDRとは | EIZO株式会社

解像度・・・映像のきめ細やかさ
同じ画面サイズなら、解像度が大きいほど画素数も多いです。

HD :1280 px × 720 px
2K フルHD:1920 px × 1080 px
4K UHD:3840 px × 2160 px
8K SHV:7680 px × 4320 px
フレームレート・・・映像の滑らかさ
1秒間に何枚の静止画を表示するかの指標です。

防犯カメラ・監視カメラ:3~5fps(1秒間に3~5コマ表示)
映画:24fps(1秒間に24コマ表示)
日本の4K・8Kテレビ:60fps(1秒間に60コマ表示)
ビット(bit)深度・・・色・グラデーションのきめ細やかさ
ビット深度が高いほど、より多くの色を表示できます。

8ビット:約1677万色
10ビット:約10億7374万色
12ビット:約687億7195万色
色域・・・色彩の鮮やかさ
ディスプレイが表現できる色の範囲です。

BT.709(Rec.709)・・・従来のフルハイビジョン放送:狭い色域
BT.2020(Rec.2020)・・・4K/8K放送で標準化:広い色域
輝度・・・表現できる明るさ
従来のSDRよりも、近年採用が増えつつあるHDRの方がより高いコントラスト(明暗や色彩の差異)を作ります。
「HLG」 < 「HDR10」 < 「HDR10+」「Dolby Vision」

SDR:8bit(256階調)
HDR:10bit(1,024階調)、12bit(4,096階調)、それ以上

モニター購入時の注意

  • HDMIへの対応
    ほとんどのモニターは「HDMI1.4」か「HDMI2.0」にしか対応していません。
  • リフレッシュレート
    モニターによっては、240Hz対応とうたっていながら、HDMI接続だと144Hzしか出ない場合もあります。
    実写映像も編集する場合は、24Hzで再生できるモニターを選択しましょう。

BenQ「PD2725U」AQCOLOR 27インチ 4K HDR デザイナーモニター

上記ツイートに映っているのは、アートディレクター/インタラクションデザイナーとして第一線で活躍する田渕将吾さん。公開されている作品の配色の面白さに魅了されます。
参考:S5-Style

Web制作で重要な「色の再現度」への絶対的な安心感を語っていらっしゃいます。記事の一部を抜粋します。
参考:完璧な色の再現性と高解像度でストレスをなくす、BenQのデザイナーモニター「PD2725U」―田渕将吾インタビュー
・「PD2725U」はsRGBが100%再現できるということで、実際に色に違和感もなく、見た目の印象でもきちんと理想の色が出ている実感もあります。
・「PD2725U」のsRGBの再現度には本当に助けられました
・「PD2725U」の場合はコントラストが均一なので、これだけ画面が大きいにも関わらず、いつでもストレスなく端まで綺麗に見えるのもいいですね。

sRGB・Rec.709 100% / Display P3・DCI-P3 カバー率95%の広い色空間
プロ仕様の厳密な色制度で、「sRGB」と「Rec.709」とのカバー率100%「Display P3」と「DCI-P3」とのカバー率95%の色空間を実現。
またモニターのボタンを押さずとも、手元に伸びるダイヤル「ホットキーパック G2」で色域や明るさ、コントラスト、音量調整などを簡単に切り替えられます。
3つのファンクションキーやダイヤルによく使用する機能を割り当て、カスタマイズしてアクセス効率を向上させましょう。
ユニフォーミティ補正技術
BenQのユニフォーミティ(ムラ補正)技術は、画面の隅々まで色と明るさが均一になるように、画面全体のムラを微調整します。
クリエイターの制作を助ける様々なモード
暗室モード」・・・画像の明るさとコントラストが調整されるため、 明るさを落とした環境でもディテールを鮮明に表示。
DualView」・・・1つの画面に2つの異なるカラーモードでデザインを並べて表示。
デザイン(アニメーション)モード」・・・明るい領域を露出過多にすることなく、暗い領域が明るくなります。もう、3Dアニメーションの細部も見逃すことはありません。
CAD/CAMモード」・・・テクニカルイラストレーションに含まれる線や輪郭が、はっきりと表示されます。
「VESA DisplayHDR 400」対応
HDR10テクノロジーを搭載しており、HDRディスプレイに関するテスト規格「VESA DisplayHDR 400」に対応しています。
編集作業で、動画コンテンツのHDR効果をプレビューで確認しながら、思い描いたとおりのデザインを制作できます。
モニターの位置や角度調整で、最も作業しやすい位置にディスプレイを配置
高さ調節可能なスタンドを採用し、ティルト、スィーベル、ピボット調整により、お好みの位置で作業できます。
Thunderbolt™ 3対応
Macとの親和性が高く、1本のケーブルで映像・オーディオ・データ転送と給電が同時に行えます。
またThunderbolt 3でデイジーチェーン接続をすれば、4Kのデュアルモニターでワークスペースを拡張できます。
※M1/M2チップ搭載のMacは外付けモニター1台のみ対応のため使用不可。M1 Pro/Max/Ultraチップ搭載Macは4K@60Hzで最大2台に対応可能。
目に対する思いやり「フリッカーフリーおよびブルーライト軽減の機能(TÜV Rheinland認証)」
眼精疲労を軽減することで快適さや生産性を高める、BenQ独自のアイケア技術を搭載。長時間の使用でもユーザーの快適性を高めながら、目の疲れを軽減します。
ブルーライト軽減・・・バックライトからブルーライトカットすることにより、目が受ける疲労や刺激を効果的に軽減させます。
フリッカーフリー・・・従来の液晶ディスプレイに見られる画面のちらつきを解消します。

公式:液晶モニター / デザイン / PD2725U
参考:“MacBookと一発で色味が合う! ”クリエイター向け4KモニタBenQ「PD2725U」が超便利だった~Windowsユーザーも必見の便利機能を多数搭載
公式:液晶モニター / デザイン / PD2725U / 仕様

画面サイズ27インチ
パネルIPS
解像度3840 x 2160
視野角(°)178°/178°
リフレッシュレート(Hz)60
色域Rec.709 100%
sRGB 100%
P3 95%
アスペクト比16:9
表面処理ノングレア
表示色数10.7 億色
接続HDMI (v2.0) 2
DisplayPort (v1.4) 1
Thunderbolt 3 (65W給電, DisplayPort Alt Mode, データ転送) 1
Thunderbolt 3 出力 (15W給電 ) 1
デイジーチェーンテクノロジー Thunderbolt 3
USB Type-B ( Upstream ) 1
USB 3.1 ( Downstream ) 2
All-in-One Connection Thunderbolt 3

Dell「U3223QE」31.5インチ 4K HDR USB-C HUB モニタ-

3D Artist/GeneralistのHirokazu Yokoharaさんが、2020年に投稿されたツイートです。公開されている作品を見てわかる通り、3DCG業界の第一線で活躍されているすごい方。
ARTSTATION:https://www.artstation.com/yokohara
Instagram:https://www.instagram.com/hirokazu_yokohara/

そんな人が使用されていたPCモニター「U3219Q」の後継機が「U3223QE」
画質、端子類の豊富さ、スタンドの優秀さ、当然ですがいずれも「U3223QE」が優れます。「U3219Q」が優れている点は内蔵スピーカーくらいですが、多くの人は別売りのPCスピーカーを使用すると思うので問題なしです。

4K高解像度、広い色域、優れた輝度
Dell初の31.5インチ4Kモニターで細部まできめ細やかな画像を表示します。

色域:Webで活動するクリエイターに最適な3つの色域を、高いカバー率でコントロールします。
sRGB」 100%
Rec.709」 100%
DCI-P3」 98%

輝度:IPS Blackテクノロジーの高いコントラスト比「2000:1」による驚異的な色彩と鮮やかな黒を出力します。
VESA「DisplayHDR™ 400
「Power Sync」機能を使用して、ノートパソコンを起動して電源をオンにする
Power Sync・・・Dell USB-Cモニターの電源同期機能を使用すると、互換性のあるデル・テクノロジーズ製PCの起動と「Wake on Demand」が可能になります。
この機能がサポートされているかどうかについては、お使いのDell製PCを確認してください。
生産性を最大化するための機能が充実
自動KVM(キーボード、ビデオ、マウス)」:1つのキーボードとマウスで2つのPCを制御できます。
ピクチャー イン ピクチャー(PiP)」:複数のPCの画面を1つのモニターに表示(片方はワイプで表示)
ピクチャー バイ ピクチャー(PbP)」:複数のPCの画面を1つのモニターに表示(均等に分割して表示)
デイジーチェーン接続」:USB-Cを介して、追加の4KモニターをフルHD解像度で表示
 ※Display Stream Compressionテクノロジーを搭載したDell 4Kモニターにのみ適用されます。
EasyArrange」:画面をカスタマイズし、複数のアプリケーションを並べてタイル表示
自動リストア」:作業を中断した場所が記憶されるため、電源プラグを抜いた後でもすぐに作業に戻れる
ショートカットキー」ディスプレイ管理設定が迅速になる
作業の快適さを追求「配線」「モニター調整」「メニュー操作」
プラチナシルバー仕上げのモニターはあらゆる作業スペースに適合し、USB-C接続により配線がすっきりします。
またモニターの前後角度調整、左右角度調整、回転、高さ調整が可能なため、常に快適に作業できます。
メニュー操作(画面の設定)も、便利なジョイスティックコントロールで調整可能。
便利で豊富な接続端子
・HDMI 2.0 x 1
・DP 1.4(in) x 1
・DP(out) x 1
・USB-C アップストリームポート x 2
・USB-C ダウンストリームポート x 1
・USB 3.2 ダウンストリームポート x 5
・LANポート(RJ45) x 1
・オーディオラインアウト x 1
※アップストリームポート:周辺機器(デバイス)側から、PCへ情報を送信するポート
※ダウンストリームポート:PCから、周辺機器(デバイス)へ情報を送信するポート
付属ケーブル
・電源ケーブル
・DisplayPortケーブル1.8 m(DisplayPort to DisplayPort)
・USB-C Gen2 1.0 Mケーブル(A – C)
・Type-C 1.0 Mケーブル(C-Cケーブル)
目に優しく、映像を見る際の快適さが向上
「ComfortView Plus」は、内蔵の低ブルーライトスクリーン機能を常にオンにして、色精度を維持しながらブルーライトの放射を低減します。
※TUVラインランド認証済み:「ローブルーライトハードウェアソリューション」「フリッカーフリー」
安心の「プレミアムパネル交換」
画面上にひとつでもドット抜けが見つかった場合、ハードウェア限定保証の期間内であれば、Dellの「プレミアム パネル交換」により無償で代替品に交換します。

公式:Dell デジタルハイエンドシリーズ U3223QE 31.5インチ 4K HDR USB-C HUB モニタ-
公式:Dell U2723QX

パネルタイプIPS Blackテクノロジー
アスペクト比16:9
実効解像度4K 3840 x 2160 @ 60 Hz
ppi137.68
輝度400 cd/m²
コントラスト比2000:1 / 2000:1 (ダイナミック)
最大表示色10.7億色
色域Rec 709 100%
sRGB 100%
DCI-P3 98%
応答時間8 ms (GtoG 典型)
5 ms (GtoG高速)
水平視野角178°
垂直視野角178°
寸法 (幅 × 奥行き × 高さ)71.261 cm x 23.317 cm x 46.934 cm
※スタンド付き (最低ポジション)
重量10.36 kg
USB電源供給90 W

INNOCN「27M2U」ミニLED 4K 27インチ HDR1000

ツイートの通り、PC/テクノロジーの総合情報サイトとして有名な「PC Watch」がレビュー記事を掲載しています。
参考:超激安のミニLED搭載4K対応モニター「27M2U」を購入。光の鮮やかさと舞台が暗転した瞬間の「黒」に驚く
参考:西川和久の不定期コラム ミニLEDを採用しながら6万円台で購入できるの27型4Kモニター!

