グラフィックボード(GPU)とは何かを確認、クリエイター(3DCG制作)向けおすすめ紹介

グラフィックボード(GPU)とは何かを確認、クリエイター(3DCG制作)向けおすすめ紹介

クリエイター向けのPCには、グラフィックボード(独立したGPU)が必須です。ですがグラフィックボードを購入する前に、以下について理解しておきましょう。

  • そもそもグラフィックボードとは何か
  • グラフィックボードの役割とは?
  • 3DCG制作におすすめのグラフィックボードは?

グラフィックボードには様々な製品があり、性能も金額もピンキリです。お金が無駄遣いとならないように、またグラフィックボードのスペックが過不足ないように、賢く選べるようになりましょう。

筆者自身が、PCの知識が少ないときに欲しかった情報をまとめています。最低限の知識を身に着ければ、自身が求めるスペックに合ったグラフィックボードが選べるようになります。

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グラフィックボード(ビデオカード、グラフィックカード)とは:映像出力を行うパソコンパーツ

グラフィックボードは、映像をPCモニター(ディスプレイ)に出力するためのパーツです。略して「グラボ」とも呼ばれます。
グラフィックボードは、画像処理に特化して計算を行う半導体チップ「GPU(Graphics Processing Unit:グラフィック演算装置)」を搭載しています。
参考:グラフィックボードとは?初心者にもわかりやすく解説

3DCG制作ソフトを利用する場合、CPU内蔵のGPUでは性能不足で処理が重たくなります。3DCG制作の作業をはかどらせるためには、一定性能以上のGPUを搭載したグラフィックボードが必要です。

またグラフィックボードを購入したらやるべき設定があります。主に以下のことです。

  • グラフィックボードの色深度(bit深度)を10bitに設定
    ディスプレイに表示できる色数が増える
  • グフィックボード(GPU)のドライバー更新
    アプリケーションの挙動改善、高パフォーマンスの安定動作が期待できる

以下の記事でご確認ください。

グラフィックボードを買ったらやるべきこと(クリエイター向け)「色深度:10bit」「ドライバー更新」

パソコンを自作するのが面倒な場合は、BTOパソコンを検討してください。ネット上で構成パーツを指定するだけで、組み上がったパソコンが自宅に届きます。自作PCでありがちな、パーツ選びのミスも起こりません。出荷前に起動テストされているため、届いたらすぐにパソコンを使用できます。

3DCG制作のおすすめデスクトップPC【初心者/中級者/上級者】(BTOパソコンメーカー9選)

BTOメーカーの3DCG制作向けページ

ほとんどのBTOメーカーは、3DCG制作向けのページを作っていません。ですが、「パソコン工房」は3DCG制作向けパソコンのページを用意しています。
セールを行っていることもあるため、以下のリンクよりご確認ください。

パソコン工房の公式ページを確認する

「dGPU:分離GPU(単体GPU)」と「iGPU:内蔵GPU」との違い

GPUには、「分離GPU(単体GPU)」と「内蔵GPU」との2種類があります。それぞれの特徴を、以下の表で簡単にまとめています。

参考:統合グラフィックスとディスクリート・グラフィックスの違いは何ですか?
参考:内蔵GPUとは?外部GPUとの違いや今後の動向について解説!

分離GPU(単体GPU)内蔵GPU
呼び方dGPU
(Discrete GPU)
iGPU
(Integrated GPU)
構造グラフィックボードに搭載のGPUCPUかマザ―ボードに組み込まれたGPU
性能高性能で速い低性能で遅い
メモリGPUに組み込まれたメモリを使用メインメモリを使用(CPUと共有)
消費電力(電気代)高め低め
価格高価格追加費用なし
※内蔵GPU非搭載モデルのCPUの場合は、
グラボを購入する必要がある
用途重たい作業(クリエイティブ)に使用
・CG制作
・動画編集
・高画質のゲーム
・機械学習(ディープラーニング)
・マイニング(仮想通貨を得る行為)
など
軽い作業に使用
・事務作業
・インターネット閲覧
・簡単な写真加工
など
「dGPU:分離GPU(単体GPU)」と「iGPU:内蔵GPU」との特徴比較

内臓GPU(CPU内臓のGPU=iGPU)「Intel HD Graphics」「AMD APU」

デスクトップPC、ノートPCのCPUに搭載されている内蔵GPUは、基本的に以下の2種類です。
参考:データで確認する「CPUの内蔵グラフィックって性能良いの?」

  • IntelのCPUの内臓GPU:Intel HD Graphics
  • AMDのCPUの内臓GPU:AMD APU(Accelerated Processing Unit)

ノートパソコン:3DCG制作のような重たい作業も、ノートPCで可能です。自宅でも色んな場所で作業したい、出先で作業したい、と思っているならノートPC一択です。パソコンに機動性を重視しない場合は、デスクトップPCの方が割安です。

【保存版】初心者にオススメの3DCG制作用ノートPCの選び方ガイド

それぞれのアーキテクチャは、例えば以下の通りです。
上:古いアーキテクチャ
下:新しいアーキテクチャ

「Intel HD Graphics」のアーキテクチャ

参考:Intel HD Graphics
・Westmere
・Sandy Bridge
・Ivy Bridge
・Bay Trail
・Haswell
・Broadwell
・Braswell
・Cherry Trail
・Skylake
・Apollo Lake
・Kaby Lake
・Kaby Lake R, Coffee/Amber/Whiskey Lake
・Gemini Lake
・Cannon Lake
・Ice Lake
・Tiger Lake
・Alder Lake

「AMD APU(Accelerated Processing Unit)」のアーキテクチャ

参考:AMD Accelerated Processing Unit
・Ontario
・Zacate
・Llano
・Trinity
・Temash
・Kabini
・Richland
・Kaveri
・Mullins
・Beema
・Kaveri Refresh (Godavari)
・Carrizo-L
・Carrizo
・Bristol Ridge
・Raven Ridge
・Picasso
・Renoir
・Dali
・Cezanne
・Lucienne

グラフィックボードができるまでの流れ

グラフィックボードを購入する際、GPUメーカーは以下の3つです。

  • NVIDIA
  • AMD
  • Intel

現状、「NVIDIA」か「AMD」かのどちらかを選ぶ人が多いです。「Intel」は1998年以来約24年ぶりに2022年にディスクリート型GPU(パソコンに別途追加するタイプのGPU)を発売し、まだ市場からの評価が高くありません。
参考:24年ぶりにIntel GPU搭載ビデオカードが帰ってきた! Intel CPU×Intel GPUで作る“ロマン”あふれるゲーミングPC

GPU(半導体チップ=プロセッサ=処理装置)の性能によってでグラフィックボードの良し悪しは決まります。
各グラフィックボードメーカーは、GPUメーカー(「NVIDIA」「AMD」「Intel」)からGPUを購入して、グラフィックボードに搭載して消費者に売り出します。

チップレット(chiplet):基盤に複数のダイ(1枚の半導体チップ)を搭載する技術

チップレットは、基盤に複数のダイを搭載する技術です。チップレットにより、小型化、高性能化、省電力化が期待できます。
ダイ:1枚の半導体チップ

参考:チップレット標準化に向けた団体、UCIeが発足

1つ1つのダイのサイズを小さくすることで、歩留まりを向上できます。
また製造コストを抑えながらプロセッサのコアなどを増やすことで、性能が上がります。
歩留まり:投入した原料に対する完成品の割合

参考:歩留まりとは?意味や計算方法・改善方法をわかりやすく解説

GPUとCPUとは、役割が異なります。CPUは、マウス、キーボード、ハードディスク、メモリー、周辺機器などからデータを受け取り、CPUが制御・演算を行います。

CPUとは?PCパーツのCPU選びで失敗しない方法とおすすめを初心者向けに徹底解説

1.GPU(半導体チップ)の設計:「アーキテクチャ(コアの設計)」で「コア(データ処理を行う部分)」の性能が決まる

GPU設計メーカー:NVIDIA(米国)/AMD(米国)/Intel(米国)

YouTube:【RADEON WARS:Ep1】Radeonはなぜ爆熱と言われるのか。GeForceとの戦いの歴史を辿って、確かめよう!

GPUの演算回路

GPUには以下2つの重要な演算回路があります。
参考:GPUのクロック

  1. コア(Core):データ処理を行う
    コアクロック:コアが1秒間に何回の演算を行うか
  2. シェーダ―(Shader):頂点情報の制御やテクスチャの貼り付けなど、描画に関する処理を行う
    シェーダ―クロック:シェーダーが1秒間に何回の演算を行うか

GPUにはコア(Core:GPUの中のデータ処理を行う部分)があります。コア数は、映像関連における処理能力の指標の1つです。
基本的には、コア数が多いほど画像処理は高性能です。コア数が多ければ、より複雑な3D映像や動画再生など、映像関連の処理を並列に動かせます。

参考:CUDAコアとは。数が多いと何が良い? – ドスパラプラス

コアの性能はアーキテクチャ(Architecture:コアの設計)で決まります。「NVIDIA」「AMD」「Intel」でアーキテクチャの思想が異なり、各路線で進化を続けています。

参考:GPU(グラフィックボード)
公式(NVIDIA):NVIDIA テクノロジ
YouTube:CDNAにRDNA 3、Navi 2XほかAMDの最新GPUロードマップ:ジサトラKTU 146

ファブレス企業(生産を行う施設を自社で持たない)である「NVIDIA」「AMD」「Intel」はGPUの設計(アーキテクチャ)のみを行います。
GPUの製造は、ファウンドリ企業(GPUの受託生産を行う)の「TSMC(台湾)」や「Samsung(韓国)」、「XILINX(ザイリンクス)(米国)」などへ依頼しています。

参考:NVIDIA GeForce VS AMD Radeonの特徴を比較【2023年】
参考:IntelがArc Battlemage向けにTSMC 4nmの生産枠確保。Celestialは3nmで2026年に登場
YouTube:【RADEON WARS:Ep2】遂にハイエンド対決!Vegaはなぜ爆熱と言われるのか。GeForceとの戦いの歴史を辿って、確かめよう!
YouTube:【RADEON WARS:Ep3】RADEON VII登場!RTX2080と死闘を繰り広げる中、Superパワーを手に入れた最強の敵が現れる・・・
YouTube:【RADEON WARS:Ep4】RX 5700 XTとRX 5700登場!Superパワーを手に入れたRTX2070やRTX2060と勝負の時が来た!GCNとRDNAって何?
YouTube:【初心者必見】グラフィックボードの違いと選び方

GPUメーカー「Nvidia」「AMD」「Intel」のコア、アーキテクチャの名称

GPUメーカーNvidiaAMDIntel
ブランドGeforceRadeonArc
コア(Core)の名称
GPUの中で
データ処理を行う装置
CUDA(クーダ)コアStreaming Processor
(ストリーミングプロセッサ)
or
Shader Processor
(シェーダプロセッサ)

略して「SP」と呼ばれる。
64基の「SP」を1つにまとめたものをCompute Unit(コンピュートユニット)で表す。
Xe Core
アーキテクチャ▽NVIDIA GeForce

・Tesla第1
・Tesla第2
・Fermi
・Kepler
・Maxwell第1
・Maxwell第2
・Pascal
・Volta
・Turing
・Ampere
・Ada Lovelace

参考:NVIDIA GeForce
▽AMD Radeon

・TeraScale
・TeraScale 2
・GCN第1世代 (GCN 1.0)
・GCN第2世代 (GCN 1.1)
・GCN第3世代 (GCN 1.2)
・GCN第4世代 (GCN 1.3)
・GCN第5世代
・RDNA 1.0
・RDNA 2.0
・RDNA 3.0

参考:AMD Radeon
▽Intel Arc
(Xeアーキテクチャ)

・Xe-LP:
CPUへの組み込み向け

・Xe-HPG:
ゲーミング向け
(一般消費者が購入するdGPUは、基本これ)

・Xe-HP:
データセンター向け

・Xe-HPC:
スパコン向け

参考:Intel Xe
YouTube:IntelのGPU「Xe」アーキテクチャについて
GPUメーカー「Nvidia」「AMD」「Intel」のコア、アーキテクチャの名称

コアの集まり「GPC/NVIDIA」「Shader Engine/AMD」「Render Slice/Intel」

コアをひとまとめにした状態の名称は、各GPUメーカーで異なります。基本的に、コア数が多いほど高性能で消費電力も高くなります。
※説明が間違っている可能性があるため、大雑把なイメージとしてとらえてください。

参考:ゲームに不可欠な「GPU」の働きや性能に関して知っておくべきこと
YouTube:DXR?VRS?VRR?VSR?OTR?謎の自作用語・略語を覚えよう!:ジサトラKTU 111

NVIDIA「GeForce」のコア:

  • GPC(Graphics Processing Cluster)
    SM(Streaming Multiprocessor)を複数まとめたもの
  • SM(Streaming Multiprocessor)
    CUDA coreを複数まとめたもの
  • CUDA core
    主に演算処理を行う回路

参考:NVIDIA Graphics Processing Cluster
参考:【NVIDIA GPU】CUDAコア、Tensorコア、RTコアの違い – ディープラーニング処理への影響 –

AMD「Radeon」のコア:

  • Shader Engine
    CU(Compute Unit)を複数まとめたもの
  • CU(Compute Unit)
    SP(Streaming Processor)を複数まとめたもの
  • SP(Streaming Processor)
    主に演算処理を行う回路

参考:AMD Shader Engine

GPUアーキテクチャによって、構成や呼び方が変わります。
RDNA:2つのCUを1グループとして「Work Group Processor(WGP)」と呼ぶ
RDNA 2:「WGP」を「Dual Compute Unit」と呼ぶこともある
RDNA 3:「Compute Unit Pair」と呼ぶ

参考:西川善司の3DGE:Radeon RX 7900 XTX/XTは何が変わったのか。大幅な性能向上を遂げたNavi 31世代の秘密を探る

Intel「Arc」のコア:

  • Render Slice
    Xe-coreを複数まとめたもの
  • Xe-core
    XVE(Xe Vector Engine)やXMX(Xe Matrix Extensions)などをまとめたもの
  • XVE(Xe Vector Engine)
    描画の演算を行う
  • XMX(Xe Matrix Extensions)
    AIでの演算を行う

参考:Intel Render Slice
YouTube:Intel Arc A770/A750実機検証! Intel製GPUの上位モデルはGeForce&Radeonの分厚い壁を打ち壊せるのか? 性能、消費電力、使い勝手などをチェック!

コア、スレッド:コア数、スレッド数が多いほど処理効率が上がる

GPUの中でも最も重要なパーツが「コア」「スレッド」です。
参考:CPUとGPUのマルチスレッディングの違いについて
参考:富士通パソコン | CPU性能詳細について

  • コア:プロセッサ(命令を処理する装置)の「コア(中心的)」な部品です。
    主に計算・処理を行う回路です。
  • コアのフロントエンド部分:描画命令を受け取ってタスクを割り振ります。
  • スレッド:同時に処理できる作業単位です。
  • マルチスレッド:タスクを複数のスレッドに分けて並行処理する方式です。

GPUキャッシュ(GPU Cache):命令(プログラム)を一時的に保存しておく

CPU・GPUは、命令を読み込んで演算します。CPU・GPUがデータや命令を探すとき、プロセッサに最も近いキャッシュから読み込みます。
キャッシュは高速にアクセスできるため、処理が速いです。GPUに接続されるメモリは、CPUに比べ10倍ほど高速です。

参考:CPUとGPUのキャッシュメモリ:その目的
参考:GPUの命令キャッシュとは何か
YouTube:ゆっくりで学ぶ基本情報技術者試験 キャッシュメモリ【ゆっくり解説】

期待されるデータや命令に達するまで、レベルが低いキャッシュから読み込みに行きます。
1次キャッシュ → 2次キャッシュ → 3次キャッシュ

参考:C++ AMPを用いたGPUプログラミングwiki
参考:GPUにおける1スレッドあたりのキャッシュ容量の考え方

  • 1次(L1:level 1)キャッシュメモリ:とても速い、小容量
  • 2次(L2:level 2)キャッシュメモリ:速い、中容量
  • 3次(L3:level 3)キャッシュメモリ:速め、大容量
    ※3次キャッシュメモリは「LLC(Last Level Cache)」とも呼ぶ。
    ※AMDは3次キャッシュメモリを「Infinity Cache」とも呼ぶ。

2.GPU(半導体チップ)の生産:「プロセス(トランジスタを配置する回路の配線の幅)」の微細化が重要

半導体メーカー:TSMC(台湾)/Samsung(韓国)/など

YouTube:【解説】プロセスルールや製造プロセスって何?i9-12900Kは10nm、Ryzen9 5950Xは7nmなど、微細化するとどんな変化があるのかを解説していきます!

GPU(半導体チップ)上には、トランジスタ(電気信号を大きくする増幅機能と、電気を流したり止めたりするスイッチング機能を持つ半導体素子)が配置されます。GPUに配置するトランジスタの数が多いほど、GPU(半導体チップ)の性能は上がります。
よって同じ面積で多くのトランジスタを配置できるように、プロセス(トランジスタを配置する回路の配線の幅)の微細化が各メーカーの至上命題であり、競争力の源泉です。
参考:半導体チップにおけるプロセスとは?

プロセスは「プロセスルール」「プロセスノード」「プロセスサイズ」とも呼ばれ、単位はnm(ナノメートル)で表されます。基本的には、プロセスが細いほどGPUは高性能です。ただしメーカーによって配線密度が異なるため、プロセスのサイズが全てではありません。

プロセス微細化のメリット

  • 同じ面積のキャンパスに多くの回路を詰め込めて、より多くのトランジスタを配置できる=性能アップ
  • 歩留まり(良品がどれくらい出てくるかの割合)が向上する=コストカット
  • トランジスタが小さいほど必要な電力が減る=消費電力が下がる

参考:【CPUの基本】図解でよく分かる「プロセスルール」の意味

「TSMC」も「Samsung」もプロセス(トランジスタを配置する回路の幅)を小さくすることに苦心し、GPU設計メーカーである「NVIDIA」や「AMD」などに選ばれる努力をしています。
特にファウンドリ企業(GPUの受託生産を行う)であるTSMCの技術力は、現段階で世界最先端と言われています。
契約が締結したら、GPUメーカーの設計通りにGPUを生産します。

YouTube:最強の半導体メーカー「TSMC」に秘められた本当の強みを理解してる?分かりやすく解説。
YouTube:サムスンの「強さ」は人材戦略からきている。その強さの秘密を人材戦略から探ります。
参考:【半導体銘柄】ファウンドリとは?本命銘柄5社をご紹介!

3.グラフィックボードの組み立て:GPUが同じでもグラボ(価格やデザインなど)はメーカーによって違う

グラフィックボードメーカー(GPUをグラボに搭載する):玄人志向(日本)/ZOTAC(香港)/MSI(台湾)/ASUS(台湾)/GIGABYTE(台湾)/ASRock(台湾)/Palit(台湾)/など

YouTube:グラボメーカーによる違いと比較 ~おすすめのグラフィックボードメーカーとは~

グラフィックボードメーカーは、GPUや出力端子(ケーブルを挿すポート)、冷却ファンなどを搭載してPCに設置できる状態にします。
グラフィックボードメーカーによって、以下の点が異なります。特にこだわりがない場合は、その時点での最安値のグラフィックボードを購入しましょう。

  • 価格
  • 性能(ブーストクロックなど)
  • 冷却性
  • サイズ
  • デザイン
  • LEDライティング
  • 冷却ファンの静音性
  • サポート

GPUが同じならば性能に大きな差はありませんが、メーカーによってブーストクロックが若干異なる場合があります。
ブーストクロック:負荷がかかった際に、自動でGPUの処理速度を加速させる機能。GPU温度が高すぎないことが動作条件です。
参考:「Palit」のグラフィックカードはこうして作られる Palit 30周年記念 工場見学レポート

基本的には高性能なGPUほど発熱しやすいため、冷却ファンの数も増えます。つまりハイエンドなグラフィックボードは、サイズが大きい傾向にあります。よってメモリなど他PCパーツとの干渉、PCケースのサイズを考慮しなければなりません。
YouTube:PCパーツメーカー・ブランド紹介 玄人志向(グラボ編)
YouTube:PCパーツメーカー・ブランド紹介 ZOTACとは!?
YouTube:PCパーツメーカー・ブランド紹介 MSI(グラボ編)
YouTube:PCパーツメーカー・ブランド紹介 ASUS(グラボ編)

グラフィックボードの市場価格

またグラフィックボードの市場価格は、様々な事情により推移します。例えば以下のような事情が挙げられます。

  • 人気製品への過大な需要
  • ウイルス蔓延の影響による半導体生産の縮小
  • 半導体製造に必要な希少金属、希少ガスの価格高騰
  • 仮想通貨ブームによるマイニング(ブロックチェーンへの作業に自前のグラフィックボードで協力した報酬として仮想通貨を得ること)需要の増加
  • GPU高性能化による製造コストの高騰
  • 為替相場(GPUを販売しているのは、アメリカに拠点を置く「NVIDIA」「AMD」「Intel」)

参考:【4月最新情報】グラボ高騰の理由とは? いつまで続くのかを徹底調査&価格推移をグラフでチェック
YouTube:グラボの価格が急落した理由とは!?〇〇による値上げが来る前に買うしかない!

グラフィックボードの構成(GPU、VRAM、出力端子、冷却ファン)

グラフィックボードは、主に以下4つのパーツで構成されます。

  • GPU(Graphics Processing Unit):画像処理に特化したチップ
  • VRAM(Video Random Access Memory):GPUのメモリ容量
  • 出力端子:HDMI、Display Portなどのケーブルを挿す場所
  • 冷却ファン:GPUの発熱を冷ますための送風冷却装置

GPU(Graphics Processing Unit):画像処理に特化したチップ

画像(映像)をディスプレイに映すための計算・処理を行う半導体チップです。GPUが搭載されていないパソコンは、ディスプレイに画面を表示できません。CPUもしくはマザーボード内臓のGPUか、独立したGPU(グラフィックボード)が必要です。

GPUは複数のコアが連携して動作することで、膨大な並列処理ができます。よってGPUは、CPUに比べ圧倒的な処理スピードを誇ります。画像処理に最適です。
ですがGPUは単純計算に特化しており、CPUのような幅広い処理には向きません。

CPUとGPUとは、協力してパソコンを動かしています。CPU(Central Processing Unit)は、パソコン内の汎用的なデータの処理、計算を行う司令塔的な役割です

参考:GPUとは?CPUとの違いや役割・種類についてもわかりやすく解説!
参考:基礎からわかるGPU 性能・特徴や選び方のポイント

FLOPS(フロップス):コンピュータの演算能力(処理速度)の指標

FLOPS(Floating-point number Operations Per Second)
1秒間に実行できる浮動小数点演算の回数で、「FLOPS」の数値が大きいほど高性能です。
参考:FLOPS(フロップス)とは – 意味をわかりやすく
参考:浮動小数点演算

コンピュータの処理速度をあらわす単位です。
・1秒間に5回 → 5FLOPS
・1秒間に10回 → 10FLOPS

浮動小数点:数字を仮数、基数、指数の要素で表現すること
例)X × Y ^ Z・・・XかけるYのZ乗
Xに相当する部分は「仮数」
Yに相当する部分は「基数」
Zに相当する部分は「指数」
浮動小数点演算:浮動小数点の形式での計算(コンピュータに計算させる際の方法)
例)123.45 + 67.8
以下のような形で計算します。
12345×10^-2 + 678×10^-1

GFlops(Giga FLOPS/ギガフロップス):10億FLOPS

浮動小数点演算を1秒間に10億回行うことを示す単位です。
科学技術計算や3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)描画などにおける、コンピュータの性能指標として用います。

例)毎秒56億回の浮動小数点演算が処理できるシステム
→5.6GFLOPSの性能を持っている、と表現します。

参考:GFLOPS 【gigaFLOPS】 ギガフロップス
参考:GFLOPSとは

GPGPU(General-Purpose computing on Graphics Processing Units):GPUによる汎用計算

GPUの機能を、画像・映像に関する処理以外の計算用途に流用する仕組み(GPUコンピューティング)です。
参考:GPGPUとは?特徴や利用用途について解説

GPGPUの並行処理能力は、主に以下の分野で利用できます。

  • 科学技術研究
  • 仮想通貨のマイニング
  • 人工知能(AI)
ASIC:ビットコインのマイニング(採掘)に使われる
ASIC(Application Specific Integrated Circuit)は、特定の目的向けに作られた集積回路を指しています。
集積回路:小さな基板の中に、多数の回路素子を集積した小型の電子回路

最初からビットコインマイニングのために設計されており、CPUをはるかに上回る処理速度の「ASIC」と呼ばれるマイニングツールが、ビットコインのマイニング作業に投入されています。

参考:ASIC
参考:ビットコインマイニングの歴史:PCからASICの台頭まで

出力端子:HDMI、Display Portなどのケーブルを挿す場所

グラフィックボードの出力端子(映像や音声の信号を送る側の端子)と、PCモニターの入力端子(送られてくる信号を受け取る側の端子)とを各種ケーブル(HDMIケーブル、Display Portケーブル)で繋ぐことによって、映像・音声をディスプレイに出力できます。

端子の形状に合った各種ケーブルを用意しましょう。
またグラフィックボードを使用する場合は、CPU・マザーボード内蔵GPUの端子ではなく、グラフィックボードの端子にケーブルを挿してください。

大抵のグラフィックボードには、以下2つの両方もしくは片方の出力端子が搭載されています。
参考:DisplayPortケーブルとHDMIの違いとは?見た目・性能の違いやDPケーブル特有の問題も