記事では、コスパの高さが強調されています。実際、他社のミニLED搭載液晶モニターや液晶TVの価格を考えると、「ミニLEDを採用した27型非光沢4Kモニター」としてあり得ない安さです。記事では以下が言及されています。
黒の締りが良くて4K(3,840×2,160ドット/60Hz)
・入力はUSB Type-CDisplayPortHDMI×2と必要十分。
・USB Type-Cは90Wまでの電源供給可能でノートPCなどへケーブル1本で接続でき取り回しも楽。もしUSB Type-A(Hub)があればキーボードなどをモニターへ接続してケーブルの取り回しが楽になるが、ないのが残念。
・色域はsRGB 100%Adobe RGB/DCI-P3 99%で且つ、ΔE <2の調整済。実測でも同様の結果。

MiniLEDバックライトテクノロジー、4Kモニター&HDR1000
ミニLEDバックライトを備えた、高輝度(1,000 cd/m2)高色域(99% DCI-P3、99% Adobe RGB)色精度「ΔE<2」のクリエイティビティに優れたプロフェッショナルモニター(IPSパネル)です。
また工場出荷時のカラーコラボレーションレポートで、色の再現性が確認できます。

ミニLED(Mini LED):直径が100μm〜200μm程度のLED。小さくて薄いため、デバイスの小型化に貢献。

バックライトの分割をより細かくすることで、画柄に合わせてよりきめ細やかな明るさ調整を実現しています。光量の調整をきめ細かく行うことで、液晶パネルが苦手だった深い黒を表現できます。とはいえ有機ELパネルと比べると黒(低輝度)の表現力は劣ります。有機ELパネルより優位なのは、白(高輝度)の表現力です。

また光源が画面全体に配置されているため、ユニフォーミティー(画面の輝度均一性)を高められます
ディスプレイにおいて、LEDは原則小型なほど光の利用効率が高い(低消費電力かつ高輝度が期待できる)ですが高価格となります。

マイクロLED(Micro LED):直径が100μm未満のLED。大量のLEDが必要となるため、生産性やコスト面で現状は一般向けの製品が少ないです。

参考:液晶&有機ELに続く!「ミニLED」と「マイクロLED」って何?

内臓自動調光センサー
PCモニターに内臓された自動照明センサーの設定をオンにすると、部屋の明るさに応じて画面の明るさを自動的に最適化します。

公式:INNOCN 27 4K ミニLEDモニター – 27M2U

パネルMiniLED液晶ディスプレイ(IPSパネル)
画面サイズ27インチ
アスペクト比16:9
視野角178°
コントラスト比1000:1
解像度4K UHD (3840 × 2160)
リフレッシュレート60Hz
輝度VESA DisplayHDR 1000
1000nits(Peak brightness)
700nits(Typical brightness)
色域99% DCI-P3
99% Adobe RGB
色再現性ΔE < 2(明るさを正確にコントロール可能)
接続性電源端子 × 1
3.5MM Audio Jack × 1
USB-C(最大90Wの電力供給) × 1
DisplayPort1.4 × 1
HDMI(v2.0) × 2
モニター位置調整左/右:45°
上/下:±5インチ
前方:5°
後方:20°
ピボット:±90°(重力センサー回転:モニターを縦にすると画面が自動で回転する)
パッケージ内容モニター × 1
スタンド、スタンドアーム × 1
DPケーブル × 1
HDMIケーブル × 1
USB Type-Cケーブル × 1
電源 × 1
説明書 × 1
カラーコラボレポート × 1

モニターアームのおすすめ3選&選び方

液晶パネルと有機ELパネルとの違い

クリエイター向けPCモニターは、以下の通りです。

  • 低価格+高い色の再現性:液晶モニター(IPSパネル)← 迷ったらこっちでOK
  • 高価格+非常に高い色の再現性:有機ELモニター ← お金に余裕のある人のみ

液晶とは、有機ELとは

液晶(Liquid crystal)とは:
液体+結晶=液晶
液晶は材料のことではなく、液体と個体(結晶)の間の物質の状態を意味します。液晶パネルでは、液晶性の分子の特徴を利用して、バックライトからカラーフィルターに入る光の強度を調整します。コスパが高く多くの一般ユーザーに普及しています。液晶パネルの中には、TN/VA/IPSの3種類があり、クリエイターはIPSのPCモニターがおすすめです。

参考:液晶とは? | 半導体の原理 | nanotec museum – 東京エレクトロン
有機EL(Organic Electro Luminescence)とは:
電圧をかけると有機物自体が発光する物理現象のことです。この現象を利用した半導体が、有機発光ダイオード(OLED)と呼ばれます。有機発光ダイオード(OLED)を使ったディスプレイが「有機ELモニター」や「有機ELテレビ」となり、バックライトが不要です。海外では「OLEDモニター」や「OLEDテレビ」と言います。主に大型のPCモニター製品が多いですが、20~40インチ製品も今後増えると予想されます。

参考:有機ELディスプレイとは?仕組みを徹底解説

有機ELパネルのデメリット:焼き付き(画面に残像が表示されたまま残ったり、黄色く変色したりする現象)

焼き付きへの対策「自動スリープ」「輝度を下げる」「ダークモード」

有機発光ダイオード(OLED)が長時間発光(同じ画面を長く表示)することにより、OLEDの素子そのものが劣化するため、焼き付きが発生します。
画面の輝度が高いほどOLEDの劣化は早く、白色の光が最も焼き付きを発生させます。
※メーカーの開発により、焼き付きは年々改良されています。

焼き付きを完全には避けられませんが、有機ELパネルの寿命を延ばすための自分でできる対策は以下の通りです。

  • 画面をつけたまま放置しない(自動スリープ機能の活用)
  • 画面を明るくしすぎない(輝度を下げる、明るさの自動調整機能の活用)
  • 背景などに白を避ける(ダークモードの活用)

メーカー側の焼き付き対策として、有機ELにかける電圧をコントロールしている製品もありますが、表示遅延(映像を表示するまでの遅延)が発生します。原理上、遅延は1フレーム分発生するため、折角の応答速度の速さが生かしきれません。

・PC「この映像を表示してください」

・モニター「はい、ですが1フレーム遅延します」
(映像を表示するための適切な電圧を計算するのに1フレームの遅延が発生)

液晶と有機ELとの比較

種類液晶パネル有機ELパネル
価格安い高い
電気代(目安)安い
安いと言っても、有機ELパネルとの金額はさほど変わらない
高い
1日5時間使って、液晶パネルとの金額差は月に数十円~数百円程度
寿命バックライトの寿命は約15年
他部品も考慮すると有機ELパネルとほぼ同等の寿命
発光素子の寿命は約10年
有機物は熱や光に弱い
画質低い
製品によりピンキリだが、基本的には有機ELパネルに劣る
高い
コントラスト比が高く、非常にきれいに見える
光り方の仕組みバックライトが必要
電圧をかけて液晶分子の向きを調整する
バックライトが不要
電圧をかけてRGBの独立した有機物を発光させる
重さ
薄さ
重たい、厚い
構造が複雑なため
(バックライト、液晶、カラーフィルター、ガラス)
軽い、薄い
構造が単純なため
(有機EL、ガラス)
得意なジャンル全体が明るいシーンは得意
ニュースやバラエティなどスタジオで展開される番組
明暗差の表現が得意
映画やドラマなど屋内外で暗めのシーンがある映像
主な用途・競技性の高いゲームプレイ(映像美より応答速度とコスパ重視)・映像表現にこだわった作品の鑑賞(テレビで有機ELが増える理由)
・グラフィック重視のゲームプレイ(色鮮やかでコントラスト比の高い映像を出力)
※大型製品が多いためPCモニターよりもテレビでの導入が多い
色表現・色の再現性が低い(TA,VAは低い、IPSは高め)
・完璧な黒を表現できない=画面にメリハリが出ない
(バックライトの光を液晶分子がシャットアウトして黒を表現)
・色の再現性が高い
・完璧に近い黒(深みのある黒)を表現できる=画面にメリハリが出る
(有機物の発光を止めて黒を表現)
視野角TN:狭い
VA:狭め
IPS:広め
広い
応答速度
(重要度低い)
遅い速い
早いほど残像感が少ないので目が疲れにくい
画面反射バックライトがあり反射しづらいため、画面が見やすい(基本ノングレア)バックライトがなく反射しやすいため、画面が見づらい(基本グレア)
日光がさす部屋、光が強い部屋では、特に反射する
購入先詳細を見る詳細を見る

モニターの液晶パネル3種類「TN」「VA」「IPS」とは

よく利用される液晶パネルは、主に以下の3種類です。

  • TNパネル・・・「応答速度」を重視(ゲーマーにおすすめ)
  • VAパネル・・・バランス型(一般ユーザーにおすすめ)
  • IPSパネル・・・「視野角」「色再現性」を重視(クリエイターにおすすめ)

視野角、色再現性、ノングレア・グレア、応答速度

3DCG制作ソフトやAdobe After Effectsなどを使用する、クリエイター向けのPCモニター選びで重要となる用語を紹介します。

視野角:角度をつけて画面を見たときの色の変化度合い
(視野角の「広い」モニターを選択)
横や上から画面をみたときに、色合いが変わらず表示できるかどうかを表します。TNやVAのように視野角が狭い場合、角度をつけて画面を見ると、画面奥の色が変わって見えます。
例えば指示を出す人と作業をする人がいた場合、2人が別角度から見ていても同じ色に見えている方が好ましいです。クリエイターには、視野角の広いIPSがおすすめです。
色再現性:色表現の正確性
(色再現性の「高い」モニターを選択)
色表現をどこまで正確に画面上に描写できるかを表します。再現性が高いほど、実際に目で観ている色により近い状態で映し出すことができます。TNやVAのように色再現性が低いと、画面が白っぽく見えることがあります。色を正確に表現したいクリエイターには、色再現性の高いIPSがおすすめです。

また色の再現性を高めるには、色域の広さも重要です。カバーする色が多いほど、表現できる色が増えます。Webで採用される機会の多い「sRGB」「Rec.709」のカバー率が99~100%のモニターが好ましいです。
ノングレア(反射しない)、グレア(反射する):発色が控えめか映えるか
(「ノングレア」モニターを選択)
液晶モニターは、表面加工処理の違いによって以下の2種類に分かれます。

ノングレア(非光沢)液晶モニター:
・画面の表面がマットで外部の光が反射しにくいため、自身の映り込みが少ない
・反射が少ないため目への負担が軽く、長時間のPC作業に有利
・忠実な色を再現する(発色が控えめ)ため、CG・映像制作者向き

グレア(光沢)液晶モニター:
・画面の表面にツヤがあり外部の光を反射しやすいため、自身が映り込むことが多い
・反射が多いため目が疲れやすく、長時間のPC作業に不利
映える映像(発色が美しく、深い黒色を表現できるため、コントラストがはっきりする)

ゲーマー向けPCモニター選びで重要となる用語

応答速度:モニターの画面の色が変わる速度
応答速度が速いほど映像が素早く描写されるため、映像の残像感が軽減されます。応答速度が遅いと、映像が1つ前の静止画と重なりブレて見えるため、残像感が強まります。
応答速度が速いTNパネルは、特に動きの激しいFPSやTPSなどのゲームで敵の視認性が上がるため、愛用者が多いです。
また残像感が少ない方が眼精疲労の軽減になるため、応答速度が速いと長時間ゲームをする場合に役立ちます。

「TN」「VA」「IPS」の特徴を比較

パネルの種類TNパネルVAパネルIPSパネル
価格安い中間高い
視野角
(正面以外から画面を見たときの色味の変化度合い)
狭い
(画面に角度が付くと色味が変わる)
中間広い
(画面に角度が付いても色味が変わりづらいため、どこから見ても映像がきれい)
色再現性
(現実に近い色を出力できるかどうか)
低い
(画面が全体的に白っぽく見える)
中間高い
(現実に近い色調の色を出力する)
※色調:色彩の濃淡強弱の調子
応答速度
(モニター上で色が変化するために必要な時間)
速い遅い中間
特徴PCゲームの大会で採用されることが多い・コントラスト比(最も明るい部分と最も暗い部分の輝度の差)が高いため、メリハリのある映像となる
・引き締まった黒色(完全に近い黒色)を画面に出力できる
最新式のパネルのため全体的にパフォーマンスが高く、PCの用途が広いならばIPSパネルが最良
主な用途競技性の高いゲーミングモニターとしての利用
(応答速度重視)
コストを抑えたいクリエイター向け
(映像のメリハリ重視で黒色に深みがあるため、映画鑑賞や動画鑑賞に向く)
CG・映像系クリエイター向け
(正面以外から見ても色味が変わりづらく、リアルに近い色味を映すことを重視しているため、画像編集や映像編集、イラスト制作などのクリエイティブ作業におすすめ)
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クリエイター向けPCモニター「サイズ:27~32インチ」「使用台数:3~4台」「比率:ワイド(16:9)」

クリエイト用途のPCモニターは、以下が理想的な条件です。

  • サイズ:27~32インチ
  • 使用台数:3~4台
  • 比率:ワイド(16:9)