HDMI端子:台形型の形状で、最も普及している端子
テレビ、ゲーム機、Blu-rayレコーダーなどにも搭載されているため見かける機会が多いです。最新規格は高性能で、Display Portと同等の解像度(画素密度)、リフレッシュレート(ディスプレイが1秒間に画面を描画できる回数)を出力します。
Display Port端子:一つだけ角に切りかけがあり、広く普及している端子
一般的にHDMI端子よりも高性能だと言われており、高解像度・高リフレッシュレートに対応している端子です。HDMIと違ってメーカー側がライセンス料を支払わなくてよいため、コストを抑えるためグラフィックボードでの採用が多く見られます。

ケーブル(HDMI/DP/USB):ポート(端子)の性能に合うケーブル規格を選びます。ケーブルの規格によっては、グラフィックボード(GPU)やPCモニターなど各機器の性能を発揮できません。
ケーブル選びに重要な「帯域幅」「リフレッシュレート」も解説しています。

PCとPCモニターとを繋ぐケーブル「HDMI」「DisplayPort(DP)」「USB Type-C」「Thunderbolt」/帯域幅/リフレッシュレート/Wi-Fi 6E/Bluetooth

PCスピーカー:最低限の音質を確保するため、パソコン、PCモニターと合わせて、PCスピーカーも準備します。

パソコンの音が小さい、出ない、おかしいを解決「PCスピーカー」おすすめ2選/Creative「Pebble」/Anker「Soundcore」各シリーズ比較

フレームレート(fps)とリフレッシュレート(Hz)

フレームレート:1秒間あたりの画像の表示数(単位・・・FPS:frame per seconds)
パラパラ漫画を構成する画像枚数のイメージでとらえてください。パラパラ漫画の1枚1枚がフレームで、1秒間に何枚めくるのかを表す単位がフレームレートです。
高いフレームレートほど1秒間あたりに表示される画像枚数が多くなるため、なめらかな映像になります。特にゲームでは、操作の快適さに影響します。

参考:フレームレート(fps)とは? 概要から数値による違い、注意点までわかりやすく解説!

・30fps・・・1秒間に30枚の画像が表示された映像
・60fps・・・1秒間に60枚の画像が表示された映像

メディアごとに適したフレームレートがあり、必ずしもFPSの数値が高いから良いわけではありません。また高フレームレートになると、1秒間に表示する画像枚数が増えることから通信量が増えます。近年では高フレームレートでも通信負荷を低くするため、動画を圧縮する技術も発展してきました。

リフレッシュレート:1秒間あたりの画面の切り替え回数(単位・・・Hz)
テレビやPCモニターなどのディスプレイは、目に見えない速さで明滅しています。明滅スピードを表す単位がリフレッシュレートです。
高いフレームレートの動画を表示するためには、高いリフレッシュレートで表示できるテレビやPCモニターなどのディスプレイが必要です。

「出力端子(GPU)」「入力端子(ディスプレイ)」「端子同士を繋ぐケーブル(HDMI、DP、など)」それぞれ3つの規格によって出力できる解像度やフレームレートなどが異なります。
どこか一か所が性能でボトルネックとならないよう、「グラフィックボード」「PCモニター」「ケーブルの端子(規格)」を確認して規格のバランスをとりましょう。

例)120fps、60Hz、出力される映像は60コマ
・映像:120fpsのフレームレートの映像
・PCモニター:60Hzのリフレッシュレートまでしか対応していないディスプレイ
・PCモニターに表示される映像:フレームレートは実質60fpsとなる

高いフレームレート(fps)の映像を扱う場合、高いリフレッシュレートで表示できるPCモニターが必要です。以下の記事で、コスパ重視のクリエイター向きPCモニターを紹介しています。

クリエイター向けPCモニターおすすめ3選(主に3DCG制作)「色深度」「色域」「HDR」とは

カラーマネジメントPCモニター:プロのクリエイターが使う、正確な色調整・色再現ができるPCモニターです。キャリブレーションによって、ディスプレイの「経年劣化」と「色の個体差」をカバーします。

カラーマネジメントモニターのおすすめ2選(クリエイターのためのキャリブレーションとは)

Fluid Motion/AMD:秒間24フレーム・30フレームの映像を60フレームに補完して、再生する技術

Fluid Motionは、CyberLink社の「PowerDVD」と組み合わせることで市販のアニメや映画のBlu-ray Disc再生時にFluid Motionによる映像補間を適用できるようになっています。

オリジナルのフレームとフレームの間に、自動生成したフレームをリアルタイムに追加して自動生成することで、滑らかな映像が楽しめます。
現在は、廃止されています。

参考:Ryzen GでFluid Motion!意外に知られていない裏テクで動画を超快適に楽しもう
YouTube:Radeon Fluid Motionでアニメを60fpsにした話
参考:PowerDVD – ブルーレイ・DVD 動画再生ソフト – サイバーリンク

Resizable BAR(Smart Access Memory):PCI Expreeインターフェースのオプション技術で、ゲームのフレームレート(FPS)向上に利用

Resizable BARは、PCI Expressの機能を利用します。

PCI Express(PCIe/PCI-E)
マザーボードの拡張スロット(接続規格)です。
グラフィックボード以外では USBボード、キャプチャボード、サウンドカードなどが使われます。

近年のグラフィックボードは、ビデオメモリ(VRAM)の搭載量が増えています。VRAMは、テクスチャやシェーダーなどゲームに必要な小さなデータをCPUからGPUへ転送しています。今までの仕組みでは256MBという小容量でしか転送できませんでした。
ですが「Resizable BAR(Smart Access Memory)」を使うことで転送量の制限が撤廃され、必要な時に必要な分だけデータを転送できます。理論上は、ゲームなどのパフォーマンスが向上します。

「Resizable BAR」を使用するには

「Resizable BAR」を使用するには以下が必要です。

  • 「Resizable BAR」対応のGPU
  • 「Resizable BAR」対応のマザーボード(チップセット)
  • 「Resizable BAR」対応のCPU
  • 「Resizable BAR」対応のソフトウェア(ゲーム)

設定は、BIOSで行います。
BIOSで設定項目が見つからない場合、各グラボメーカーの提供するグラフィックボード専用の「BIOS(vBIOS)」をダウンロードしましょう。

参考:Resizable BARとは何か?効果のほどをRTX3060で検証!
YouTube:NVIDIAが発表したResizable BARって何?RTX3060もちょっとだけ紹介します【自作PC】
YouTube:GeForceのResizable BAR対応vBIOSを試す:ジサトラKTU 194

GPUメーカーにより呼び方が異なることがありますが、同様の意味です。

NVIDIAResizable BAR
公式(NVIDIA):GeForce RTX 30 シリーズが Resizable BAR の対応でパフォーマンスを加速
YouTube:GeForceが速くなる!?Resizable BAR

IntelResizable BAR
公式(Intel):インテル® Arc™グラフィックスを使用するには、リサイズ可能な BAR が必要ですか?
YouTube:【秘めたる力】Intel Arc A380を再検証!Resizable BARの効果が凄かった!!【グラボ】【自作PC】

AMDSmart Access Memory
基本的には、一定性能以上の「Ryzen」と「Radeon」とを組み合わせることが推奨されています。ですがIntelのCPUと組み合わせても機能します。

公式(AMD):AMD Smart Access Memory
YouTube:【AMD】AMD ZEN3 Ryzen7 5800xとRADEON RX6700 XTを使ってベンチ検証!SAM(Smart Access Memory)も試してみた【自作PC】
YouTube:Intel CPUでRadeon RX6800のSmart Access Memory(SAM)を動かしてみる。Intel CPUでもSAMは使えます。

またマザーボードによっても、呼び方が異なりることがあります。
以下は一例です。
・「Clever Access Memory
・「Re-Size BAR Support
参考:ASRockの「Clever Access Memory」を検証:インテルCPUでSAMが使えるぞ

冷却ファン:GPUの発熱を冷ますための送風冷却装置

GPUがフル稼働している状態が一定時間続くと、GPU自体が発熱します。安全性を考慮して、GPUが一定の温度に達するとGPUの性能を落として稼働するよう設計されています。熱を冷ますためとはいえ、性能が落ちた状態のGPUでは作業の快適さが失われます。

よってGPUの温度がなるべく上がらないよう、グラフィックボードには冷却用のファンが付いています。CPUでいうところのCPUクーラーだと思ってください。半導体は熱に弱いため、GPU・CPUを冷ますことは重要です。
参考:グラフィックボードの冷却ファン:内排気と外排気と水冷の違いを解説

CPUクーラー:CPUを冷却するためのパーツで、CPUに高負荷をかけた際のCPUの性能低下や誤作動、故障などのリスクを抑えます。

CPUクーラーとは?PCパーツ「空冷」「水冷」選びで失敗しない方法とおすすめを初心者向けに徹底解説

一般的に性能が高いGPUほど熱を発するため、大型のファンを搭載する傾向にあります。ファンが大きくなったりファンの数が増えたりすると、グラフィックボードも大きくなります。必然的に、ハイエンドのグラフィックボードには設置するための大きなPCケースが必要です。

様々あるグラフィックボードメーカーにとって、冷却ファンの「冷却性能」「サイズ」「静音性」は競争の種です。またPCケース内部全体のエアフロー(空気の流れ)も、GPUの温度に影響します。

割高ですが、「簡易水冷ユニット(AIOクーラー)」によって空冷よりも効率的にGPUを冷やせるタイプもあります。見た目はYouTubeやAmazonなどでご確認ください。

YouTube:徹底検証!! RTX4090 SUPRIM LIQUID は最強グラボなのか?最高画質でサイバーパンク!! [超猫拳]

Amazonで水冷グラボの見た目を確認

ディスプレイに画像、映像が表示されるまでの流れ(CPU → GPU → PCモニター)

ざっくりした流れ:CPU → GPU → PCモニター
参考:[5分で理解]GPUとは?CPUとの違いや性能と活用

1-CPUがGPUに命令(画像出力せよ)
CPU:コンピューター全体の計算・処理
CPUのコア数は2~8が主流。PC全体の情報をまとめて処理する、司令塔的役割を果たします。

CPUとは?PCパーツのCPU選びで失敗しない方法とおすすめを初心者向けに徹底解説

2-GPUが画像データの処理を行い、PCモニターに表示命令(表示せよ)
GPU:3Dグラフィックスなどの画像描写に必要な計算・処理
GPUのコア数は数千以上。画像や映像などの定型的で膨大なデータを、人海戦術で工場のように並列処理します。

グラフィックボード(GPU)とは何かを確認、クリエイター(3DCG制作)向けおすすめ紹介

3-PCモニターがディスプレイに画像を表示する
ピクセルを動かして処理を反映します。

PCモニター:クリエイター向けのPCモニターは主に「解像度」「色深度」「輝度(ダイナミックレンジ)」が一般的なPCモニターより高く設定され、「色域」を定めた造りとなっています。

クリエイター向けPCモニターおすすめ3選(主に3DCG制作)「色深度」「色域」「HDR」とは

カラーマネジメントPCモニター:プロのクリエイターが使う、正確な色調整・色再現ができるPCモニターです。キャリブレーションによって、ディスプレイの「経年劣化」と「色の個体差」をカバーします。

カラーマネジメントモニターのおすすめ2選(クリエイターのためのキャリブレーションとは)

レイテンシ(遅延):マウス操作がディスプレイに反映されるまでの時間

マウス操作をPCが理解して処理し、ディスプレイに反映(ピクセルの変化)されるまでには、システム上避けられないレイテンシ(遅延)が発生します。

YouTube:“システム遅延(レイテンシ)”とは?
参考:ゲーマーの天敵“レイテンシ”を削減する「NVIDIA Reflex」詳報

マウス操作がディスプレイに反映されるまでの大まかな流れは、以下の通りです。

  1. マウス・・・ユーザーがマウスを操作
  2. CPU・・・CPUがGPUに命令を出す
  3. GPU・・・GPUが処理してディスプレイに表示
  4. PCモニター・・・ピクセルを動かしてマウス操作をディスプレイに反映させる

特にFPSなどのPCゲームでは、システムの遅延をいかに短くするかが重要です。各GPUメーカー(NVIDIA/AMD/Intel)は、レイテンシを短くする機能を提供しています。つまり、レスポンス(反応速度)を向上させるための機能です。

・NVIDIA:NVIDIA REFLEX
公式(NVIDIA):NVIDIA Reflex
公式(NVIDIA):NVIDIA Reflex の紹介: 対戦ゲームで遅延を最適化および測定するテクノロジ スイート
参考:絶対使いたいNVIDIA Reflex!遅延をどれだけ減らせるか360Hzゲーミングモニターで検証してみた

・AMD:AMD Radeon Boost
公式(AMD):AMD Radeon™ Boost
YouTube:AMD Radeon Boost: On vs Off FPS Test in 5 Games
参考:グラフィックカードでのAMDRadeonBoostとNVIDIAReflexの比較

Anti-Lag/AMD:入力遅延がほぼ1フレーム短縮
AMD Software「Adrenalin Edition」で、FPSを上げることに貢献します。CPUとGPUとの動作の差が開かないようにして、入力遅延がほぼ1フレーム短縮されます。
ゲームにおける応答性の改善が期待できます。

公式(AMD):AMD Radeon™ Anti-Lag
YouTube:AMD Software Adrenalin EditionでFPSを上げる設定

Intel:?
公式(Intel):入力遅延を解決する方法

「エイリアシング(デジタル上のギザギザ)」と「アンチエイリアス(ギザギザの補正技術)」

PCモニターに表示される画像・映像を拡大してよく見ると、線の輪郭がギザギザしています。以下はデジタルに触れるうえで良く出てくる専門用語です。

エイリアシング:ビットマップ上で斜線や曲線を描くときに発生するギザギザのこと
参考:画像におけるエイリアシングとアンチエイリアシング

ビットマップ:ピクセル(色のついた点)が縦横に規則正しく並んだ画像データ
参考:ビットマップ画像 【bitmap image】 ラスター画像 / raster image

ジャギー:斜線が階段状に描画されてしまう現象
参考:CGのジャギー(エイリアシング)って何で発生するの?