部屋の広さやデスクの幅など、各々の環境で最適解は異なります。自分にとっての作業しやすい環境を、少しずつ作っていけばOKです。

PCモニターの「サイズ(インチ)」「使用台数」「比率」

モニターのサイズ(インチ)

人によって作業しやすいモニターのサイズは異なりますが、3DCG制作などのクリエイターにおすすめなサイズは、27~32インチです。

24インチ:やや狭い
27~32インチ:作業しやすい
34インチ:やや広い

モニターの使用台数

モニターの理想的な使用台数も人によって異なりますが、3台~4台あると便利だと思います。人によっては、さらに別のソフトを立ち上げるためにモニターが5台必要かもしれませんし、首を動かさずに作業するためにモニター1台で十分かもしれません。

  1. 3DCG制作ソフト(Cinema 4D)の作業画面
  2. 映像制作ソフト(Adobe After Effects)の作業画面
  3. 学習教材の動画(YouTubeなど)を開く画面
  4. その他(テキストエディタ、チャットサービス、SNSなど)

モニターの比率3種類

※アスペクト比:画面や画像の横と縦との長さ(画素数)の比率

スクエア(5:4~4:3)
あまり見かけないタイプのモニター。生産量が少ないため値段は高め。

ワイド(16:9)
コスパが高く、広く普及するモニター。CGや映像系のソフトは「16:9」を基本としているため、原則ワイドのモニターを購入でOK。

ウルトラワイド(21:9)
ゲーマーに人気のある超横長モニター。高画質で湾曲しているタイプもある。

インチ(型):表示領域の対角線の長さ

インチ(型)とは、表示領域の対角線の長さのことを指しています。

  • 1インチ:2.54cm
  • 10インチ:25.4cm(2.54cm × 10inch)
  • 20インチ:50.8cm(2.54cm × 20inch)
  • 30インチ:76.2cm(2.54cm × 30inch)
  • 40インチ:101.6cm(2.54cm × 40inch)
  • 50インチ:127.0cm(2.54cm × 50inch)

以下の表は、モニターのベゼル(額縁部分)を除いた、表示領域の大きさです。

参考:モニターの寸法(cm)

サイズ
(インチ)
対角線の長さ
(cm)
ワイド画面
(16:9)
横cm × 縦cm
21インチ53.3446.41 × 26.14
24インチ60.9653.04 × 29.87
27インチ68.5859.66 × 33.6
32インチ81.2870.71 × 39.83
42インチ106.6892.81 × 52.27
50インチ127110.49 × 62.23

デュアルディスプレイ(マルチディスプレイ)にするべき理由

デュアルディスプレイ(2台のPCモニターを同時に利用)にすると、多くの場合で作業効率が上がります。人によっては、PCモニターを3台、4台にすることで、さらに作業効率が上がるでしょう。逆にPCモニター1台の方が作業しやすい人もいます。

3DCG制作や映像制作でPCモニターを複数使用する場合の前提条件として、基本的にはグラフィックボード(GPU)がPCに搭載されている必要があります。オンボード(マザーボードに予め搭載された接続端子=デフォルト装備)の場合「HDMI」の接続口は大抵1つしかなく、また「DisplayPort」の接続口はないことが多いです。

接続規格について

DVI」「VGA」・・・規格が古いため、画質や安定性に不安があります。
SDI」・・・は業務用で信号が正確、かつ長距離も得意ですが、PCとモニターを繋ぐケーブルとしては使用されることは少ないです。

グラフィックボードにある「HDMI」や「DisplayPort」の差し込み口の数だけPCモニターを使用できます。
3DCG制作ソフトを利用する場合、グラフィックボードは必須といってもいいので、一定のスペックである方が望ましいです。グラフィックボードなしで負荷のかかる作業をした場合、CPUの負担が大きくなります。

グラフィックボード(GPU)に関する詳しい内容は以下の記事をご覧ください。
記事:グラボ

デュアルモニター(デュアルディスプレイ)の設定

基本的には、以下の通りにすれば複数のPCモニターが利用できます(Windows)
デスクトップで右クリック/ディスプレイ設定/マルチディスプレイ
※それぞれのモニターの解像度や画面の向きも設定できます。

参考:デュアルモニター(デュアルディスプレイ)の設定方法や – ドスパラ

解像度:横縦それぞれのピクセル数(4Kモニターを選択)

解像度とは:横縦それぞれのピクセル数・・・フルHD(1920px × 1080px)
ビットマップ画像(ピクセルの集まりで構成された画像)やPCモニターのディスプレイにおける横縦それぞれのピクセル数。
画素=ビット=ピクセル=ドット:デジタル画像を構成する色情報を持った最小単位。

解像度が高い:繊細できれいな映像 & 表示できる情報量が多い

PCの画面には、ピクセル(pixel = px)が敷き詰められています。
例えばフルHD(1920px × 1080px)なら、ピクセルが横に1920個、縦に1080個並ぶということです。1920個×1080個=2,073,600個のピクセルが画面に敷き詰められていて、1つ1つのピクセルに色がついています。

解像度が高いほど、画面に敷き詰められるピクセルの数(ピクセルの密度)が増えるため、より繊細できれいな映像が表示されます。
また4K(3840px × 2,160px)のような高解像度の画像を処理する場合、グラフィックボード(ビデオカード)への負荷は大きくなります。

解像度が高いほど画面に表示できる情報量が変わる

解像度が高いほど画面に表示できる情報量が増えます。
例えばフルHD(1920px × 1080px)だとスクロールしないと表示されなかったWebページが、4K(3840px × 2160px)だとスクロールなしで表示されます。つまり作業領域が増えて余計なスクロールが減るため、作業効率が上がります。

注意点としては、より多くの情報が表示される分、文字は小さく表示されます。ネット上でも、4Kのモニターは文字が小さいため、125%~150%に拡大して使用しているというレビューを見かけます。
また、映像系のソフトや3DCG制作ソフトの操作画面も広く使えます。

呼び方解像度
(横px × 縦px)
画素数
:総ピクセル数
(約)
SD
(Standard definition television)
720 × 48035万
HD
(High definition video)
1280 × 72092万
2K
フルHD
(Full High definition video)
1920 × 1080210万
2.5K
WQHD
(Wide Quad High Definition)
2560 × 1440370万
4K
UHD
(Ultra High definition)
3840 × 2160830万
8K
SHV
(Super High-Vision)
7680 × 43203,320万

WQHD(2560 × 1440)モニターか、4K(3840 × 2160)モニターか

WQHD(2560px × 1440px)モニター(4Kより安く、フルHDより作業領域が広い)

近年は、作業領域、文字サイズ、価格のバランスを考え、WQHD(2560px × 1440px)モニターを使用する人が増えています。

WQHD(2560px × 1,440px)は、フルHD(1920px × 1,080px)に比べ画素数が多く綺麗に画面上へ映し出されるため、写真編集などのクリエイティブ作業にも向いてます。とはいえ、クリエイティブな作業をPCでやる場合は、金銭的な余裕があるなら4K(3840px × 2,160px)が良いでしょう。
※4Kの「K」=1000画素。つまり4Kは約4000画素という意味。

画素密度(ppi):ピクセルの密度

液晶ディスプレイやビットマップ画像はピクセルの集まりでできています。
画素密度は、モニター(ディスプレイ)における1インチ(2.54cm)あたりのピクセル(画素)数を示した数値です。つまり、1インチの1辺(縦もしくは横の長さ)にいくつのピクセルが並んでいるかということです。

ppi(dpi):画素密度の数値が大きいほど1インチあたりに多くのピクセルが並ぶ

一般に、Web業界ではデータとなるためppi(pixel per inch)、印刷業界ではインクを使用するためdpi(dot per inch)という単位で表されます。ppiとdpiは、同じ意味です。
同じ画面サイズでも、画素密度の数値が大きいほど1インチあたりに多くのピクセルが並ぶことを意味し、きめ細やかで鮮明な映像が画面に出力されます。

  • 72ppi:1インチあたりピクセルが72個
  • 150ppi:1インチあたりピクセルが150個
  • 300ppi:1インチあたりピクセルが300個

例1
横縦それぞれ10インチ(20.54cm)の画像があり、1インチ(2.54cm)の中に横縦それぞれ3ピクセル並んでいた場合

解像度:横:30px(10inch × 3px) × 縦:30px(10inch × 3px)
画素数(その画像におけるピクセルの総数):90px(横:30px × 縦:30px)
画素密度(1インチの1辺のピクセル数):3ppi

例2
・2-1:横1000px、縦1000pxの画素数は?
1000px × 1000px = 100万画素

・2-2:100万画素の画像データを100dpi(1インチの1辺に100ピクセル並ぶ)でプリントするときのサイズは?
1000px ÷ 100dpi = 10inch
横:10inch × 縦:10inch の大きさでプリントされる

・2-2’:100万画素の画像データを1000dpi(1インチの1辺に1000ピクセル並ぶ)でプリントするときのサイズは?
1000px ÷ 1000dpi = 1inch
横:1inch × 縦:1inch の大きさでプリントされる

2-2と2-2’の画素数(ピクセルの総数)は同じです。画素密度(ピクセルの密度)を変更したことでサイズに影響があっただけで、2-2と2-2’の画像データそのものは変わりません。画像のピクセル数が増えたり減ったりした場合のみ、画像データ自体に影響が及びます。
ppi(dpi)値が高いほど画素密度は高くなるため表現が細かくなり(画像サイズも小さくなり)、画質は向上して見えます。

  • インクジェットプリンターで印刷する際:一般的に300~350dpiが多い
  • スマホやPC表示などWeb用に出力する際:一般的に72ppiが多い

ディスプレイサイズ(インチ)ごとのppi

使用するデバイスによって、ピクセルのサイズは異なる

同じ画像(同じピクセル数の画像)を違う解像度のモニターで表示した場合、以下のようになります。
高解像度(4K:3840 × 2160)のモニター:小さく表示
低解像度(HD:1280 × 720)のモニター:大きく表示

ディスプレイサイズ(インチ)ごとのppi(1インチ(=2.54cm)の中にどれだけの数の画素(ピクセル)があるか)は、以下の表の通りです。
参考:ディスプレイの画素密度(ppi)一覧表、4K、8K、FHD

解像度
(横px × 縦px)
21インチ
のppi
24インチ
のppi
27インチ
のppi
32インチ
のppi
HD
(High definition video)
1280 × 720
70615446
2K
フルHD
(Full High definition video)
1920 × 1080
105928269
4K
UHD
(Ultra High definition)
3840 × 2160
210184163138
8K
SHV
(Super High-Vision)
7680 × 4320
420367326275
Webに表示される画像のppi
ppiを変えても画像のピクセル数が変わらないため、Webに表示される画像の画質は変わりません。Retina(Apple製品に搭載されている高精細ディスプレイ)に対応させたい場合は、ppiを調整するのではなくピクセル数を2〜3倍にしましょう。

フレームレート(fps)とリフレッシュレート(Hz)の違い、関係性

モニターに映る映像は、いわば高速のパラパラ漫画です。静止画を非常に素早く切り替えることで、見る側が動画として認識します。

1秒間の更新回数:PC側の処理「fps」/モニター側の処理「Hz」

フレームレートとは:PC側の処理「fps」
1秒間に動画を更新する回数(PC側の処理)のことです。つまり、1秒間に何枚の画像で構成された映像かを意味します。CPUやグラフィックボードなどの性能によって決まります。パラパラ漫画のイメージに近く、1秒間に30枚より60枚の方が動きは滑らかになります。「fps」で表します。

24fps・・・1秒間が24コマの映像として出力
30fps・・・1秒間に30コマの映像として出力
60fps・・・1秒間に60コマの映像として出力
144fps・・・1秒間に144コマの映像として出力
240fps・・・1秒間に240コマの映像として出力
リフレッシュレートとは:モニター側の処理「Hz」
PCで処理された映像(fps)はケーブルを通してモニターに送られます。その映像を1秒間に更新する回数(モニター側の処理)のことです。「Hz」で表します。144Hz/1ms以上は、人間の目でほとんど違いが分かりません。

24Hz・・・1秒間に24回、画面を更新
30Hz・・・1秒間に30回、画面を更新
60Hz・・・1秒間に60回、画面を更新
144Hz・・・1秒間に144回、画面を更新
240Hz・・・1秒間に240回、画面を更新

クリエイター「色表現の豊かさ」/ゲーマー「リフレッシュレート」

用途によって、モニターに求められる性能は異なります。

  • CG制作・映像編集・作品鑑賞
    リフレッシュレートよりも、集中して作品を鑑賞するため色表現の豊かさが重視される
  • ゲーム(FPS、TPS)
    色表現の豊かさよりも、一瞬の判断が求められるためリフレッシュレートが重視される