クローリー:ゲームなどをプレイ中にジャギーが波打ったように動く現象

アンチエイリアス:エイリアシングを補正する技術

ギザギザが補整されますが、ボケ感が多少発生します。ボケ感をシャープに見せる技術もあります。

以下4つは、NVIDIAのアンチエイリアス手法です。
参考:さらばギザギザ! NVIDIAがアンチエイリアスを技術解説

  • SSAA(Supersampling Anti-Aliasg)
    高解像度で描画して平均色を採用するため、高画質な表現となるアンチエイリアス技法
  • MSAA(Multisample Anti-Aliasing)
    ジャギー排除に特化したアンチエイリアス技法(SSAAの改良型)
  • FXAA(Fast Approximate Anti-Aliasing)
    テクスチャーのジャギーにも対応するアンチエイリアス技法(処理が軽い)
  • TXAA(Temporal approximate Anti-Aliasing?)
    NVIDIAが設計した低負荷で高画質のアンチエイリアス技法

クロック:1秒間の演算速度、処理速度を示す指標(GHz)

GPUの処理性能を示す言葉に「クロック」があります。クロックは、1秒間に何回の演算が行われたかの演算速度を意味します。

YouTube:GAINWARDのGeForce RTX 3060を衝動買、、OC版ではないので手動でOCする。グラボのOCの設定方法を解説。

ベースクロック:定格クロック周波数
各GPUには、AMD・NVIDIA・Intelが定めた標準の動作クロックが規定されています。
GPU(チップ)を製品としてグラボに実装する段階で、一定の範囲内でグラフィックボードメーカーが動作クロックを決めます。

参考:【ビデオカードの基礎知識:性能×価格編】同じGPUなのに違いがあるのは何故?

ブーストクロックとオーバークロック

GPUの性能を通常以上に引き上げる方法として、「ブーストクロック(ターボブースト/TB)」「オーバークロック(OC)」があります。
現状でGPUの性能に満足している場合は、必要ありません。

ブーストクロック(ターボブースト/TB):定格の最高を上回る周波数で駆動させる(自動)
GPUに高負荷がかかった場合、「自動」でクロック数を上げて処理能力を高めます。AMDでは、ゲームクロック(Game Clock)と呼ぶことがあります。
メーカーの仕様であるため、基本的には保証の範囲内です。

参考:GPU-Zの使い方
オーバークロック(OC):定格の最高を上回る周波数で駆動させる(任意)
ユーザーが「任意」でCPUのクロック数などを変更してCPUの処理能力を高めます。
OCをして動作不良になった場合、基本的にメーカー側は責任を負いません(保障対象外)。

参考:オーバークロック 【overclocking】 クロックアップ / OC

「ブーストクロック」「オーバークロック」の主なデメリット

  • GPUへの負荷があがり、GPUの寿命が短くなる恐れがある
  • 大幅なクロック値の向上は、動作が不安定になる恐れがある
  • 発熱により冷却ファンの回転数が上がり、うるさくなる
  • 消費電力の向上によるワットパフォーマンスの低下
    ※ワットパフォーマンス:入力される電力に対して、どれくらいの処理を行えるかを表す値

マザーボード、GPUの種類によっては、電圧等が制限されているものもあります。できるだけ長く今のGPUを使いたいなら、オーバークロックはやらないほうが無難です。

デメリットを受け入れられるならば、OCモデル(既にOCされたモデル、または通常よりもOCできるモデル)のグラフィックボードの購入を検討してください。
ダウンクロックのモデルは性能が多少下降しますが、電力消費量がおさえられます。

コア電圧(Core Voltage):GPUのコアにかかる電圧(電気を押し出す力)
GPUをオーバークロックする場合、コア電圧を上げます。しかしコア電圧を上げた場合、GPUの損傷リスクがあることに留意してください。

参考:パフォーマンスを上げて安定化!GPUのオーバークロック方法
参考:グラボのオーバークロックを解説。性能や安定性は変化するか?

電圧が低い・・・
・クロックは低い(処理性能が低い)
・GPUを安全に使用できる

電圧が高い・・・
・クロックは高い(処理性能が高い)
・GPUが物理的に損傷するかもしれない(基本的にメーカーの保証対象外)

オーバークロックに役立つツール

自身でグラフィックボード(GPU)をオーバークロックする場合は、以下のツールが有効です。特に上2つのツールがよく利用されます。

  • MSI Afterburner:最も多く使用されている無料のオーバークロックソフトウェア
  • GPU-Z:GPUに関する様々な情報をリアルタイムに表示する無料のソフトウェア
  • HWiNFO:各種ハードウェアの情報を確認できるソフトウェア
  • HWmonitor:マザボ、CPU、GPU、SSD/HDD、グラボの温度・電圧・ファンの回転数を確認できるソフトウェア
  • FrameView:NVIDIAのベンチマーク(フレームレート)、PC内部の遅延計測ツール
  • ICAT(Image Comparison & Analysis Tool):NVIDIAの画質比較ツール

参考:パフォーマンスを上げて安定化!GPUのオーバークロック方法
参考:GPUのオーバークロックの手順解説!グラフィックボードの性能を上げる方法

MSI Afterburner:最も多く使用されている無料のオーバークロックソフトウェア

MSI以外のグラフィックスボードでも使用できます。ハードウェアモニターでは、温度、動作クロック、メモリ使用量、電圧などの重要なハードウェア情報をリアルタイムで表示します。

公式(MSI):MSI AFTERBURNER
YouTube:【2021年版】オーバークロックのやり方~グラボとメモリのOCでFPS〇〇%UP?FF14ベンチとFortniteで検証!CPUしなくてもいける?~
YouTube:簡単 グラボ オーバークロック方法【自作PC】
参考:グラボのオーバークロックを解説。性能や安定性は変化するか?

GPU-Z:GPUに関する様々な情報をリアルタイムに表示する無料のソフトウェア

GPUのスペックや、グラフィックボード上に搭載されているセンサー情報を知ることができます。
ハードウェアのレビューが中心のコミュニティサイト「TechPowerUp」で開発されています。

公式(TechPowerUp):TechPowerUp GPU-Z
参考:GPU-Zの使い方

以下の項目に注目してみてください。

  • GPU Clock :
    現在のGPU 動作クロック(GPUコアの動作クロック)
    1秒間に何回の演算が行われたのか、処理速度を示します。
  • Memory Clock :
    現在のメモリ動作クロック(VRAMの動作クロック)
    メモリがどれくらいの速さでデータを処理できるかを示します。
HWiNFO:各種ハードウェアの情報を確認できるソフトウェア
パソコンに搭載されている各種ハードウェアの情報を、詳細に確認できるソフトウェアです。
表示可能なハードウェア情報は、CPU、メモリ、マザーボード、拡張スロット、ビデオカード、モニター、ドライブ、オーディオ、ネットワーク、拡張ポートの主に10種類です。
ノートPCの場合にはバッテリー情報も加えて表示されます。

参考:HWiNFO
HWmonitor:マザボ、CPU、GPU、SSD/HDD、グラボの温度・電圧・ファンの回転数を確認できるソフトウェア
HWMonitorは、フランスに拠点のあるソフトウェアベンダーCPUIDが開発しているユーティリティソフトです。
参考:HWMonitor
参考:CPUID HWMonitor for Windows のインストールと使い方
YouTube:【Windows 10】CPU・GPU・SSD/HDDの温度を確認できるHWmonitorの使い方

ユーティリティソフト(utility software):PC利用の補助のために用いるためのソフトです。
utility:実用的な、有用性、役に立つ
参考:ユーティリティソフト 【utility software】

起動時にハードウェアのヘルスセンサーを読み取ってリアルタイムで表示します。表示項目は、パソコンで使用されているハードウェアによって異なります。

表示項目の中の、特に以下の数値を確認しましょう。
・Value(現在地)
・Min(最小値)
・Max(最大値)

CPU:マウス、キーボード、ハードディスク、メモリー、周辺機器などからデータを受け取り、CPUが制御・演算を行います。

CPUとは?PCパーツのCPU選びで失敗しない方法とおすすめを初心者向けに徹底解説

グラフィックボード(GPU):グラフィックボードは、画像処理に特化して計算を行うGPU(半導体チップ)を搭載しています。

グラフィックボード(GPU)とは何かを確認、クリエイター(3DCG制作)向けおすすめ紹介

ストレージ(HDD・SSD):画像や動画、テキスト、音声など様々なファイルを保存しておく場所、機器(記憶装置)です。

SSD・HDDとは?PCパーツのストレージ選びで失敗しない方法とおすすめを初心者向けに徹底解説

FrameView:NVIDIAのベンチマーク(フレームレート)、PC内部の遅延計測ツール
公式(NVIDIA):FrameView アプリ
参考:NVIDIAがベンチマークツール「FrameView」をアップデート。画質比較ツールや遅延計測ツールにも新機能が加わる
ICAT(Image Comparison & Analysis Tool):NVIDIAの画質比較ツール
公式(NVIDIA):Image Comparison & Analysis Tool (ICAT)

VRAM(Video Random Access Memory)とは:GPUのメモリ容量(グラフィックデータを一時保存して処理を速める場所)

VRAM(Video Random Access Memory):GPUのメモリ容量(グラフィックデータを一時保存して処理を速める場所)
VRAM(GPUメモリ:ビデオメモリ・グラフィックメモリとも呼ばれる)の主な役割は、グラフィックスに関するデータを一時的に保存することです。GPUメモリ容量が大きいほどたくさんの画像データを一時保存できるため、画像処理がより効率的になります。

参考:GPUメモリ(VRAM)とは?| グラフィックボードのメモリの役割、システムメモリとの違いまとめ!【簡単な言葉で解説!!】

メインメモリ=RAM(Random Access Memory):一般的なデータの保存に活用

CPUが何かの処理を行うときに使われる作業用のメモリです。起動しているアプリケーションごとにメモリを使って処理しています。

参考:VRAMとは?ビデオメモリとの違いは?

メモリとは?PCパーツのメモリ選びで失敗しない方法とおすすめを初心者向けに徹底解説

ソフトウェアが勝手に落ちないよう、VRAMが12GB以上あると好ましい

VRAMの容量が大きいほど一度で多くのデータをメモリ上に保存してディスプレイに表示できます。4Kなど高解像度データが増えたことで、重要度が増しています。
高性能なGPUほど、VRAM(GPUに搭載しているメモリ容量)も大きい傾向にあります。

VRAMの容量は、3DCG制作で特に重要な指標です。ポリゴン数が高いオブジェクトを扱う場合、VRAMが少ないとGPUの処理が追い付かずCinema 4Dの画面が予期せず閉じてしまうことがあります。
ソフトウェアアプリケーションが勝手に落ちる状況を防ぐために、VRAMが12GB以上あると好ましいです。
VRAMが12GBある「GeForce RTX 3060」は、ミドルレンジGPUとしてCinema 4D初心者に良い選択と言えるでしょう。

参考:VRAMとは?ビデオメモリとの違いは?

ROP/NVIDIA:計算したグラフィックデータをメモリに書き出す

レンダリングで描画した画像データを、フレームバッファー(ディスプレイに表示する画像のデータを一時的に保存するメモリ)に書き込むハードウェアです。
ROPの数が多いほど、高解像度に有利です。
参考:ROP は何の略
参考:NVIDIA GPUのROP

ROPのフルネームはあやふやではっきりしません。以下が推測されているようです。

  • Render OutPut
  • Render OutPut Unit
  • Raster OPeration
  • Raster Operations Pipeline
  • Raster Operation Processor

GPUのメモリ規格(GDDR)とは:グラフィックの処理にのみ特化したメモリ

GPUのメモリ規格(GDDR):グラフィックの処理にのみ特化したメモリ
グラフィックなどの高速処理用メモリとしてグラフィックボード搭載用に開発されたDRAMの規格です。メインメモリに使われる通常のDDRメモリに比べてクロック周波数が高く、発熱量も小さく抑えられています。

参考:GDDR6XとGDDR6グラフィックスメモリの違い
参考:グラフィックボード(GPU)のメモリとは
メモリインターフェイス幅(メモリバス幅):1度に送れるデータ量を示す指標(単位は「bit」)
GPUのメモリが1回のデータ転送で送れるデータ量を示しています。単位は「bit」です。
数値が大きいほど1回のデータ転送で送れるデータ量が増えるため、結果としてより高速なデータ転送となります。

参考:【基本】CPUやGPUのメモリバンド幅の計算方法と測定方法(DDR4/GDDR6/HBM2等)

GDDR(Graphics Double Data Rate)メモリの比較

グラフィックボードに搭載されているメモリの規格により、パフォーマンスに違いがでます。規格ごとに画像データの「処理速度」「一度に処理できる量」が異なります。
総合的なGPUメモリ規格の性能を比較すると以下のようになります。新しい規格ほど、最高速度が向上します。

  • GDDR6X:24Gb/s
  • GDDR6:16GB/s
  • GDDR5X:12GB/s
  • GDDR5:8GB/s

3DCG制作ソフトを利用する場合、「GDDR6」以上が好ましいでしょう。

参考:GDDR6メモリとは|GDDR5とGDDR6の違い [MiniTool]
参考:NVIDIA GeForce RTX 4080のVRAM速度は23Gbpsで256-bit化をカバー。消費電力は340Wに上がる?

「CGWORD」のアンケート結果(CGプロダクションの過半数が「NVIDIA GeForce」を使用)

「CGWORD」のアンケート結果の記事を抜粋します。2017年のアンケートから一貫して、CGプロダクションの過半数が「NVIDIA GeForce」を使用しています。
※アンケートの構成比は小数点以下を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があるようです。

Amazonで各「GeForce」のレビューを確認

また「CGWORD」とコラボしているBTOメーカーの老舗「パソコン工房」のページは、以下のリンクでご確認ください。
自分のレベルに合った3DCG制作向けパソコンが見つかります。

「NVIDIA GeForce」を積んだ3DCG制作向けPCが見つかる

2017年に行われたアンケート:52%が「NVIDIA GeForce」

アンケート実施概要
調査対象:「CGプロダクション年鑑2016」掲載企業を中心とした国内のCGコンテンツ制作会社
調査期間:2016年10月27日(木)~11月8日(火)
調査方法:メールアンケート
回答社数:131社

参考:2017年を前に業界標準のスペックを見定める CGプロダクション制作環境一斉調査

Q11:最近購入したPCのGPUは?(GPUプリレンダー)

・1位(36%):「NVIDIA GeForce」
・2位(59%):「NVIDIA Quadro」
・3位(01%):「AMD Radeon」
全部足すと96%になる?

プリレンダリング(プリレンダー)
オフラインレンダリングとも呼ばれ、画像(アニメーションなどの一連の画像)を事前にレンダリングすることです。

Q11:最近購入したPCのGPUは?(GPUリアルタイム)

・1位(52%):「NVIDIA GeForce」
・2位(36%):「NVIDIA Quadro」
・3位(-%):なし
全部足すと88%になる?

リアルタイムレンダリング
プリレンダリングと同じプロセス(3D情報を2D画像に変換する)をはるかに高速で実行することです。

参考:プリレンダリングとリアルタイムレンダリングの違いとは?

2018年に行われたアンケート:55%が「NVIDIA GeForce」

アンケート実施概要
調査対象:「CGプロダクション年鑑 2018」掲載企業
調査期間:2018年7月13日(金)~19日(木)
調査方法:Webアンケート
回答社数:105社

参考:日本のCG制作環境の現状をあきらかにする CGプロダクション 制作環境一斉調査2018

Q5:最も使用しているPCのCPU、GPU、メモリは?(GPUに関する円グラフ)

・1位(55%):「NVIDIA GeForce」
・2位(44%):「NVIDIA Quadro」
・3位(01%):「AMD Radeon」

2019年に行われたアンケート:68%が「NVIDIA GeForce」

アンケート実施概要
調査対象:「CGプロダクション年鑑 2019」掲載企業
調査期間:2019年6月19日(水)~7月4日(木)
調査方法:Webアンケート
回答社数:122社

参考:日本のCGプロダクションの制作環境の現状をあきらかにする「CGプロダクション制作環境一斉調査2019」

Q7:GPUは?

・1位(68%):「NVIDIA GeForce」
・2位(32%):「NVIDIA Quadro」
・3位(02%):「Intel UHDグラフィックス」
・3位(02%):その他
※全部足すと104%になる?

2020年に行われたアンケート:70%が「NVIDIA GeForce」

アンケート実施概要
調査対象:「CGプロダクション年鑑 2020」掲載企業296社
調査期間:2020年6月25日(木)~7月8日(水)
調査方法:Webアンケート
回答社数:117社

参考:国内CG制作環境の定点調査 CGプロダクション制作環境一斉調査2020

Q7:GPUは?

・1位(70%):「NVIDIA GeForce」
・2位(26%):「NVIDIA Quadro」
・3位(02%):「Intel UHDグラフィックス」
・4位(01%):「AMD Radeon」
・4位(01%):「NVIDIA TITAN」

2021年に行われたアンケート:75%が「NVIDIA GeForce」

アンケート実施概要
調査対象:「CGプロダクション年鑑 2021」掲載企業
調査期間:2021年7月8日(木)~7月16日(金)
調査方法:Webアンケート
回答社数:79社

参考:国内CG制作環境の定点調査 CGプロダクション制作環境一斉調査2021

Q7:GPUは?

・1位(75%):「NVIDIA GeForce」
・2位(15%):「NVIDIA Quadro」
・3位(02%):その他
※全部足すと92%になる?

2022年に行われたアンケート:77%が「NVIDIA GeForce」

アンケート実施概要
調査対象:「CGプロダクション年鑑 2022」掲載企業
調査期間:2022年7月13日(水)~7月20日(水)
調査方法:Webアンケート
回答社数:91社

参考:国内CG制作環境の定点調査 CGプロダクション制作環境一斉調査2022

Q7:GPUは?

・1位(77%):「NVIDIA GeForce」
・2位(16%):「NVIDIA Quadro」
・3位(02%):その他
・3位(01%):「AMD Radeon」
・3位(01%):「Intel UHDグラフィックス」
・3位(01%):「NVIDIA TITAN」
※全部足すと98%になる?

最適化APIとは?「DirectX」と「OpenGL」との違い

「NVIDIA GeForce」でも「NVIDIA RTX(元 NVIDIA Quadro)」でも、Cinema 4Dは動きます。ですがAPIの基本的な考え方として、より最適化されたAPIの方がソフトの動作は良くなります。
GPUの各メーカーの各シリーズによって、最適化されたAPIは異なります。

YouTube:What is the Difference between DirectX And OpenGL Normal Map. And how to use them.
参考:NVIDIA GeForce VS AMD Radeonの特徴を比較【2023年】
公式(NVIDIA):DirectX 12
公式(NVIDIA):DirectX 12 Ultimate
公式(AMD):AMD & Microsoft® DirectX® 12
公式(Intel):インテル® グラフィックス対応 API

  • NVIDIA GeForceDirectX
    コスパ重視(性能的にもAPI的にも基本こちらでOK)
    ※Cinema 4Dを利用する際は「NVIDIA GeForce RTX」を購入でOK
  • NVIDIA RTX(元 NVIDIA Quadro)OpenGL
    性能重視(価格が非常に高い)
GPUメーカー
(読み方/本社所在地)
NVIDIA
(エヌビディア/米)
AMD
(エーエムディー/米)
Intel
(インテル/米)
GPUのブランド名GeForce

NVIDIA RTX
(元 NVIDIA Quadro)
RadeonArc
最適化API
(プログラミングのルール)

ソフトウェアにより、
GPUに求めるAPIが異なる
GeForce/DirectX

NVIDIA RTX
(元 NVIDIA Quadro)/OpenGL
Radeon/DirectXArc/DirectX ?
AmazonリンクNVIDIA GeForce RTX

NVIDIA RTX A6000
AMD Radeon RXIntel Arc A
GPUメーカー「Nvidia」「AMD」「Intel」のブランド、最適化APIの名称

APIとは:ソフトウェア同士の連携を助ける(プログラムを組む時に便利な機能を提供するためのライブラリ)

API(Application Programming Interface)とは:
アプリケーション開発には、大量のプログラム記述が必要です。APIにより、アプリケーション開発が容易になります。
APIを大雑把に言うと、プログラムを組む時に便利な機能を提供するためのライブラリ(使用頻度の高い便利なプログラムを集めてまとめたファイル)です。流用可能なプログラムのひな形とイメージしてください。

PCゲーム、動画編集、CG制作等のソフトウェアは「グラフィックスAPI」を利用します。グラフィックス関連の高度な処理や高速処理などに役立ちます。

参考:APIとは何か?API連携ってどういうこと?図解で仕組みをやさしく解説
参考:今さら聞けないIT用語 やたらと耳にするけど「API」って何?

またAPIにより、プログラマーが自分たちのアプリケーションを他のアプリケーションやウェブサービスと統合したり、連携したりできます。
参考:グラフィックスAPI

  • 異なるソフトウェア・サービス間で認証機能を共有
  • チャット機能を共有
  • 片方から数値データを取り込み、別のプログラムでそのデータを解析

「DirectX」と「OpenGL」との特徴比較

最もよく利用されるAPIは、以下の2つです。それぞれ、描画時の特徴が異なります。

  • 「API」・・・描画時の特徴
  • DirectX」・・・速さ重視
  • OpenGL」・・・精度重視
APIプラットフォームバージョンアップ
のスピード感
プログラミング
DirectXWindows環境のみ。
よってWindows環境においては「DirectX」の方が「OpenGL」より最適化されており高速に動作する。
速め様々な演算機能のAPIを呼び出せるが、プログラムが複雑になる。
OpenGLマルチプラットフォーム
Windows、Linux、MacOSなどでも動作する。
遅め基本的な描画機能しか提供していないため、計算ルーチンは自前で作る。
機能が限定されている分、扱いやすい。
「DirectX」と「OpenGL」との比較表

「DirectX」とは:マイクロソフト社が開発、主にゲーム用途だが近年はCGソフトでの採用も多い(1995年~)

DirectX:Microsoft(マイクロソフト)が開発
マイクロソフトが開発したゲーム・マルチメディア処理用のAPIです。
元々は、Windows上でグラフィックやサウンドなどの制御を簡単にできるよう開発されました。グラフィック関連だけでなく、サウンドやキーボード・マウス等のデバイス制御など、様々な機能を持っていました。

参考:Microsoft DirectX
参考:DirectXとは

DirectXといえば、ゲーム用途(表示速度重視)のイメージが強いでしょう。
最も利用されるのはパソコンでのゲームの開発です。DirectXを利用すれば、プログラミング言語である「C言語」「C++」「Visual Basic」で開発できます。またゲームなどの実行環境「パソコンで使用する側の環境」も提供しています。

近年はGPUの性能向上にあわせて、CGやCAD用途(表示精度重視)も増えました。DirectXの表示精度は、OpenGLと同等になったと言われています。
実際CG・CADのソフトウェアにおいて、OpenGLだけでなくDirectXも利用されています。またCG・CADのソフトウェアによっては、動作環境からOpenGLの記述が消えています。Cinema 4Dの動産環境を確認すると、DirectXのみ記述されています。

「CINEMA 4D 2023」の動作環境

以下は「CINEMA 4D 2023」の動作環境におけるGraphics Cards(グラフィックカード)部分の抜粋です。
公式(Maxon):動作環境
公式(Maxon):CINEMA 4D 2023 の動作環境

Graphics Cards(グラフィックカード)・・・CINEMA 4D 2023
Windows:
最小: NVIDIA Maxwell GPUAMD Polaris (AMD GCN 4)、機能レベル 11.0 の DirectX 12 をサポートする Intel Kaby Lake 以降
最小 GPU ドライバー: NVIDIA 461.40、AMD 21.3.2、Intel 27.20.100.9168

※「CINEMA 4D 2023」が最低でも満たしてほしいGPUの性能は、以下の通りです。

  • NVIDIA Maxwell GPU
    NVIDIAの古いアーキテクチャ「Maxwell」のこと
  • AMD Polaris (AMD GCN 4)
    AMDの古いアーキテクチャ「GCN 4」のこと
  • Intel Kaby Lake
    Intel(CPU内臓のGPU=iGPU)の古いアーキテクチャ「Kaby Lake」のこと

「OpenGL」とは:CGやCADでの利用を想定して作られたライブラリ(1992年~)