金銭的に余裕があるならば、PC、ケーブル、モニター全てを最新スペックにしておけば問題ありません。ですがオーバースペックの製品をそろえてもお金の無駄遣いにしかならないため、自身の用途に合ったスペックの製品を購入しましょう。
CG制作や実写で60fps以上の映像を作らないならば、または60fps以上が求められるPCゲームをしないならば、144Hz、240hzのPCモニターは不要です。

また、現在使用しているPCモニターのリフレッシュレートを確認することをお勧めします。使用中のPCモニターよりも高いリフレッシュレートが必要なのかどうか、目安となります。

使用モニターのリフレッシュレートの設定・確認(Windows)

左下のスタートボタン(キーボードのWin)
/設定
/システム
/ディスプレイ
/ディスプレイの詳細設定
/※リフレッシュレートを変更したいモニターを選択
/ディスプレイ1のアダプターのプロパティを表示します
/モニタータブに切り替え
/モニターの設定・画面のリフレッシュレート

メディアによって、fps(Hz)は異なります。実写映像を映画っぽく編集する場合は、24Hzで再生できるモニターがあると良いでしょう。

  • 実写映画:24fps(1秒間に24回更新)
  • テレビ:約30fps(1秒間に約30回更新)
  • YouTube:60fps(1秒間にマックスで60回更新)
  • Cinema 4D:基本設定は30fps(1秒間に30回更新)

映像素材のfps、PCのfps、ケーブルのHz、モニターのHz

フレームレート(fps)とリフレッシュレート(Hz)との関係について

PCとモニターをケーブルで繋いで映像を見る場合、以下の流れを辿ります。

  1. そもそも再生したい映像素材
    カメラで撮影する際のフレームレートで、映像の滑らかさが異なります。
  2. PCで映像編集、再生処理
    CPU・GPUを筆頭としたPCパーツの性能、処理するデータの量、PCゲームの設定などに依存します。
  3. HDMIケーブルやDisplayPortケーブルなどで映像と音声を送る
    ケーブルの規格によって、対応するリフレッシュレートが異なります。
  4. モニターで再生
    クリエイター向けのモニターか、ゲーマー向けのモニターかによって、特化する性能が異なります。

つまり、4要素のスペックに考慮して、更新回数(fps,Hz)のボトルネックを作らないことが滑らかな画面を映し出すことには欠かせません。上流から下流に水が流れる際、どこかで水路が狭くなると結果として出てくる水は少なくなるのと同じです。
各過程で最も低いfpsやHzの値が、1秒間のディスプレイ更新回数となります。

以下の例では、分かりやすく240fps(Hz)と60fpx(Hz)とを使用しています。60fps(Hz)の映像は、実際に見てみると滑らかな印象を持つ人が多いでしょう。また滑らかで残像の少ない映像が必ずしも良いというわけでもありません。

例1:モニターのHzが低い
・映像素材のfps・・・240fps
・PCのfps・・・240fps
・ケーブルのHz・・・240Hz
モニターのHz・・・60Hz

結果的に1秒間に60回、画面は更新される(60Hz)

例2:PCのfpsが低い
・映像素材のfps・・・240fps
PCのfps・・・60fps
・ケーブルのHz・・・240Hz
・モニターのHz・・・240Hz

結果的に1秒間に60回、画面は更新される(60Hz)

例3:ケーブルのHzが低い
・映像素材のfps・・・240fps
・PCのfps・・・240fps
ケーブルのHz・・・60Hz
・モニターのHz・・・240Hz

結果的に1秒間に60回、画面は更新される(60Hz)

例4:映像素材のfpsが低い
映像素材のfps・・・60fps
・PCのfps・・・240fps
・ケーブルのHz・・・240Hz
・モニターのHz・・・240Hz

結果的に1秒間に60回、画面は更新される(60Hz)

例5:全てのfps,Hzがそろう
・映像素材のfps・・・240fps
・PCのfps・・・240fps
・ケーブルのHz・・・240Hz
・モニターのHz・・・240Hz

結果的に1秒間に240回、画面は更新される(240Hz)

色深度:モニターが表示可能な色数(「10bit」モニターを選択)

色深度は、以下の2種類を表すことがあります。

  • RGBそれぞれ各色の階調数
    RGB:「光の三原色」レッド・グリーン・ブルーの3色を混ぜると白になる
    階調:色の濃淡を表すグラデーション=色の段階
  • 全体の色数(フルカラーの理論値)

参考:モニターの色深度:どのような違いがありますか

「8bit」と「10bit」の階調数と・全体の色数(フルカラーの理論値

8bitの場合・・・
・RGBそれぞれ各色の階調数:256階調
・全体の色数(フルカラーの理論値):約1,678万色
 R:256 × G:256 × B:256=約1,678万色
10bitの場合・・・
・RGBそれぞれ各色の階調数:1,024階調
・全体の色数(フルカラーの理論値):約10億7,374万色
 R:1,024 × G:1,024 × B:1,024=約10億7,374万色

写真や映像撮影のためのカメラ(スマホを含む)は10bitが主流になってきているため、グラフィックボード(GPU)やモニターも10bit表示が望ましいです。逆にモニターが10bitで表示できるならば、グラフィックボード(GPU)も10bit対応、カメラで撮影する素材も10bitでなければ意味がありません。
ソフトウェアで画像や動画を表示する場合も、起動しているソフトウェアが10bitに対応している必要があります。

8bitの写真や映像でも多くの人はきれいだと認識しますが、8bitと10bitでは色表現の幅が圧倒的に異なります。色深度が深くなる(bitの数値が上がる)につれて、階調は増えていき色の表現が豊かになります。特に空や海などの少しずつ色が変わっていくグラデーションは、bit値が高いほど有利です。

今後、10bitの情報を持つ拡張子(HEIF:High Efficiency Image File Format などの画像データ形式)が普及したり、10bitの作品、10bit表示できるディスプレイが一般に広がれば、10bitの価値はさらに高まります。
bit値により色域(ディスプレイで表示できる色の範囲の規格)が変わるわけではありません。

参考:デジタル写真の階調について – SILKYPIX

RGB各色
の階調数
全体の色数
(フルカラーの理論値)
8bit256約1,678万色
10bit1,024約10億7,374万色
12bit4,096約687億7195万色
14bit16,384約4兆3980億4651万色
16bit65,536約281兆4749億7671万色

素材、グラボ、モニター、それぞれのbit数に配慮

例1:素材のbit値が低い
素材・・・8bit
・グラボ・・・10bit
・モニター・・・10bit

モニターで見る作品は「8bit」です。

例2:グラボのbit値が低い
・素材・・・10bit
グラボ・・・8bit
・モニター・・・10bit

モニターで見る作品は「8bit」です。

例3:モニターのbit値が低い
・素材・・・10bit
・グラボ・・・10bit
モニター・・・8bit

モニターで見る作品は「8bit」です。

例4:全てのbitがそろう
・素材・・・10bit
・グラボ・・・10bit
・モニター・・・10bit

モニターで見る作品は「10bit」です。

記事:グラボ

色域:人が見える「色」と「色の鮮やかさ」の範囲を一定に規定したもの(「Rec.709」「sRGB」それぞれカバー率100%のモニターを選択)

色域とは、人が知覚できる色の範囲(CIE1931色空間:可視領域を定量的に定義した色空間)の中で、さらに特定の色の範囲を定めたものです。デジタルカメラやスキャナ、ディスプレイ、プリンタなど、それぞれ再現できる色の範囲は異なります。

色域が定められていない場合、使用する機器間で色空間(カラースペース)をカバーする割合は異なるため、各機器で想定していない色が表現されます。どの機器でも同じ色が表現される方が都合がよいため、機器間での色の統一を図ろうと、色域が決められています。とはいえ、異なるメーカーの機器を同じ色域の規格で表示しても、色を完全に一致させることは難しいです。

参考:第1回 大事なのは”正しい色”を表示できること――液晶ディスプレイの「色域」を理解しよう
参考:Adobe RGBとsRGB、用途に合った色域のモニター選び

映像系クリエイターは「Rec.709」と「sRGB」とのカバー率100%で基本的にはOK

色域には様々な種類があります。各色域は、CIE1931色空間をどれだけカバーしているかという点で異なります。
また色空間のカバー範囲(表現できる色の多さ)も重要ですが、色域の普及率も考慮するべきです。多くの機器で採用された色域を選ぶ方が無難です。

また、使用するCG制作ソフトウェアとPCモニターとで、色域をそろえるのがベストです。以下は、「rec.2020/PQ」でそろえた例です。

活動分野によって、選ぶ色域(購入するべきモニター)が変わる

色域選びで重要なポイントは、自分が作った映像がどの環境で閲覧されるかという点です。Web(YouTube)なのか、映画なのか、Netflixなのか、それぞれに最適な色域の規格があります。自身の活動分野で一般的に採用される色域をカバーしたモニターを購入してください。

映像系クリエイターは、以下2つ以上に対応したモニターがおすすめです。それぞれカバー率が99%~100%のモニターが好ましいでしょう。

  • Rec.709:CM、TV、YouTubeで採用
  • sRGB:Webで広く採用

※「Rec.709」と「sRGB」とは同じ色域ですが、ガンマ値(入出力される信号や電圧と実際の画素の輝度などとの関係を表したもの)が異なるため再現できる色が異なります。
「AdobeRGB」カバー率が99%以上ならば、「sRGB」や「Rec.709」は100%カバーされると考えてよいでしょう。

参考:第7回 “曲線美”が色再現性の決め手になる?――液晶ディスプレイの「ガンマ」を知ろう

制定者色空間の
カバー範囲
(便宜上の目安)
普及・採用している業界
CIE1931色空間CIE
(国際照明委員会)
100%
Rec.2020ITU
(国際電気通信連合)
70%スーパーハイビジョン(8K)放送のSDR映像
Adobe RGBAdobe60%Webや紙面で一部普及(採用製品が限られる)
NTSCNTSC
National Television System Committee
(全米テレビジョンシステム委員会)
60%TVで普及
DCI-P3DCI
Digital Cinema Initiatives
(アメリカの映画制作業界団体)
55%映画(デジタルシネマ)で普及
Display P3Apple55%主にAppleデバイスで普及
Rec.709ITU-R
ITU Radiocommunication Sector
(国際電気通信連合 無線通信部門)
50%CM、TV、YouTubeで採用
sRGBIEC
(国際電気標準会議)
50%Webで広く普及(国際的な標準仕様)

カバー率:ディスプレイが色域をどのくらいカバーしているか

カバー率とは、ディスプレイが色域をどのくらいカバーしているかを示します。
仮に「Adobe RGB」カバー率99%であれば、「Adobe RGB」の色域の範囲内にある99%の色をディスプレイが表現できます。

参考までに、以下のカバー率はおおむね同等の色域の広さです。

例1
・Adobe RGB・・・90%
=NTSC・・・88%
=sRGB・・・120%

例2
・sRGB・・・100%
=DCI-P3・・・75%
=NTSC・・・72%
=AdobeRGB・・・72%

目的に合わせて、液晶ディスプレイの色域を切り替える

各機器で採用する色域が異なると、カバーしていない色は置き換えて表現されます。

例)イラスト制作者のPCモニターで表現された色が、イラスト鑑賞者のPCモニターでは完全には表現されない可能性があります。

  • イラスト制作者:Adobe RGB(色空間のカバーが広い=表現できる色が多い)
  • イラスト鑑賞者:sRGB(色空間のカバーが狭い=表現できる色が少ない)

一般消費者の多くが使用しているディスプレイは、現状では「Adobe RGB」非対応かつ「sRGB」対応の製品が多いです。色域の考慮されていないディスプレイに対応することは難しいため、基本的には色域に対応したモニター使用者向けに作業すればOKです。

色域を切り替えるボタン(調整メニュー)

一定価格以上のモニターには、表面や裏面、側面のどこかに色域を切り替えるボタン(調整メニュー)があります。ボタンを押すと「sRGB」→「Rec.709」→「DCI-P3」などというように色域が切り替わります。
例えば「sRGB」モードを選択すると、画面に表示される色が「sRGB」の色域に収まるようになります。
詳しくは各モニターの仕様を確認しましょう。

納品前の色チェックは必須です。目的の色域に合わせて、液晶ディスプレイの色域をコントロールしましょう。つまり、色域を切り替えられるモニターを選ぶ必要があります。

CMYKはRGBほど色表現が豊かではありません。
・Web:RGB(色を光で表現)
・印刷:CMYK(色をインクで表現)