OpenGL(Open Graphics Library):Khronos Group(クロノス・グループ)が策定
グラフィックスハードウェア向けの2次元・3次元コンピュータグラフィックスライブラリです。
Silicon Graphics社のワークステーション(データの処理能力が高いコンピュータ)向けに開発されていたAPIから、機種依存の部分を取り除いて公開され、のちに大きなシェアを持ちます。
元々がCGやCADでの利用を想定して作られたライブラリで非常に高精度なため、正確な描画が求められる分野で広く使われています。

参考:OpenGL

ソフトウェアによっては、OpenGL対応のGPUでないと正常に動作しません。またはCPUが代替して処理することで、グラフィックス処理速度が落ちます。
利用するソフトウェアがGPUに求めるAPIを、事前に調べておきましょう。

Vulkan(ヴァルカン)とは:主にゲームで使用されるグラフィックスAPI(2016年~)

Vulkan:Khronos Group(クロノス・グループ)が策定(2016年~)
主にゲームエンジンまたはゲームのアプリケーションに使用されるグラフィックスAPIです。
ドライバーの余計な計算(オーバーヘッド)による負荷を軽減することでハードウェアの性能を最大限に引き出し、描画速度と描画パフォーマンスが向上しています。
「Vulkan」を導入しているゲームタイトルは、増えてきています。

参考:Vulkan (API)
参考:Vulkan(ヴァルカン)とは?次世代グラフィックスAPI
参考:NVIDIA で Vulkan を実行すべき、6 つの理由
公式(AMD):AMDのAPI Vulkan™
公式(Intel):インテル® グラフィックス対応 API
参考:OpenGLの後継3DグラフィックスAPI「Vulkan」“ベンダーに依存しないGPU操作”を叶える仕組み
参考:オーバーヘッドとは|「分かりそう」で「分からない」でも

低レベル(ローレベル)API:Vulkan(ヴァルカン)

特徴
ハードウェアへアクセスするかのようにプログラムを組みます。

メリット
ハードウェアに適したプログラムを作れます。

デメリット
ハードウェアに近い考え方をプログラマーに要求します。
プログラムが冗長になったり、同じような処理を何度も書くため、プログラマーが大変です。

参考:第762回:Vulkan とは
参考:Lesson 3 ディープラーニングを始めるための、アプリケーションと開発の基礎

高レベル(ハイレベル)API:DirectX?、OpenGL?

特徴
抽象的にプログラム上の要素を扱います。

メリット
プログラマーは、ハードウェアの構成などを考えずプログラムを作れます。
CPUが命令を解釈して、ハードウェアの構成に近い形に翻訳して実行します。

デメリット
ハードウェアに命令を受け渡す際、負荷が集中しやすいです。

DXVK:DirectX 9/10/11をリアルタイムでVulkan APIに変換するドライバー
ゲームに「DXVK」を組み込んで、Vulkan化できる場合があります。ゲームによってはフレームレートが引き上げられます。

YouTube:ASRockのIntel Arc A770 Phantom Gaming D 8GB OCを徹底検証:ジサトラKTU 266
参考:DXVK – MonoBook
参考:doitsujin/dxvk

「NVIDIA GeForce/NVIDIA RTX(元 NVIDIA Quadro)」「AMD Radeon」「Intel Arc」特徴比較

GPUメーカー(設計・開発)は、現状「NVIDIA」「AMD」の2社で争っています。「Intel」GPUの市場シェアは小さいです。
現状、性能・コスパの面で「Intel」より「NVIDIA」「AMD」の方が優れていると言えるでしょう。

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競合製品まとめ/「NVIDIA GeForce」VS「AMD Radeon」VS「Intel Arc」

各GPUを乗せたグラフィックボードの競合を表にまとめています。同行にある製品は、おおよそ同等の性能です

参考:【2023年】おすすめグラボまとめ。予算・性能別で比較。各社AIBモデルの選び方 【RTX 4070Ti/4080/4090, RX 7900 XTXにも対応】
参考:グラフィックボード性能比較
参考:GPU(グラフィックボード)性能比較表【2023年最新版】

  • 表の上にあるグラフィックボードほど、基本的には高性能で高価格です。
  • 上級者・中級者・初心者で、購入すべきグラフィックボードは異なります。
  • グラフィックボードのスペック・性能比較は、公式ページ・YouTubeで確認してください。
NVIDIA
「GeForce」
AMD
「Radeon」
Intel
「Arc」
▼上級者向き
RTX 4090
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RTX 4080
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RX 7900 XTX
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▼中級者向き
RTX 4070 Ti
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RTX 3090 Ti
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RX 7900 XT
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RX 6950 XT
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RTX 3090
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RTX 3080 Ti
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RX 6900 XT
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RTX 4070
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RTX 3080
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RX 6800 XT
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RTX 3070 Ti
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RTX 3070
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RX 6800
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▼初心者向き
RTX 3060 Ti
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RX 6750 XT
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RX 6700 XT
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RX 6700
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RTX 3060
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RX 6650 XT
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RX 6600 XT
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RX 6600
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Arc A770
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Arc A750
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各GPUメーカーの競合製品

3DCG制作者や動画編集などを行うクリエイターは、性能面で「NVIDIA GeForce RTX 3060」以上のGPUを搭載したグラフィックボードがおすすめです。

最大デジタル解像度:モニターに表示できる最大解像度
グラフィックボードにより最大表示解像度は異なります。
4K(3840 × 2160)モニターを使用しているなら、4K(3840 × 2160)以上に対応したグラフィックボードを選びましょう。

参考:グラフィックボード(ビデオカード)の違いと選び方

以下のGPUはスペックが物足りない場合があると思われるため、表から外しています。

「オリファン(オリジナル)モデル/リテール版:グラボメーカー製」と「リファレンスモデル(GPUメーカー製)」との違い

一般的に、処理性能はリファレンスモデルよりオリファンモデルが多少優れることが多いです(常にその限りではありません)。
特にオーバークロックされたオリファンモデルは発熱もしやすいため、大型の冷却ファンが搭載されます。するとグラフィックボード自体も大きくなります。

参考:【2022年版】グラフィックボードのおすすめ10選。選び方も詳しく解説
参考:グラフィックボードのおすすめ12選 コスパの良いモデルや高性能モデルを紹介

オリファン(オリジナル)モデル、リテール版:ASUS、MSIなどが機能追加して販売するモデル
「オリファン(オリジナル)モデル」「リテール版」は、グラフィックボードメーカーがGPU(NVIDIA、AMD、Intelのグラフィックチップ)を仕入れ、自社でデザインしたグラフィックボードです。

グラフィックボードメーカー
ASUS、MSI、GIGABYTE、ZOTAC、ELSA、玄人志向、Palitなど

リテール(retail):業者から仕入れた商品を、消費者向けに売る

参考:グラボのメーカーはどこがいい?メーカーによる違いや特徴も解説!

各メーカーのグラフィックボードで、冷却システムやオーバークロック機能などが独自に追加されています。よって同じGPUを搭載していても、製品ごとに若干の性能差があります。冷却性や静音性、耐久性、デザイン、重さ、長さなども異なります。
リファレンスモデル:GPUメーカー(NVIDIA、AMD、Intel)が設計したグラフィックボード
安全に動作するためのマージンがとられ、通常より動作クロックが低く設定されていることが多いです。場合によっては高性能なファンやヒートシンクを採用しています。
基本的にはPC環境に左右されず、安定して動作するよう設計されています。オリファンモデルとの比較対象とされます。

参考:グラボのリファレンスとオリジナルモデルってどう違うの?
ファウンダーズエディション(Founders Edition):NVIDIAが設計したグラフィックボード
NVIDIA製のリファレンスモデルと同じ意味です。オリファンモデルとの比較対象とされます。
オリファンモデルと性能やデザインなど総合的に比較したうえで、ファウンダーズエディションを購入する人もいます。

参考:GeForce GTX 1080の“GDDR5X”や“Founders Edition”って何?
参考:ビデオカードのAIC
リミテッドエディション(Limited Edition):限定版
販売数・販売期間が限定されているため、限定版が欲しい場合は他の消費者に先んじて購入する必要があります。

製品例・・・Intel Arc A750 Limited Edition
参考:Intelの外付けグラボ「Intel Arc A750 Limited Edition」は“2022年夏の後半”に登場 情報を順次公開
OEM版:一般消費者には販売されず、主にPCメーカー向けに出荷されるバージョン
「OEM版」は単体のグラフィックボードとして販売されず、基本的にはPCメーカー(東芝、富士通、パナソニック、など)の販売する完成品としてのPCに組み込まれます。メーカーPCでは「リテール版」「OEM版」のどちらかが組み込まれています。

OEM(Original Equipment Manufacturer)
自社ではないブランドの製品を製造すること

参考:グラフィックカード(単体GPU) : リテール版とOEM版
参考:「GeForce RTX 3050」のOEM版はリテール版より低スペック 仕様公開

「OEM版」は「リテール版」よりも多少スペックが低いことが多いです。結果的に消費電力を抑えることができ、PCメーカーは電源ユニットを始めPC製品にかかるコストを下げられます。
ですが「OEM版」でも、ビデオメモリが増量されたり、クロックアップされたり、「リテール版」よりもスペックが高いこともあります。
AICパートナー、AIBパートナー:グラフィックボード(ビデオカード)のメーカー
NVIDIAの場合
ビデオカードを「AIC(Add In Cards)」と呼びます。
ビデオカードのメーカーをAICパートナー(または略してAIC)と呼びます。

AMDの場合
ビデオカードを「AIB(Add In Board)」と呼びます。
ビデオカードのメーカーをAIBパートナー(または略してAIB)と呼びます。

参考:ビデオカードのAIC
エンスージアスト(enthusiast):熱心な人、詳しい人
自分で最適なPCパーツ選びができて、パソコンを組み立てられる人。

参考:エンスージアスト
SKU(Stock Keeping Unit):受発注や在庫管理を行う時の、最小の管理単位
例)以下のようにGPUが3種類、各メーカーのグラフィックボードが4つずつある場合、「12SKU」と数えます。
・GeFoce RTX 2070 × 4
・GeFoce RTX 2080 × 4
・GeFoce RTX 2080 Ti × 4

参考:SKU:Stock Keeping Unit
参考:シェーダーの導入に匹敵する大変革となるNVIDIA Turingのハイブリッドレンダリング

重たいグラフィックボードを支える「ビデオカードホルダー(VGAサポートステイ)」で垂れ下がり(傾き)を解消

性能の高いグラフィックボード(グラフィックカード、ビデオカード)は、長くて重たいため、PCに設置するとグラフィックボードの後部は垂れ下がってきます。なるべくグラフィックボードを水平に保つために「ビデオカードホルダー」でサポートします。

YouTube:【自作PC】発売即完売した多機能で派手に光るグラボ ホルダー ASUS ROG HERCULXをレビュー
YouTube:グラボのたわみを解消するならコレ! 「EASYDIY GPUブレースサポート ホルダー 」を紹介。 取り付け時の注意点も合わせて解説。

グラフィックボードを接続するPCIeスロットへの加重負荷を和らげ、端子の歪みを防止する効果が期待できます。
「ビデオカードホルダー」は、グラフィックボードのパッケージ・PCケースに同梱されている場合もあります(ないことが多い)。

マザーボード:CPU・メモリ・ストレージ・グラフィックボード・電源ユニットなど、全ての部品はマザーボード(基盤)に接続されます。

マザーボードとは?PCパーツのマザーボード選びで失敗しない方法とおすすめを初心者向けに徹底解説

PCケース:性能には影響しませんが、PCケースによってエアフローによる冷却性能(各パーツをどれだけ冷やせるか)は異なります。

PCケースとは?PCケース選びで失敗しない方法とおすすめを初心者向けに徹底解説

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NVIDIA GeForce:性能と価格のバランスがとれた最有力GPU(Cinema 4Dの使用にも最適)

NVIDIAの主力製品である「GeForce」はDirectXに最適化されており、主に3Dゲームを主戦場としています。ですが3DCG制作ソフトを使用する際にも、十分に機能します。Cinema 4Dユーザーにとっても、性能と価格のバランスがとれた最有力GPUです。
メーカーにより保証期間は異なりますが、1~2年であることが多いです。

公式(NVIDIA):NVIDIA GeForce 公式サイト: RTX グラフィックス カード, VR, …
参考:GeForceとは?性能や特徴についても解説!
参考:GeForce
公式(NVIDIA):DirectX 12

「GeForce」は大きく分けて2種類あり、「GTX」が古いシリーズで「RTX」が新シリーズです。「NVIDIA GeForce」のグラフィックボードを購入するなら、新機能が追加されている「RTX」にしましょう。

参考:グラボのRTXとGTXの違いとは? RTXならではの機能や互換性について解説

みんな使ってるグラボの定番をAmazonで確認

GeForce GTX:2010年~2019年

GeForceの古いシリーズが「GTX」です。基本的には新シリーズの「RTX」がおすすめです。
公式(NVIDIA):GeForce® GTX 16 シリーズ
参考:NVIDIA GeForce