SDRとHDR「輝度の情報量が多い(データが重たい)=コントラストが高い」

SDRとHDRとで、輝度(明暗)の表現力「コントラスト(明暗や色彩の差異)」が異なります。
参考:よくわかる、HDR徹底解説! HDRとは | EIZO株式会社

  • SDR:輝度の情報量が少ない(データが軽い)=コントラストが低い
  • HDR:輝度の情報量が多い(データが重たい)=コントラストが高い
SDR(Standard Dynamic Range):スタンダードダイナミックレンジ
現状では、目にする多くの画像や動画がSDRです。SDRでも、多くの人は必要十分にきれいな画像・映像だと認識します。とはいえHDRと比べて明暗の表現力が乏しいため、「白とび」や「黒つぶれ」を引き起こすことがあります。

白とび・・・明るい部分の階調が失われ白一色になっている状態
黒つぶれ・・・暗い部分の階調が失われ黒一色になっている状態
HDR(High Dynamic Range):ハイダイナミックレンジ
SDRに比べて、より広い明るさの幅(ダイナミックレンジ)を表現できる表示技術です。つまり、シャドウ(最も暗い部分)に深みを持たせ、ハイライト(最も明るい部分)の輝度をあげることで、より高いコントラスト(明暗や色彩の差異)を作ります。

理論値で輝度がSDRの100倍も高く、映像の細かい色彩や明暗を表現できるため、臨場感が増します。ダイナミックレンジが広いほど奥行きのある描写となり、人間の目で見たときの印象に近いリアリティを出すことができます。

※SDRよりも情報量が多いものは、すべて広義のHDRです。

ダイナミックレンジとは(輝度に関わる指標)

ダイナミックレンジ:光信号の最大値と最小値との比率=明暗における階調の幅
※デジタル撮影とは、光エネルギーを半導体で電気エネルギーに変換して記録する作業(光を画像データにすること)です。

参考:「HDR時代」到来 テレビからiPhoneまで – EIZO

自然界のダイナミックレンジの一例

「屋外・快晴」と「闇夜」との照度(ルクス:lx)の比率を計算
屋外・快晴・・・ 100,000 lx
闇夜・・・0.007 lx

100,000lx ÷ 0.007lx = 1,400万
「屋外・快晴」は「闇夜」の1,400万倍明るい(自然界のダイナミックレンジ)と言えます。
あくまで例えですが、1,400万段階の明るさをデータ化できれば、自然界のダイナミックレンジが再現できそうです。

実際のところ、人間が感じられるダイナミックレンジは自然界の3割ほど(瞳孔の調整によりさらに拡大する)のようです。3割しか感じられない我々の目でも、SDRの表現力は人間の目から見える描写力に届きません。ですがHDRによって、よりリアリティのある描写となります。

  • 人間の目が知覚できる明るさの範囲(ダイナミックレンジ):10の12乗
  • HDR:10の5乗(SDRの100倍の明るさを表現できる)
  • SDR:10の3乗

SDRとHDRとの違い

人間の性質上、一定以上の明るさは区別できません。
例)以下2つの状況下で増えるエネルギーは同じですが、感覚は異なります。
夜の屋外で、懐中電灯をつけたときに感じる明るさの変化は、大きい
昼の屋外で、懐中電灯をつけたときに感じる明るさの変化は、小さい

※ヴェーバー・フェヒナーの法則「人間の感覚量は、受ける刺激の強さの対数に比例する

人の明るさの感じ方(一定以上の白や黒は、情報を切り捨てて問題ないだろう)や技術的な点(データを軽くしたい)から、SDR画像(8bit:256階調)が定義され現在に至るまで長く使用されてきました。

ところが近年においては、ハードウェア(カメラやモニター)の進化により映像分野でHDR(10bit:1,024階調 or 12bit:4,096階調)の導入が加速してきています。クリエイターからすると、SDRで切り捨てられた情報を拾って作品に落とし込めるのは魅力的です。

HDRの作品を制作・閲覧する条件

ダイナミックレンジSDRHDR
明暗差の最大値8bit(256階調)10bit(1,024階調)
または
12bit(4,096階調)
※14bit以上もHDR
輝度情報のレンジ0.05 ~ 100 cd/m20.0005 ~ 10,000 cd/m2
※HDR対応ディスプレイの多くは、1000 cd/m2までしか表現できない
データサイズ小さい大きい
※動画の負担は静止画よりも大きい
規格sRGB
bt.709
bt.1886
bt.2020
SMPTE ST428-1
など
ITU-R Recommendation BT.2100
(通称 Rec.2100)
※HDR放送の世界標準規格

輝度(ダイナミックレンジ)がHDRの国際規格「BT.2100」

BT.709」「BT.2020」と新しい規格が生まれる中で、2016年7月に輝度(ダイナミックレンジ)がHDRの規格「BT.2100」が制定されました。いつしか「BT.2100」を前提とした制作、鑑賞が当たり前となるかもしれません。

※「BT.2100」=「ITU-R BT.2100(通称 Rec.2100

HDR国際規格BT.709BT.2020BT.2100
解像度フルHD4K、8KHD、4K、8K
ビット深度8bit10bit or 12bit10bit or 12bit
フレームレート最大60fps最大120fps最大120fps
色域rec.709rec.2020rec.2020
輝度
(ダイナミックレンジ)
SDRSDRHDR

ITU-R BT.2100(通称 Rec.2100)」では、制作用の規格として用途に合わせた2つのガンマカーブ「HLG」「PQ」が制定されています。どちらもSDRを超える明るさの範囲を持ちますが、それぞれ思想が異なります。

ガンマカーブ:どれくらいの信号が入力されたら、どれくらいの明るさを出力するか、つまり色と階調を左右します。
参考:よくわかる、HDR徹底解説! ガンマカーブの違い – EIZO

  • BT.:解像度、色域、輝度を含めた規格
  • rec.:色域のみの規格
ガンマカーブHLG
(Hybrid Log Gamma)
PQ
(Perceptual Quantization)
提案団体Dolby(米)BBC(英)/NHK(日)
用途テレビ放送、ライブ中継向けWeb配信、映画向け
特性SDRテレビと互換性のあるガンマカーブ
表示機器側の最大輝度に依存してガンマカーブが変化する
従来のSDRテレビに表示した場合でも大きく画崩れせずに、HDR映像を再生できる
人間の視覚特性に基づく新たなガンマカーブ
表示デバイスで再現できる輝度までは常に同じガンマカーブを描く
表示デバイスの最大輝度までの階調領域は、制作者の表現を正確に再現する
表示デバイスごとの輝度相対値で扱うため、表示デバイスによって変動絶対値で扱うため、表示デバイスによらず一定
ピーク輝度
(最大輝度)
1,000 cd/m2
※表示機器の最大輝度と一致
10,000 cd/m2
※現状、10,000 cd/m2を表示できるディスプレイはほぼ無い(400~1,000 cd/m2の製品が多い)
ディスプレイの対応を超えた輝度情報は、ディスプレイで調整されて表示される
黒レベル0.005 cd/m2以下0.005 cd/m2以下

HDRの規格「HLG」「HDR10」「HDR10+」「Dolby Vision」

HDRには主に4つの規格があり、性能的には以下のようになります。
低い 「HLG」 < 「HDR10」 < 「HDR10+」「Dolby Vision」 高い

「HDR10+」と「Dolby Vision」は、機能的に実質ほとんど同じと考えてOKです。「HDR10+」や「Dolby Vision」対応のディスプレイを購入すれば、現状HDRで困ることはありません。

HDRの信号方式HLGHDR10HDR10+Dolby Vision
ガンマカーブHLGカーブPQカーブPQカーブPQカーブ
特性日本の4k/HDRテレビ放送で採用される規格事実上のHDR業界標準規格HDR10が拡張され、性能的に進化した規格Dolby社が提唱した規格
ビット深度10ビット10ビット10ビット以上12ビット
メタデータ
(最大輝度の設定)
作品全体を通して輝度を設定
(シーンによっては、クリエイターの意図と異なる明るさで表現されるかもしれない)
作品全体を通して輝度を設定
(シーンによっては、クリエイターの意図と異なる明るさで表現されるかもしれない)
作品中のシーンごとに輝度を設定
(シーンごとに、クリエイターの意図通りの明るさで表現される)
作品中のシーンごとに輝度を設定
(シーンごとに、クリエイターの意図通りの明るさで表現される)

「Display HDR(液晶)」「Display HDR True Black(有機EL)」

PCモニターのスペックを確認する際、HDRに注目すると「HDR 400」「HDR 600」「HDR 1000」という文言を見かけます。それら「Display HDR」は、VESA(米)が策定したオープンなHDR認証規格です。画面の明るさや、明暗部のコントラスト、黒から白への輝度応答時間などを規定しています。

参考:Vesa Certified DisplayHDR™

Display HDR
液晶パネル向け(「1000 cd/m2」以上の輝度を実現できる)
暗いシーンよりも、輝度の高い明るいシーンで有利です。

・「HDR 400」の認証を取得したモニター:SDRとあまり大差がない
・「HDR 600」以上の認証を取得したモニター:HDRの恩恵を感じる
・「HDR 1400」の認証を取得したモニター:HDRコンテンツを制作するプロクリエイター向け
Display HDR True Black
OLEDパネル向け(有機ELは熱に弱いため、輝度に限界がある)
ピーク輝度が原理上低くなるため画面全体が明るくなるシーンは厳しく、暗いシーンで有利です。

Display HDR True Black 400:最小となるピーク輝度が「400 cd/m2」
Display HDR True Black 500:最小となるピーク輝度が「500 cd/m2」
Display HDR True Black 600:最小となるピーク輝度が「600 cd/m2」

以下の表を見てわかるように、グレードの高い規格ほど以下の傾向があります。

  • 「ピーク輝度」と「黒レベル」との比率(ダイナミックレンジ)が上がり、高いコントラストを実現
  • 「色域」が広がり、より多くの色彩表現ができる
VESA(米)の
HDR認証規格
最小ピーク輝度
(cd/m2 の明るさ)
最大黒レベル輝度
(cd/m2 の明るさ)
コントラスト比
(ダイナミックレンジ)
代表的な調光技術色域最大バックライト調整遅延
(ビデオフレーム数)
Display HDR 4004000.41,000 : 1
(400 ÷ 0.4)
画面レベル
(LEDバックライトが画面1枚分)
sRGB:95%以上8
Display HDR 5005000.15,000 : 1
(500 ÷ 0.1)
ゾーンレベル
(LEDバックライトが複数枚)
sRGB:99%以上
DCI P3:90%以上
8
Display HDR 6006000.16,000 : 1
(600 ÷ 0.1)
ゾーンレベル
(LEDバックライトが複数枚)
sRGB:99%以上
DCI P3:90%以上
8
Display HDR 10001,0000.0520,000 : 1
(1000 ÷ 0.05)
ゾーンレベル
(LEDバックライトが複数枚)
sRGB:99%以上
DCI P3:90%以上
8
Display HDR 14001,4000.0270,000 : 1
(1400 ÷ 0.02)
ゾーンレベル
(LEDバックライトが複数枚)
sRGB:99%以上
DCI P3:95%以上
8
Display HDR True Black 4004000.0005800,000 : 1
(400 ÷ 0.0005)
ピクセルレベルsRGB:99%以上
DCI P3:90%以上
2
Display HDR True Black 5005000.00051,000,000 : 1
(500 ÷ 0.0005)
ピクセルレベルsRGB:99%以上
DCI P3:90%以上
2
Display HDR True Black 6006000.00051,200,000 : 1
(600 ÷ 0.0005)
ピクセルレベルsRGB:99%以上
DCI P3:90%以上
2

照度(光に照らされた物体の表面の、明るさの度合い)と輝度(光源や光源で照らされた面積に対して、人が感じる明るさの量)

輝度と照度とでは、概念が異なります。

  • 照度:光に照らされた物体の表面の、明るさの度合い
  • 輝度:光源や光源で照らされた面積に対して、人が感じる明るさの量

参考:輝度とは?照度とは?|技術情報 – オーシャンフォトニクス
参考:輝度(cd/㎡)と照度(lx)の違い 照明計画で重要になる単位は?

照度とは「ルクス(lx)」

照度(Illuminance):単位は「ルクス(lx)」
光に照らされた物体の表面の、明るさの度合い(光源から出た光が、物体の表面にどの程度降り注いでいるか)です。人間の住環境、作業環境などの指標に用いられます。数値が大きいほど、その場は明るくなります。

参考:最低被写体照度とは?防犯カメラを夜間に使用するには
場所・状況照度の目安:lx(ルクス)
屋外・快晴100,000
屋外・曇天30,000
手術台20,000
駐車場(屋外の付属施設)5~30
映画館(上映中の観客席)2~5
満月の夜0.2
星明かりのみの夜0.02
闇夜0.007
暗室0

輝度とは「cd/m2(カンデラ毎平方メートル)」 or 「nt(もしくはnit)(ニト)」

輝度(Luminance):単位は「cd/m2(カンデラ毎平方メートル)」 or 「nt(もしくはnit)(ニト)」
光源や光源で照らされた面積に対して、人が感じる明るさの量(心理物理量)を表します。主にディスプレイの明るさの指標として用いられています。

数値が大きいほど、画面が明るくなります。高輝度の長所は、明るい室内でも、遠くの位置から画面の文字やアイコンを視認しやすくなることです。
※1nt(nit)=1cd/m2

参考:サイネージディスプレイの明るさの単位「輝度」とは?

PC用の液晶ディスプレイ・・・
目から画面までの一般的な距離である50cm~1m程度の距離で液晶ディスプレイを最大輝度にすると、明るすぎて目の負担が大きくなります。一般的に、映像や静止画の鑑賞では輝度を高めにして、Webブラウザやビジネスアプリケーションの使用では低輝度でOKです。
参考:第2回 輝度とコントラスト比は高いほど良いのか?

液晶テレビ・・・
リビングなど比較的明るい場所、かつ約1.5m~3mの距離がある状態での視認性が求められるため、高い輝度が必要です。液晶テレビの場合、500cd/m2クラスの輝度を持った製品も多くあります。

ディスプレイの種類輝度の目安:cd/m2(カンデラ毎平方メートル)
オフィスのPCモニター100 ~ 150
(通常のオフィス:300lx ~ 500lxの光量下)
スマホの液晶ディスプレイ140 ~ 160
一般家庭にあるTV350 〜 500
(明るくて広めのリビング)
屋内用サイネージディスプレイ400 〜 700(光があまり入らない場所)
700 ~ 1,200(日差しの当たる場所)
屋外用サイネージディスプレイ1,200 ~ 2,500
※太陽(屋外で感じる明るさ)2,000
※太陽(直接見た際に感じる明るさ)16億

サイネージのディスプレイ:駅や店舗、施設、オフィス、公共施設などの場所で、動画や画像などを用いて情報発信することを目的に使われるディスプレイ

キャリブレーション(カラーマネジメント)

キャリブレーション(Calibration)とは、PCモニターに出力される色を再調整することです。

ディスプレイの「経年劣化」と「色の個体差」対策

ディスプレイの経年劣化

PC関連の製品は全て消耗品です。モニターも使い続けると経年劣化して出力される色が変化します。クリエイターにとって、モニターに正しい色が出力されないのは問題です。別のモニターで見た際に、自分が表現した色と違っていては困ります。経年劣化で色の変化が起きてしまったモニターに対してキャリブレーション(色の再調整)を行います。

キャリブレーションにより作成されたカラープロファイルで、RGB値をどういう色で表すか指示されているため、どのデバイスでも同じ色が表示されます。
作業用のメインで使うモニターとは別に、キャリブレーションされた色チェック用のモニターがあれば納品時も安心です。納品物がWeb(YouTubeなど)で使用される映像ならば、Web閲覧者が使用するデバイス(PC、スマホ、タブレット)で色確認しておきましょう。

ディスプレイごとの色の個体差

キャリブレーションによって、複数の違うメーカーのPCモニターで出力される色味をほぼ同等にそろえられます。複数のモニターを並べて使用している場合は、モニターごとの色が同じになるためストレスが減ります。またノートPCの画面の発色とデスクトップPCモニターの発色も、ほぼ同じにできます。
定期的にキャリブレーションすることで、常に一定の発色を維持できます。

カラーマネジメント対応のソフト
キャリブレーション作業で作成したプロファイルを利用して、ディスプレイごとに同じ色を表示できます。

カラーマネジメント非対応のソフト
ディスプレイごとに色域が異なる(「sRGB」と「Adobe RGB」など)場合は、表現できる色の範囲が違うため同じ色を表示できません。
※2つのディスプレイが同じ色域(「sRGB」など)の場合、表示される色はほぼ同じになります。

「プレ・キャリブレーション」と「ムラ補正」

プレ・キャリブレーションとは
工場出荷時にキャリブレーションを行っている製品です。
キャリブレータ―を持っていない場合は、キャリブレータ―付属モデルのモニターの方がキャリブレータ―単体で購入するよりもお得なことが多いです。
ムラ補正(ユニフォーミティ)とは
モニターの画面中央と周辺とで、輝度や色合いにムラが発生することがあります。ムラ補正に対応しているモニターの場合、工場で補正してから出荷していたり、ムラ補正する回路を搭載しています。

ソフトウェア・キャリブレーション

ソフトウェア・キャリブレーションとは
キャリブレータ―(キャリブレーションセンサー)を使ってパソコンから送る映像の信号を補正して、白色点の色・輝度・ガンマの調整を行います。
周囲の照明の影響を考慮したうえで、ソフトウェアによってそのディスプレイ専用に「カラープロファイル」を作り、色を補正します。
また映像の信号に処理を加えるため情報量が減り、わずかに映像は劣化します。とはいえ、キャリブレーションされていないPCモニターよりは、ソフトウェア・キャリブレーションされたPCモニターの方が良いです。

ハードウェア・キャリブレーションに対応していないPCモニターは、ソフトウェア・キャリブレーションを行います。キャリブレータ―メーカーのソフトや汎用のソフトを使うため、基本的には全てのPCモニター(ノートPC)でソフトウェア・キャリブレーションは可能です。

白色点(はくしょくてん)
モニターで白を表示したときの色です。黄色みがかった白や青みがかった白などにできます。

カラープロファイル
PCからモニターに送ったRGBの信号の数値とディスプレイで表示されたときの色とのLab値の情報

Lab値
色差(色と色との差)を表すのに最も多く用いられている表色系
参考:Lab表色系

ハードウェア・キャリブレーション

ハードウェア・キャリブレーションとは
カラーマネジメント対応のPCモニター(カラーマネジメントモニター)は、そのモニターのメーカーが用意している専用のキャリブレーションソフトを使い、モニター本体で白色点の色・輝度・ガンマの調整を行います。

ハードウェアで直接調整するため精度の高い調整が期待できます。
また映像の信号に手を加えないため情報量が減らず、映像も劣化しません。

※PCモニターが対応していなければ、ハードウェア・キャリブレーションは実行できません。一部の高性能で高価格なPCモニターのみが、ハードウェア・キャリブレーションを実行できます。

「BenQ」AQCOLOR 27インチ Adobe RGB 99% 対応 USB Type-C搭載 写真・動画編集向け 4K カラーマネジメントモニター SW271C

AQCOLOR™技術による正確な色再現
BenQは、プロフェッショナル向けのカラー標準に対応するため、正確な色再現、キャリブレーション、認証カラーのコンビネーションを有するプロ向けシリーズAQCOLOR™展開しています。
カラーエキスパートを招聘し、ICC(International Color Consortium) やISO (International Standard Organization)にも積極的に参加することで、色に関連する基準の確立を進めています。

また「SW271C」は、はCalMAN認証およびPANTONEカラー認証を取得しています。これにより安定した品質を提供し、PANTONE認証製品とのカラーマッチも実現します。
異なる生産ラインのモニターであっても同じ精度で色表示できるため、デュアルモニター作業でも一貫した色を出力

Calman認証:ディスプレイの性能を検証するために広く使用されている色校正
参考:Products – Portrait Displays

PANTONEカラー認証:モニター・ディスプレイ・プリンターが、忠実に色を出力することを認証したもの
参考:About Pantone Validated
広色域をカバー&「16-bit 3D LUT」による「Delta E≤2」の厳密な色再現
複数の色空間のカラー標準に対応しているため、写真編集や印刷物、映像編集に必要な色を正確に表現することが可能です。
作業中は異なる色空間のコンテンツを横に並べて同時に表示できる「GamutDuo」機能を利用できます。
・「Adobe RGB」 99%
・「sRGB」「Rec.709」 100%
・「DCI-P3」「Display P3」 90%

また「16 bit 3D LUT」を採用することで、RGBのカラーブレンド精度が向上し、完璧な色再現が可能になりました。色空間内の「Delta E ≤ 2」が、オリジナルのイメージが持つ真のカラーを表現します。

※「Delta E(デルタE)」:モニターに表示される2種類の色の違いを定量化するために使用
CIE International Commission on Illuminationによって定められたもので、「ΔE」、「dE」、「dE」とも呼ばれます。
Delta Eの測定範囲は0~100で、0に近いほど色差が小さく、100は完全な歪みを表しています。一般的な人の標準知覚範囲は以下のとおりです。
・ΔE ≦ 1:肉眼では違いを認識しにくい
ΔE ≦ 2:よく見ると違いがわかる
・ΔE ≦ 4:ほとんどのメーカーが定義する出荷基準
・ΔE ≦ 10:軽く見ただけでも違いを感じる

参考:CIE | International Commission on Illumination / Comission
参考:Delta E(デルタE)とは何か?ディスプレイの選択にどのように役立つのか?
ホットキーパックG2(OSDコントローラー)
Adobe RGBモード、sRGBモード、モノクロモードを簡単に切り替えられるホットキーパックがデザインを一新し、より使いやすくなりました。
ボタンはカスタマイズできるため、他のモードや明るさやコントラストなどのOSD設定を割り当てることもでき、作業効率がさらに向上します。
スムーズなカラーグラデーションを可能にする「10 bit」色深度
「SW271C」は、「16 bit LUT(ルックアップテーブル)」を備えた「10 bit」パネルを採用しています。
ガンマ補正により、滑らかでスムーズなカラーグラデーションを提供し、10億を超える色が自然な色の移行と微細なシェーディング(スクリーン上で発生する色ムラ)により美しく再現されます。
ムラ補正技術により、均一なユニフォミティを実現
画面全体を数百の区域に分け、高精度な装置を使用しています。
繊細な処理により色と明るさを細部まで微調整することで、スクリーンの隅々まで正確な色を表現します。
ハードウェアキャリブレーションによる、一貫した画像品質
製造時に工場で1台1台キャリブレーションされており、色差とガンマとの精密性が確保されます。キャリブレーション結果は業界のカラー標準に照らして検証されているため、オリジナルコンテンツを最大限忠実に再現できます。

出荷後はハードウェアキャリブレーションによりグラフィックカードの出力データを変更することなく、モニター内部の画像処理チップを調整。コンテンツの一貫性を保ちます。
また「Palette Master Element」校正ソフトウェアとキャリブレーターを使用することで、カラー設定をカスタマイズ。モニターのカラーパフォーマンスを最適な状態に調整・維持できます。

※キャリブレーションは、同一モデルの個々のパネル間で生じるわずかな色性能差を補正するものです。したがって、個々のレポートに記載のキャリブレーションデータは、同一モデルの他のディスプレイのレポート内容とは少しずつ異なります。
※キャリブレータは付属していません。
※対応プラットフォーム : Windows 7以降、Mac OS 10.6.8以降
※対応キャリブレータ :X-Rite il Display Pro / il Pro /il Pro 2 /il Studio/ ColorMunki Photo, Datacolor Spyder 4/ Spyder 5/ Spyder X
※Spyder 4 は、macOS 10.15に対応しておりません。
※Spyder 5 は、macOS10.15に対応できますようアップデート予定となります。
※「SW271C」は、サードパーティ製ビデオキャリブレーションソフトウェアCalMANをサポートしています。 ディスプレイの3D LUT(ルックアップテーブル)を調整して、すべてのレベルで精度と一貫性をお約束。
HDR対応で、迫力あるダイナミック映像を実現
「SW271C」はHDRに対応し、華やかな瞬間をダイナミックに再生するあらゆるビデオフォーマットをサポートします。
動画配信で使われる「HDR10(PQ方式)」に加え、4K放送やビジオカメラに適用する「HLG方式」にも対応しています。 ビデオグラファーは編集中にコンテンツのHDR効果をプレビューすることができるため、完成品に求められる品質を確保できます。
※「GamutDuo」では、PIP/PBPモードに切り替えることでHLG対応とHDR10の描写を確認することができます。
遮光フードを標準装備
「SW271C」は取り外し可能な遮光フード(縦・横)を標準装備。周辺光の影響で発生する画面のグレアを効果的に軽減し、プロフェッショナルな作業には欠かせない、優れた色精度を確保します。
映画編集に最適な24P/25P/30P プレイバックに対応
パソコンのOS側で設定すれば、24P/25P/30Pのリアル再生を実現します。
60W給電可能なUSB Type-Cᵀᴹ ポート
ビデオ・オーディオ・データの高速転送が可能。
ノートパソコンに接続して作業する場合は、ケーブル1本でパソコンへの60W給電もできるため、すっきりしたデスク回りで作業環境が整います。