GeForce GTX 1000 シリーズ

発売:2016年~2018年前半
アーキテクチャ:Pascal
特徴:GTX 1080以上で、新たなメモリ規格のGDDR5Xメモリの採用により、メモリ帯域が向上しています。
「HDMI 2.0b」や「DisplayPort 1.4」の最新のインターフェイスに対応。アナログ映像信号出力は廃止されました。

参考:GeForce 10 series

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GeForce GTX 1660 シリーズ

発売:2019年前半~
アーキテクチャ:Turing
特徴:このシリーズ以降、32bit版OS向けのドライバーと、Windows 8、Windows 8.1向けのドライバーは提供されなくなりました。

公式(NVIDIA):GeForce® GTX 16 シリーズ
参考:GeForce 16 series

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GeForce RTX:2018年~現在

GPUで最も人気のあるシリーズです。「GeForce RTX 3000 / 4000 シリーズ」は、3DCG制作や動画編集などを行うクリエイターにも支持されています。

公式(NVIDIA):GeForce
参考:NVIDIA GeForce

GeForce RTX 2000 シリーズ

発売:2018年後半~
アーキテクチャ:Turing
特徴:「Tensorコア」と「Ray Tracing(RT)コア」が追加されました。
また、新たなメモリ規格のGDDR6メモリの採用により、メモリ帯域が向上しています。

公式(NVIDIA):GeForce RTX 20 シリーズ
公式(NVIDIA):Turing GPU アーキテクチャを採用したグラフィックス カード
参考:GeForce 20 series
YouTube:ジサトラKTU #71~TuringアーキテクチャーのNVIDIA最新GPU、GeForce RTX 2080 Ti/2080/2070の全貌を語る~

  • Tensorコア:AI(人工知能)、大量のデータへの高速演算処理を行う回路。
  • Ray Tracing(RT)コア:光(Ray)を追跡(Trace)し、光のリアルな反射をレンダリングする回路。

参考:Tensorコアとは何なのか?性能や特徴について解説!
参考:RTコアとは? 実現できることや特徴、性能を解説!
参考:NVIDIA GPU の構造と CUDA スレッディングモデル

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GeForce RTX 3000 シリーズ

発売:2020年後半~
アーキテクチャ:Ampere
特徴:上位製品でGDDR6X規格が採用され、メモリ帯域が向上しています。

公式(NVIDIA):GeForce RTX 30 シリーズ
公式(NVIDIA):NVIDIA Ampere アーキテクチャ
参考:GeForce 30 series
YouTube:Ampereスゴすぎ!GeForce RTX 3080ベンチマーク:ジサトラKTU 168

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GeForce RTX 4000 シリーズ

発売:2022年後半~
アーキテクチャ:Ada Lovelace
特徴:レイトレーシング性能の向上を目的として、前世代を大幅に上回る容量のL2キャッシュメモリを搭載。
またSLI(Scalable Link Interface:NVIDIAが販売するGPUを複数同時に動作させるシステム)機能のためのNVLink(PCI Expressよりもデータ転送速度が速いインターフェースの規格)回路は、この世代で廃止されています。

公式(NVIDIA):GeForce RTX 40 シリーズ
公式(NVIDIA):NVIDIA Ada Lovelace アーキテクチャ
参考:GeForce 40 series
参考:SLI接続って?ゲーム好きなら知っておきたいSLI接続の方法と注意点
参考:NVIDIAのNVLink – パソコンの選び方と買い方
参考:トランジスタが70%増でも性能が最大4倍になったGeForce RTX 4090のカラクリ
YouTube:グラボのトピックス・GeForce RTX 4000シリーズの解説紹介!

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NVIDIA RTX(「NVIDIA Quadro RTX」シリーズの後継):業務向け製品で「NVIDIA GeForce」より高価格

「NVIDIA RTX(元 NVIDIA Quadro)」はOpenGLに最適化されているため、OpenGLのソフトウェアで特に有効です。3DCADや3Dモデルの制作、3DCGのレンダリングなどで推奨されています。
業務向け製品として販売されるため、「NVIDIA GeForce」と比較して非常に高価格です。また保証期間は基本的に3年間とされています。

公式(NVIDIA):NVIDIA Quadro は NVIDIA RTX になりました
公式(NVIDIA):プロフェッショナル ビジュアライゼーションに パワーを与える NVIDIA RTX
公式(NVIDIA):プロフェッショナル向け NVIDIA RTX デスクトップ PC
参考:Quadroとは?GeForceとの違いや性能比較も
参考:「業務向け」グラフィックボードのNVIDIA RTX/Quadroはどんな用途で使う?

「NVIDIA RTX / Quadro」の各製品における最新ドライバーは、適宜[Maxon][Cinema4D][Redshift3D] のパフォーマンスが改善されます。
よって「Cinema 4D」利用者でグラフィックボードが高額になっても構わない場合は、「NVIDIA RTX」を選んでも良いです。

公式(NVIDIA):NVIDIAドライバダウンロード

「NVIDIA RTX(元 NVIDIA Quadro)」は大きく分けて2種類あります。

  • 旧シリーズ:「QuadroシリーズNVIDIA Tシリーズ
  • 新シリーズ:「Quadro RTXNVIDIA RTXシリーズ

「NVIDIA RTX(元 NVIDIA Quadro)」のグラフィックボードを購入するなら、新機能が追加されている「Quadro RTX/NVIDIA RTXシリーズ」が良いでしょう。

公式(NVIDIA):Quadro搭載パソコン
参考:グラボのRTXとGTXの違いとは? RTXならではの機能や互換性について解説

Quadro シリーズ / NVIDIA T シリーズ:旧シリーズ

「NVIDIA T シリーズ」は「Quadro シリーズ」の後継製品です。
基本的には、世代(英字)+ モデル(数値)の組み合わせで表現されます。

参考:NVIDIA Tシリーズ
参考:NVIDIA Quadro
参考:Quadro

世代:アーキテクチャが変わると、英字が変わり世代の変化を意味します。

アーキテクチャが新しくなると、新機能が追加されたりパフォーマンスが向上したりして、GPUが高性能となります。
世代は大まかに、以下のような変遷です(必ずしも全てのモデルが以下に当てはまるわけではありません)。

  1. 無印:Tesla第2アーキテクチャ、Fermiアーキテクチャ(例 Quadro 7000)
  2. K:Keplerアーキテクチャ、Maxwell第1アーキテクチャ(例 Quadro K6000)
  3. M:Maxwell第2アーキテクチャ(例 Quadro M6000)
  4. P:Pascalアーキテクチャ(例 Quadro P6000)
  5. T:Turingアーキテクチャ(例 NVIDIA T1000)

モデル:数値3~4桁で表現され、数値が大きいほど同一世代内で高性能モデルです。

数値が大きくなるとコア数が増えたり、メモリのバス幅・帯域・容量が増えたりします。性能が上がることで消費電力も増す傾向にあります。

数値の2桁目が’0′:世代内 第1弾(例 Quadro P2000)
数値の2桁目が’2′:世代内 第2弾(例 Quadro P2200)

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Quadro RTX / NVIDIA RTX シリーズ:新シリーズ

「NVIDIA RTX シリーズ」は「Quadro RTX」の後継製品です。
AIを使った高度な演算などに使用され、「世代」が新しいほど、「数値」が大きいほど高性能です。

公式(パソコン工房):NVIDIA RTX™ | 価格・性能・比較
公式(NVIDIA):プロフェッショナル ビジュアライゼーションに パワーを与える NVIDIA RTX
公式(NVIDIA):プロフェッショナル向け NVIDIA RTX デスクトップ PC
参考:Nvidia RTX

目玉機能となるコア

Tensorコア
AI(人工知能)、大量のデータへの高速演算処理を行う回路。

Ray Tracing(RT)コア
光(Ray)を追跡(Trace)し、光のリアルな反射をレンダリングする回路。

公式(NVIDIA):NVIDIA Ampere アーキテクチャ
YouTube:NVIDIA Marbles RTX Tech Demo TURING vs AMPERE Early Graphics Comparison

アーキテクチャ(コアの設計)が新しくなると、モデルの表記が変わり性能が向上します。同一世代内ならば、数値が大きいほど性能が高いです。

公式(NVIDIA):NVIDIA テクノロジ
参考:グラボのQuadroとは?RTXシリーズとの違いや得意分野、必要性について解説
参考:プロフェッショナル向けのNVIDIA/QuadroとGeForceの違いまとめ!NVIDIA/Quadroはゲーミングに不向きなのか!?

各シリーズの主なラインナップを紹介します。Ampereアーキテクチャを採用している「NVIDIA RTX A シリーズ」以降のGPUを搭載したグラフィックボードがおすすめです。

「Quadro RTX シリーズ(Turingアーキテクチャ)」の主なラインナップ
・Quadro RTX 4000(発売:2018年11月)
・Quadro RTX 5000(発売:2019年01月)
・Quadro RTX 6000(発売:2019年02月)
・Quadro RTX 8000(発売:2019年03月)
「NVIDIA RTX A シリーズ(Ampereアーキテクチャ)」の主なラインナップ
・NVIDIA RTX A2000(発売:2022年04月)
・NVIDIA RTX A4000(発売:2021年04月)
・NVIDIA RTX A4500(発売:2022年02月)
・NVIDIA RTX A5000(発売:2021年04月)
・NVIDIA RTX A5500(発売:2022年05月)
・NVIDIA RTX A6000(発売:2020年12月)
「NVIDIA RTX シリーズ(Ada Lovelaceアーキテクチャ)」の主なラインナップ
・NVIDIA RTX 6000 Ada 世代(発売:2023年02月)

公式(NVIDIA):NVIDIA RTX 6000 Ada 世代 グラフィックス カード 無限の可能性を実現するパフォーマンス
YouTube:NVIDIA RTX 6000 Ada Generation Accelerates Engineering Simulations

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AMD Radeon:「NVIDIA GeForce」の競合製品で、コスパに優れる

「Radeon」は、NVIDIA社「GeForce」シリーズの対抗製品として市場に登場しました。しばらくは苦戦が続きましたが、今ではNVIDIA社「GeForce」シリーズと性能面で互角の競争を繰り広げています。
PCゲーム用途のGPUとして使われることが多いです。また映像制作用途などにも向いています。

公式(AMD):AMD Radeon RX グラフィックス・カード

同一世代であれば、数値が大きいほうが高性能です。性能の順序は、原則以下のようになります(例外あり)。
 XTX > XT > Pro > 無印 > SE > LE 

参考:AMD Radeon

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Radeon RX 5000 シリーズ:2019年中盤~

発売:2019年中盤~
アーキテクチャ:RDNA
主な競合:Nvidia GeForce 20 シリーズ

参考:Radeon RX 5000 series
参考:RDNA (マイクロアーキテクチャ

「Radeon RX 5000 シリーズ」の主なラインナップ
参考:AMD Radeon RX 5000シリーズ
・Radeon RX 5300(発売:2020年08月)
・Radeon RX 5300 XT(発売:2019年10月)
・Radeon RX 5500(発売:2019年10月)
・Radeon RX 5500 XT(発売:2019年12月)
・Radeon RX 5600(発売:2020年01月)
・Radeon RX 5600 XT(発売:2020年01月)

・Radeon RX 5700(発売:2019年07月)
・Radeon RX 5700 XT(発売:2019年07月)
・Radeon RX 5700 XT 50th Anniversary Edition(発売:2019年07月)
YouTube:Radeon RX 5700シリーズ低電力運用の真実:ジサトラKTU 118

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Radeon RX 6000 シリーズ:2020年後半~

発売:2020年後半~
アーキテクチャ:RDNA 2
主な競合:Nvidia GeForce 30 シリーズ

公式(AMD):AMD Radeon RX 6000 シリーズ グラフィックス・カード
参考:Radeon RX 6000 series

「Radeon RX 6000 シリーズ」の主なラインナップ
参考:AMD Radeon RX 6000シリーズ

・Radeon RX 6400(発売:2022年01月)
YouTube:低価格自作に最適!?「Radeon RX 6400」の実力を大検証:ジサトラKTU 242

・Radeon RX 6500 XT(発売:2022年01月)
・Radeon RX 6600(発売:2021年10月)
・Radeon RX 6600 XT(発売:2021年08月)
・Radeon RX 6650 XT(発売:2022年05月)
YouTube:RDNA 2リフレッシュ!Radeon RX 6650 XT/6750 XT/6950 XTの実力検証:ジサトラKTU 243

・Radeon RX 6700(発売:2022年06月)
・Radeon RX 6700 XT(発売:2021年03月)
YouTube:Radeon RX 6700 XTのパフォーマンスをチェック!:ジサトラKTU 192
・Radeon RX 6750 XT(発売:2022年05月)

・Radeon RX 6800(発売:2020年11月)
・Radeon RX 6800 XT(発売:2020年11月)
YouTube:Radeon RX 6800 XTのゲーミング性能を引き出せるCPUはAMDかインテルか?:ジサトラKTU 187