※USB-C™の転送レートは一定ではありません。
※ノートパソコンのUSB-CポートがDisplayPort出力モードをサポートしているかご確認ください。
※同梱のUSB-Cケーブルをご使用ください。

公式:AQCOLOR 27インチ Adobe RGB 99% 対応 USB Type-C搭載 写真・動画編集向け 4K カラーマネジメントモニター SW271C
公式:液晶モニター / 写真編集 / SW271C / 仕様
画面サイズ27インチ
パネルIPS
バックライトLEDバックライト
解像度3840 x 2160
輝度300 cd/㎡
HDRHDR10
HLG
コントラスト比1000:1
視野角(°)178°/178°
応答速度5 ms
リフレッシュレート(Hz)60
色域sRGB 100%
P3 90%
AdobeRGB 99%
カラーモードAdobe RGB
モノクロ
校正1, 校正2, 校正3
カスタム
DCI-P3
DICOM
Display P3
HDR
M-Book
Paper Color Sync
Rec.709
sRGB
アスペクト比16:9
表示色10.7 億色
画素密度(ppi)163
表面処理ノングレア
色温度5000K
6500K
9300K
カスタム
ユーザー設定
ティルト(上/下)-5˚ – 20˚
スィーベル(左/右)45˚/ 45˚
ピボット90˚
高さ調整150mm
VESAマウント100×100 mm
その他アクセサリーキャリブレーション レポート
ホットキーパックG2
クイックスタートガイド
遮光フード(縦横)
保証書
接続HDMI (v2.0) × 2
DisplayPort (v1.4) × 1
USB Type-C(60W給電, DisplayPort Alt Mode, データ転送) × 1
USB Type-B ( Upstream ) × 1
USB 3.1 ( Downstream ) × 2
All-in-One Connection:USB-C
同梱ケーブル電源
HDMI 2.0
mDP to DP
USB 3.0 (各約1.8m)
USB Type-Cケーブル(約1m)

「EIZO」ColorEdge CS2740 写真・動画・デザイン すべてのクリエイターに 27型・4K

「EIZOダイレクト」の値段・仕様も確認してください

使いやすい27型 × 4K高解像度
広い制作スペースとコンパクトさを兼ね備えた27型に、「フルHD」の4倍にあたる「4K UHD(3840×2160)」高解像度を表示できます。4Kコンテンツを等倍で確認したり、フルHDコンテンツを等倍で複数表示しながら編集できるため、映像やCG制作も快適です。
164ppiの高密度表示
一般的なフルHDモニター(96ppi)と比べて約1.7倍もの画素密度(164ppi)で、被写体の質感や陰影などデータの細部まで緻密に表示できます。一度に表示できる情報量が多いため、ズームすることなくカメラで撮影した被写体のピント確認も行えます。
データに忠実な色再現「Adobe RGB」を99%カバー
「Adobe RGB」をほぼカバーする広色域対応。「Adobe RGB」で撮影・現像したデータの色を正しく表示できます。
例えば鮮やかな青空の青色や新緑の緑色など、sRGB相当の一般的なモニターでは再現しきれない色まで忠実に再現します。
また、印刷業界の標準色である「JMPAカラー」「Japan Color」もカバーしているため、印刷前から出力紙の色味をモニター上で確認できます。
多階調化による滑らかな階調表現
工場で1台ごとに、RGB各色すべての階調を調整しています。理想のガンマ値になるよう、最も適した値を「16-bit LUT」を使って選択し、表示階調に再割り当て。モニターごとにばらつきのない、正確かつ極めて滑らかな階調を表現できます。
EIZO独自の制御ICチップを搭載し、滑らかな階調表現と安定した表示を実現しています。
※日本特許第3976095号
画面の隅々まで均一に表示
独自のデジタルユニフォミティ補正回路を搭載。
輝度と色度が均一になるよう画面全体をすべての階調で補正し、画面の隅々までムラの起こりにくい表示を保ちます。
※日本特許第4490899号、第4542988号、第5618574号、第5651419号
10-bit表示による高精度で豊かな色再現
10-bit入力対応により、約10億色以上の中から最適な色を選択して表示します。
※10-bit表示には、10-bit出力に対応したグラフィックスボードとソフトウェアが必要です。
ハードウェア・キャリブレーション対応で、安定した色表示を維持
写真編集、プリント、Webコンテンツ制作、3DCG制作など、クリエイティブワークの目的に合った正確な表示ができるよう、「ColorEdge」を調整する専用ソフトウェア「ColorNavigator」をご用意。キャリブレーションに必要な専用センサーもオプションでご用意しています。
目的に合った表示に調整するキャリブレーションは、約1分半で完了。短時間で高精度な表示調整を行います。
最新版のColorNavigator 7は、Webサイトから無償でダウンロードできます。

公式:ColorNavigator 7 カラーマネージメントソフトウェア
どこからでも見やすい、目にやさしい液晶画面
見る角度による白浮きや色変化が少ないIPSパネルを搭載。複数人で1つの画面を見る場合でも、同じ色イメージを共有できます。また映り込みが目立ちにくいアンチグレア仕様で、疲れ目を軽減します。
ノートPCとケーブル「USB Type-C」1本ですっきり接続・給電
入力端子に60W給電対応の「USB Type-C」を搭載。「Apple iMac」や「MacBook Pro」などと、簡単に接続できます。
ノートPCの電源アダプタが不要なため、デスク周りの煩雑なケーブル配線もすっきり。
快適なポジションに、高さも傾きも自由自在
コンパクトで可動範囲の広いスタンドにより、モニター画面の高さ、傾き、向きを自在に調節できます。モニター背面には、持ち運びに便利なハンドルも搭載。
購入後も安心。充実のサポート「品質への自信から生まれた5年間保証」
厳しい品質管理に裏打ちされた長期5年間保証を行っています。万が一、故障やトラブルが発生した場合でも、ご購入から5年間(使用時間30000時間以内に限ります)、修理に関する費用は無償です。
また保証期間の内外を問わず、修理期間中は貸出機を無償(保証期間外の貸出機の送料につきましては、お客様のご負担)でお貸出しいたします。
専用アクセサリで快適な環境をサポート
カラーマネージメント環境構築をサポートするアクセサリ(キャリブレーションセンサー遮光フードLEDスタンド)をご用意しています。

公式:ColorEdge CS2740 | EIZO株式会社「特徴」
公式:ColorEdge CS2740 | EIZO株式会社「スペック」

パネルIPS (アンチグレア)
バックライト広色域LED
サイズ26.9型 (68.4 cm)
推奨解像度3840 x 2160 (アスペクト比16:9)
表示領域 (横 x 縦)596.2 x 335.3 mm
画素密度164 ppi
表示色約10.7億色(10-bit対応)
視野角 (水平 / 垂直, 標準値)178° / 178°
輝度 (標準値)350 cd/m2
コントラスト比 (標準値)1000:1
応答速度 (標準値)10 ms (中間階調域)
色域 (標準値) Adobe RGBカバー率 99%
入力端子USB Type-C (DisplayPort Alt Mode, HDCP 1.3)
DisplayPort (HDCP 1.3)
HDMI (Deep Color, HDCP 2.2 / 1.4)
コンピュータ接続
(アップストリーム:パソコン側へ接続する)
USB 5Gbps: Type-C
(DisplayPort Alt Mode, Power Delivery最大60W給電)
USB 5Gbps: Type-B
USBハブ
(ダウンストリーム:周辺機器側へ接続する)
USB 5Gbps: Type-A x 2
USB 2.0: Type-A x 2
電源入力AC 100 V
50 / 60 Hz
標準消費電力36W
最大消費電力168W
デジタルユニフォミティ補正
表示モードUser
Adobe RGB
sRGB
Calibration (CAL)
外観寸法 (横表示)幅 x 高さ x 奥行
638 x 404.1 – 559.1 x 265 mm
外観寸法 (モニター部)幅 x 高さ x 奥行
638 x 378.2 x 75 mm
質量約10.3 kg
質量 (モニター部)約6.7 kg
昇降155 mm
チルト上35° / 下5°
スウィーベル344°
縦回転右回り 90°
取付穴ピッチ (VESA規格)100 x 100 mm
映像信号ケーブルUSB Type-C (2 m)
DisplayPort (2 m)
その他2芯アダプタ付電源コード (2 m)
USB Type-A – USB Type-Bケーブル (2 m)
ColorNavigator 7 ガイドブック
Quick Color Matchガイドブック
保証書付きセットアップガイド
VESAマウント取付用ねじ (M4 x 12 mm) x 4
EIZO ColorEdge用 キャリブレーション測色センサー EX4
コンパクトな測色計を搭載したフィルター方式のセンサー。
「ColorNavigator 7」を使ったハードウェア・キャリブレーションや「Quick Color Match」での表示のリフレッシュに使用できる「ColorEdge」専用のキャリブレーションセンサー(測色センサー)です。
前機種から測定精度が向上。測定にかかる時間も5分の1程度に短縮されています。
保証期間:お買い上げの日から2年間

・「ColorNavigator 7」、「Quick Color Match」専用のセンサーです。Datacolor社製の「Spyder」ソフトウェアには対応していません。
・環境光測定はできません。またグレイバランスを調整できません。
・市販の「SpyderX」とはパッケージや付属品が異なります。
・ご購入の前に、「EX4」がお使いのOSとお使いの「ColorNavigator 7」/「Quick Color Match」のバージョンとに対応していることを以下でご確認ください。

公式:ColorEdgeをキャリブレーションするための専用測色センサー。/スペック
公式:ColorEdgeをキャリブレーションするための専用測色センサー。/特徴・対応機種

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個別に購入するより7,900円お得!

遮光フード
遮光フードを使用することで、照明器具の映り込みなどの外光反射を効果的に遮ることができます。フードの内側は無反射加工を施してあるので、画面からの反射も防止します。
疲れ目の緩和や、集中力アップなどが期待できます。

モニターに素早く取付けできるマグネットタイプの遮光フードです。組立不要なため、どなたでも簡単に装着可能です。

公式:外光反射を遮る遮光フード。/特徴・対応機種
公式:外光反射を遮る遮光フード。/スペック

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LEDスタンド
ヘッド平均演色評価数※(Ra)97のLED光源を備えた高演色LEDスタンド(製造元:山田照明株式会社)です。カラーマッチングに適した自然光に近い照明環境で、対象物の色味を正しく確認・評価できます。

平均演色評価数:基準光 (自然光、太陽光)での見え方を100としたときの、色の見え方の指数を表したもの。100に近いほど太陽光下での色に近く、演色性に優れる

演色性:光源が色の見え方に及ぼす性質。色の見え方が自然光(太陽光)で見た場合に近いほど、その光源は「演色性が良い」といい、逆の場合は「演色性が悪い」といいます。演色性は、日本ではCIE(国際照明委員会)の評価法に基づくJISの演色性評価法によって判定され、一般的には、平均演色評価数(Ra)を使って表します。一般にRaが80以上なら、「演色性が良い」といえます
参考:演色性って何?

従来機種からの進化ポイントとして、明るさ(照度)は約1.6倍に向上し、大きなヘッド部分でより広範囲をムラなく照射できるようになりました。また、ヘッド部分のスイッチによって明るさを7段階に調整できます。
LED光源のため従来の蛍光管スタンドに比べて省電力・低発熱・長寿命を実現しています。

公式:5000K、6500Kの高演色LEDを装備した先進のスタンド。/特徴・対応機種
公式:5000K、6500Kの高演色LEDを装備した先進のスタンド。/スペック

2種類の用途

色温度の異なる2タイプを用意しています。用途に合わせて適したモデルをお選びください。

Z-208PRO-5000K(昼白色LED):
印刷物の色確認に、プリントとモニター画面のカラーマッチングに

Z-209PRO-6500K(昼光色LED):
3DCG制作物と実物とのカラーマッチングに、Web制作物と実物とのカラーマッチングに

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キャリブレーションの実践

キャリブレーションの事前準備(製品により異なる)

  • ディスプレイを30分は使用しておく
  • 強い光(ライトや日光)が画面に直接当たらないようにする(理想はカーテンを閉め切って外光が入らないようにする)
  • ディスプレイのコントラストをデフォルト設定にする
  • ディスプレイの色温度コントロールを6500K(ケルビン)または相当値に設定する
    色温度:光源(自然光・照明)が発する光の色を定量的な数値で表したもの。単位はケルビン(K)。
  • ディスプレイの明るさを自分の快適なレベルに調整する
  • 「輝度を自動調整」「True Tone(機器の周りの光の量に合わせて、画面の色を変えて目を疲れにくくする機能)」を両方オフにする(Macのみ)
  • スリープ(パソコンを一定時間放置すると自動的にパソコンの動作を一時的に停止する機能)をなしにする
  • スクリーンセーバー(画面の焼き付きを防止するため、パソコンを一定時間放置すると自動的にディスプレー画面を暗くしたり、アニメーションを表示したりする機能)をオフにする

キャリブレーションの大まかな流れ(製品により異なる)

  1. 専用ソフトをインストール
  2. キャリブレーションセンサーをUSBでPCに接続
  3. 専用ソフトの設定
  4. キャリブレーションセンサーをPCモニターに設置
  5. PCモニターの色測定(PCモニターの色が次々と変化していく)
    ・PCからディスプレイにRGBの信号を送る
    ・受け取ったRGB信号の色がディスプレイに表示される
    ・測色器でディスプレイに表示された色を測定
    ・測定した色の情報をPCに送る
  6. 環境光(PCモニター周りの光)の測定
  7. カラープロファイルの作成
  8. PCモニターの色調整(カラープロファイルの実行)

ビデオI/O(色の正確性にこだわる場合のみ必要)

PCからモニターに送られる信号は、OS(Windows/
Mac)が制御しているドライバを経由しているため、情報が不確かです。つまり、PCとモニターを直接ケーブルでつないでいる場合、PCからモニターに送られる信号が本当に正しいという保証がありません。

モニター側で正しい色が表示できる状態になっても、PCからモニターに送られる信号が正しくなければ、正しい色が出力されているとは言えません。

ビデオI/O:PCからモニターに送られる信号を正しくする

クライアントからの要望に沿って高い精度で色調整するならば、PCとモニターの間に「ビデオI/O」をはさんで、PCからモニターに送られる信号を正しくする必要があります。「ビデオI/O」を使えば、色がより正しく補正されてモニターに表示されます。

  • 精度が低いかもしれない色を出力:PC → モニター
  • 精度が高いと安心できる色を出力:PC → ビデオI/O → モニター

ビデオI/Oは入出力装置のことで、「I/O」は以下の略です。

  • input(インプット):入力
  • output(アウトプット):出力

※メーカーによっては、DI/DO(digital input / digital output)とも呼ばれます。

おすすめの「ビデオI/O」価格別

公式:UltraStudio Monitor 3G

公式:DeckLink Mini Monitor 4K

公式:UltraStudio HD Mini

公式:UltraStudio 4K Mini

PCの映像出力端子5種類

PCの映像出力端子は、主に5種類あります。

参考:ディスプレイケーブルの種類と選び方 – エレコム株式会社

よく使用する映像出力端子「HDMI」「DisplayPort(DP)」「USB-C(Type-C)」

HDMI・・・音声出力可能
映像出力の代表的な端子です。多くの機器で採用されており、広く普及しています。PCとPCモニターを繋ぐ場合は、基本的にHDMIで問題ありません。また最新のHDMIは、DisplayPort(DP)のように高解像度、高リフレッシュレートへ対応しています。
DisplayPort(DP)・・・音声出力可能
高解像度、高リフレッシュレートへの対応が進んだ端子として認知されています。データ通信の方法がHDMIよりも優れると言われており、競技性の高いPCゲームにおすすめです。DisplayPort(DP)は、基本的にデスクトップPCにのみ搭載されます。
USB-C(Type-C)・・・音声出力可能
高性能なUSB-Cケーブルは、映像出力と同時に電力供給、データ転送も可能です。つまり接続先の機器を充電しながら映像を映せます。モバイルモニター(コンパクトで手軽、外出先に持ち運べる)で多く採用されますが、一般的なPCモニターでの採用も増えました。

※USB-C(Type-C)に関する詳しい内容は、以下の記事をご覧ください。

【保存版】初心者にオススメの3DCG制作用ノートPCの選び方ガイド

基本的に使用しない映像出力端子「DVI」「D-sub」

DVI・・・音声出力不可
端子をねじで固定します。種類が多く、接続口の形状がそれぞれ異なるのが特徴です。最大解像度は、4K/33Hzとなっています。
D-sub・・・音声出力不可
アナログで通信をしている端子です。オフィス用のプロジェクターなどで採用されます。ですが他の便利な端子の登場により、見かける機会は減っています。

HDMI(High-Definition Multimedia Interface)とDisplayPort(DP)

映像クリエイターは、以下のケーブルを購入するのがおすすめです。

HDMI
・タイプ:タイプA
・規格(バージョン):HDMI2.1「ウルトラハイスピード」
DisplayPort(DP)
・規格(バージョン):DisplayPort2.0

HDMIのタイプ5種類(形状やサイズが異なる)

HDMIで主に使用されるのは、タイプAタイプCタイプDです。
PCとモニターを繋ぐ場合はタイプAを利用します。両方の端子がタイプAのHDMIケーブルを購入しましょう。それぞれの端子で違うタイプのHDMIケーブルも存在します。
タイプBとタイプEは、ほどんど使用されません。

タイプA
一般的なコネクタを用いたHDMIケーブルです。
PCとモニターを繋ぐ際に使用されます。

タイプC
HDMI-miniと呼ばれるコネクタを用いたタイプAより小さいケーブルです。
デジタルビデオカメラやモバイルモニターなどで多く使用されます。
※USB Type-Cとは別物です。

タイプD
HDMI-microと呼ばれるコネクタを用いたタイプCより小さいケーブルです。
スマートフォンやタブレットなどで多く使用されます。
マイクロUSBとは別物です。

「HDMI」「DisplayPort(DP)」規格ごとの違い

PCとモニターを接続する際は、「HDMI」か「DisplayPort(DP)」であることが多いです。それぞれ、規格(バージョン)によって以下の点が異なります。

帯域幅
PCからモニターへの1秒間のデータ転送量です。
Gbps(Giga bit per second / ギガビーピーエス)で表記されます。
帯域幅(Gbpsの数値)が大きいほど、高解像度・高リフレッシュレートでディスプレイに出力できます。
解像度ごとの出力できるリフレッシュ・レート
ディスプレイが1秒間に画面を書き換えられる回数です。
Hz(ヘルツ)で表記されます。
リフレッシュレート(Hzの数値)が高いほど、ディスプレイに滑らかな映像を出力できます。

高解像度の美しい映像や高リフレッシュレートの滑らかな映像を映したい場合は、帯域幅の大きい新しい規格のHDMI、DisplayPortのケーブルが適しています。
ですが多くのグラフィックボードやモニターは「HDMI1.4」や「HDMI2.0」「DisplayPort1.4」にしか対応していません。グラフィックボードやモニターのメーカーからすると、最新規格のHDMI端子DisplayPort端子を搭載するより、以前からあるDisplayPort端子の規格があれば多くの人にとって機能的に十分と考えているのかもしれません。

HDMIの規格(形状やサイズは同じ)

参考:HDMI – Wikipedia

規格
(バージョン)
HDMI1.3
「ハイスピード」
HDMI1.4
「ハイスピード」
HDMI2.0
「プレミアムハイスピード」
HDMI2.1
「ウルトラハイスピード」
帯域幅10.2Gbps10.2Gbps18Gbps48Gbps
フルHD(1920×1080)144Hz144Hz240Hz240Hz
WQHD
(2560×1440)
75Hz75Hz144Hz240Hz
4K
(3840×2160)
30Hz30Hz60Hz240Hz
5K
(5120×2880)
不可不可不可120Hz
8K
(7680×4320)
不可不可不可60Hz
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DisplayPort(DP)の規格(形状やサイズは同じ)

使用するPCやモニターの仕様を事前に確認してから「DisplayPort」か「Mini DisplayPort」かを選択してください。
基本的には以下の用途となります。

  • デスクトップPC-モニター:DisplayPort
  • ノートPC-モニター:Mini DisplayPort

参考:DisplayPort – Wikipedia

規格
(バージョン)
DisplayPort1.2DisplayPort1.4DisplayPort2.0
帯域幅21.6Gbps32.4Gbps80Gbps
フルHD(1920×1080)240Hz240Hz240Hz
WQHD
(2560×1440)
165Hz165Hz240Hz
4K
(3840×2160)
60Hz120Hz
(DSC時:144Hz)
165Hz
5K
(5120×2880)
30Hz60Hz
(DSC時:120Hz)
120Hz
8K
(7680×4320)
不可30Hz
(DSC時:60Hz)
60/Hz
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DSC(Display Stream Compression)
現在の帯域幅では足りない映像を圧縮し伝送することで、高リフレッシュレートを実現する技術。圧縮しているとはいえ、目視では差が分からないほどの品質です。DSC使用時はノーマルよりも遅延が発生することがあります。

8ビットで必要な帯域幅(解像度 / リフレッシュ・レート)

参考:帯域幅を使用して最適なビデオ出力を決定する方法

リフレッシュ・レート24Hz60Hz120Hz144Hz
フルHD
(1920×1080)
1.49Gbps3.73Gbps7.46Gbps8.96Gbps
WQHD
(2560×1440)
2.65Gbps6.64Gbps13.27Gbps15.93Gbps
4K
(3840×2160)
5.97Gbps14.93Gbps29.86Gbps35.83Gbps

ケーブル購入前に、PCとモニターの端子の規格を調べる

使用しているPC(グラフィックボード)とモニターとのHDMI規格、DisplayPort(DP)規格に合ったケーブルを購入しましょう。なぜなら、ケーブルの規格が古すぎてスペックが足りないと、PC(グラフィックボード)やモニターのHDMI、DisplayPort(DP)は本来の性能を発揮できないためです。
仮に「HDMI2.1」対応のモニターに「HDMI1.4」のケーブルを挿した場合「HDMI1.4」として機能します。

PC(グラフィックボード)、モニターのHDMIやDisplayPort(DP)の規格は、以下のように調べます。

モニターが対応するHDMIの規格を調べる方法

1-モニター裏側のシールに書いてある型番を確認
2-型番で検索して公式サイトで「入力端子」の項目を確認すると、HDMIやDisplayPort(DP)の規格が載っている
3-公式サイトにHDMIやDisplayPort(DP)の規格が載っていない場合は「モニターの型番 マニュアル」で検索する

PCに搭載されたグラフィックボードが対応するHDMIの規格を調べる方法

※モニターに映像を出力する際は、PC側はグラフィックボードのHDMI端子を利用します。
1-PCやグラボ単体を購入したサイトで、グラボの型番を確認
2-型番で検索して公式サイトで「入力端子」の項目を確認すると、HDMIやDisplayPort(DP)の規格が載っている
3-公式サイトにHDMIやDisplayPort(DP)の規格が載っていない場合は「グラボの型番 マニュアル」で検索する

PC(グラフィックボード)、モニターのHDMIやDisplayPort(DP)の規格を調べるのが面倒な場合や調べても分からなかった場合は、ケーブルの最新規格を買っておけば、下位互換があるため基本的には問題ありません。

ケーブルは、規格が記載してある2~3メートルを購入すべき

HDMI規格のライセンス認証には金銭が発生するため、ネットで購入できる安いHDMIケーブルには規格の認証を取っていないものもあります。つまり、規格の書いていないHDMIケーブルが存在します。基本的には規格が記載されたものを購入する方が、安心感があるためおすすめです。

HDMIやDisplayPort(DP)ケーブルの長さは2~3メートルがおすすめ
基本的には2~3メートルがおすすめです。
・短すぎる(約1m以下):PCからモニターまでケーブルの長さが足りずに繋げない
・長すぎる(約5m以上):データの送受信が正しく行われない可能性がある

おすすめのHDMIケーブル

映像クリエイター向けのHDMIケーブルを紹介します。スペックは以下の通りです。

  • タイプ:タイプA(PCとモニターを繋ぐ)
  • 規格(バージョン):HDMI2.1「ウルトラハイスピード」
  • 長さ:2~3m

おすすめのDisplayPort(DP)ケーブル

映像クリエイター向けのDisplayPort(DP)を紹介します。スペックは以下の通りです。

  • 規格(バージョン):DisplayPort2.0
  • 長さ:2~3m

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