・Radeon RX 6900 XT(発売:2020年12月)
・Radeon RX 6950 XT(発売:2022年05月)

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Radeon RX 7000 シリーズ:2022年後半~

発売:2022年後半~
アーキテクチャ:RDNA 3
主な競合:Nvidia GeForce 40 シリーズ

公式(AMD):AMD Radeon RX グラフィックス・カード
参考:Radeon RX 7000 series
参考:AMD Radeon RX 7000シリーズ

「Radeon RX 7000 シリーズ」の主なラインナップ
・Radeon RX 7900 XT(発売:2022年12月)
・Radeon RX 7900 XTX(発売:2022年12月)

公式(AMD):AMD Radeon™ RX 7900 XT
公式(AMD):AMD Radeon™ RX 7900 XTX
参考:ライバルに匹敵するパフォーマンスをより低価格・スリムに実現したAMDの最新ハイエンド「Radeon RX 7900」シリーズ
参考:AMDが「Radeon RX 7900 XTX/7900 XT」を正式発表、12月13日発売の4K/8Kゲーミング向けGPU
参考:AMDが「Radeon RX 7900 XTX/7900 XT」を正式発表、12月13日発売の4K/8Kゲーミング向けGPU
YouTube:AMD Radeon RX 7000シリーズはこんなGPUだ!:ジサトラKTU 268
YouTube:続・AMD Radeon RX 7000シリーズはこんなGPUだ!:ジサトラKTU 269
YouTube:Radeon RX 7000シリーズの実力をチェック:ジサトラKTU 271
YouTube:新設計のAMDハイエンドGPU「Radeon RX 7900 XTX」、「Radeon RX 7900 XT」をライバルGeForce RTX 4080といきなりガチ比較!ゲーム&クリエイティブで激突

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Intel Arc:玄人向け or Intel信者向け、基本的には成熟を待つべき製品

「Arc」は、 Intelが設計したGPUのブランドです。主にゲーム市場向けとして販売されています。Nvidiaの「GeForce」、AMDの「Radeon」と競合しています。

現状、市場に参入したばかりということもあり、Nvidiaの「GeForce」、AMDの「Radeon」には、コスパや安定性などで遅れを取っています。
Arcのスペックを見る際は、主に「Xe-core」数に注目すると良いでしょう。

公式(Intel):インテル® Arc™ グラフィックス概要
公式(Intel):インテル® Arc™ グラフィックスで制作しましょう
公式(Intel):インテル® Arc™ A シリーズ・グラフィックス
参考:Intel Arc
公式(パソコン工房):インテルArc A シリーズ スペック・性能比較【デスクトップ】

Arc A 300 シリーズ:2022年前半~

発売:2022年前半~
アーキテクチャ:Xe-HPG(TSMC N6)
競合:GeForce GTX 1660 シリーズ

「Arc A 300 シリーズ」の主なラインナップ
A310

A380
YouTube:Intel Arc A380搭載ビデオカード解説【完全版】ついに発売されたIntel超久々の単体GPUをGeForce GTX 1650、Radeon RX 6400、内蔵GPUと比較!
参考:Arc A380搭載グラボを徹底検証!インテルのエントリーゲーマー向けdGPUの現状性能は?

Arc A 500 シリーズ:未発売

発売
アーキテクチャ
競合

Arc A 700 シリーズ:2022年前半~

発売:2022年前半~
アーキテクチャ:Xe-HPG(TSMC N6)
競合:Nvidia GeForce 30 シリーズ

「Arc A 700 シリーズ」の主なラインナップ
A750
YouTube:Intel Arc A770/A750実機検証! Intel製GPUの上位モデルはGeForce&Radeonの分厚い壁を打ち壊せるのか? 性能、消費電力、使い勝手などをチェック!

A770(8GB)
YouTube:ASRockのIntel Arc A770 Phantom Gaming D 8GB OCを徹底検証:ジサトラKTU 266

A770(16GB)
YouTube:最新ドライバーで性能が大幅アップ!? Intel Arc A770 Limited Editionレビュー:ジサトラKTU 280

レイトレーシングとは:光(Ray)を追跡(Trace)し、美麗な映像表現を可能とする技術

レイトレーシング法なら、画面外の3Dオブジェクトも正面からは見えない3Dオブジェクトの背面情報も、正確に処理できます。
GPUへの負担も大きいですが、CGにリアリティをもたらします。

参考:レイトレーシングにより3D作品がさらにリアルに仕上げる理由
YouTube:レイトレーシングとは? 歴史や原理、将来性など、-解説を試みる-
YouTube:8分でわかるレイトレーシング

詳しくは、以下の本でご確認ください。

各GPUメーカー(NVIDIA/AMD/Intel)のレイトレーシング機能

レイトレーシング(RT:Ray Tracing)コア/NVIDIA:光(Ray)を追跡(Trace)する技術に特化したコア
レイトレーシングは現実世界で起きる光の反射・屈折を再現するために処理を行います。例えば水面やガラスの反射、SF映画や戦争映画などのCG描写が現実世界のように見えるのは、レイトレーシング法によるものです。

参考:レイ トレーシングとラスタライズの違い – NVIDIA
公式:GeForce RTX | 究極のレイ トレーシング。究極の AI。 – NVIDIA
参考:最近よく聞く「レイトレーシング」 一体ナニモノ?
Ray Accelerator/AMD:レイ・トレーシングの処理を高速化する機能(ハードウェア)
AMD製GPUのレイ・トレーシング機能。
レイ・トレーシング・アクセラレーター(レイ・アクセラレーター)がなくても、CPUによってレイ・トレーシングの処理はできます。
ですがレイ・トレーシングの処理に特化したレイ・トレーシング・アクセラレーターを使用すると、処理速度が向上します。

アクセラレーター:コンピューターの性能を向上させるハードウェア

参考:AMDのレイ・トレーシング・アクセラレーター
参考:AMD「Radeon RX 7000シリーズ」の発表内容を、もう少し深く読み解く
Ray Tracing Unit/Intel:レイトレーシングを行うハードウェア
Intel製GPUのレイ・トレーシング機能。

YouTube:A Quick Guide to Intel’s Ray-Tracing Hardware | GDC 2022 | Intel Software
YouTube:ASRockのIntel Arc A380 Challenger ITX 6GB OC、インテル製GPU搭載グラボの現状性能を徹底レビュー:ジサトラKTU 258

リアルタイムレイトレーシング:ゲームプレイに置いて、レイトレーシングを毎フレームごとに行うこと

物体の反射率や透明度、屈折率などを忠実に反映させたリアルな映像です。
計算量が莫大となるため、リアルタイムなレンダリングを行うゲームではフレームレートが犠牲となります。

参考:NVIDIAとAMD、どっちに軍配? 「DirectX Raytracing」能力を比較するベンチが「3DMark」に
参考:ゲーム表現の革新「DirectX Raytracing」が「October 2018 Update」で正式サポート
YouTube:DXR?VRS?VRR?VSR?OTR?謎の自作用語・略語を覚えよう!:ジサトラKTU 111
YouTube:DirectX と レイ トレーシング – 技術解説 (字幕付き)

DXR(DirectX Ray Tracing):DirectX12で利用できるリアルタイムレイトレーシング
DirectX(ダイレクトエックス)12:描画(GPU)制御に特化したAPI
ゲームや動画などのマルチメディアコンテンツをWindows上で処理させるために、マイクロソフトが開発したAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)の総称です。

主にパソコンゲームの開発、処理に使用されています。
「DirectX 12」は、「DirectX 11」より直接的なプロセスでGPUに指令を送ることが可能になりました。

参考:DirectX12とは
参考:【DirectX12】DirectX12とは?
参考:圧倒的性能を誇る「DirectX 12」はゲーマーや開発者にとってどんな意味があるのか

アップスケール(低い解像度でレンダリングした画像を、AIで高い解像度へ変換する)

NVIDIA、AMD、Intel、各GPUメーカーは独自のアップスケール技術を持っています。
主にPCゲームのプレイでフレームレート(FPS)を確保しつつ、レイトレーシングを充実させる技術(機能)です。
ゲーム中のアップスケールは画面描写に多少のボケを感じさせるものの、フレームレート(FPS)を伸ばす最適な手段といえます。
参考:【DLSS 等】主要なアップスケーリング技術まとめ【2022年6月更新】

アップスケール機能をゲーム中にONとした場合
・FPSが高い
・やや低画質(画質が若干落ちる=描写がボケる)

アップスケール機能をゲーム中にOFFとした場合
・FPSが低い
・高画質(画質が落ちない)

NVIDIAのアップスケール技術

NVIDIAのアップスケールには、主に以下の技術(機能)があります。

  • DLSS(Deep Learning Super Sampling)
    AIにより高解像度の画像を出力する手法(時空間アップスケーラー)
    Tensorコア:AI(深層学習に特化)を高速に処理するための演算装置
     -DLSS SR(Super Resolution):従来のDLSS
     -DLSS FG(Frame Generation):DLSS 3で追加されている
  • NIS(NVIDIA Image Scaling)
    FSR(AMD)に対抗するための空間アップスケーラー
  • DLDSR(Deep Learning Dynamic Super Resolution)
    空間ダウンスケーラー

Tensorコア:AI(深層学習に特化)を高速に処理するための演算装置

大量のデータに対して、複雑な演算処理を高速に行います。
以下の処理のためにあるコアです。

  • レイトレーシング(リアリティのある光の反射表現)時のAIデノイズ
    デノイズ(Denoise):レンダリング時のノイズ除去
  • DLSS(AIにより低解像度の画像から高解像度の画像を出力する手法)
    DLSSを使うには、Tensorコアが必須です。

参考:c4dのdenoiser比較
参考:denoise comparison

DLSS(Deep Learning Super Sampling):AIにより高解像度の画像を出力する手法(時空間アップスケーラー)

「DLSS」は、AI(ディープラーニング)を利用して低解像度の画像からより高解像度の画像を出力する手法です。AI(ディープラーニング)に超高解像度の画像を膨大に学習させることで、未知の画像データに対して正しい値(補整された画像データ)を出力できるようになっています。

公式(NVIDIA):Tensor コア: HPC & AI の多様性 – NVIDIA
YouTube:DLSS、FSRって何? ゲーム画面の高解像度化と高FPSを両立するスケーリング技術をサクッと解説【DLSS/NIS/DLDSR/FidelityFX CAS/FSR/RSR】
YouTube:DLSS/NIS/RSR/FSR ゲームを快適にするアップスケーラーはどれ?:ジサトラKTU 253

GPUは低解像度で処理をして、そのあとはAI(Tensorコア)に処理を任せることで、GPUの計算量が少なくて済むのがメリットです。
コンテンツ制作業界(バーチャルプロダクション、建築ビジュアライゼーション、アニメ映画、プロダクトデザインなど)が「DLSS」を採用したことで、ワークフローが効率化しています。
参考:クリエイティブな大手企業が NVIDIA DLSS を採用し、AI によってパフォーマンスを向上

ゲーム分野でのDLSSの活用

ゲーム分野において、DLSSは小さい解像度で処理してGPUの負荷を下げFPSを向上させる技術として重宝されています。
ゲームでDLSSを使う場合、ゲーム側の対応が必須です。

YouTube:DLSS、FSRって何? ゲーム画面の高解像度化と高FPSを両立するスケーリング技術をサクッと解説【DLSS/NIS/DLDSR/FidelityFX CAS/FSR/RSR】
YouTube:【ゆっくり解説】DLSS (Deep Learning Super Sampling)

1-低い解像度でレンダリングした画像を入力
・フレームごとの動き情報(Motion Vector)も加味して処理します。
・入力解像度が低いほどフレームレート(FPS)は向上しますが、ボケ感は強まります。
・ゲームの設定画面でDLSSの強度を設定します(以下は例)。
【高画質(FPS低い)】
-Ultra Quality
-Quality
-Balanced
-Performance
-Ultra Performance
【低画質(FPS高い)】

2-AIを利用してアップスケール(高い解像度への変換)
・DLSSはアップスケーラーの中では細部の再現性が高いですが、処理がやや重たい傾向にあります。
・TAA特有のボケも改善します。
 Temporal Anti-Aliasing:ジャギー(ピクセルのギザギザ)が目立たなくなるための処理

DLSS SR(Super Resolution):従来のDLSS

RTX 20〜30シリーズで利用可能です。
DLSSオフの場合より、フレームレートが伸びます。
ですがCPUの処理がモタつきGPUに描画指示を出すのが遅れれば、フレームレートは上がりません。つまり、CPUがボトルネックとなり、処理が遅くなることがあります。

YouTube:【ゲーム情報】PCグラボ NVIDIAの RTXシリーズ DLSS機能が凄い!! 【自作PC ゲーミングPC】

DLSS FG(Frame Generation):DLSS 3で追加されている

RTX 40シリーズで利用可能です。
「DLSS SR」よりもフレームレート(FPS)が伸びます。
前フレームと今フレームの情報から、今フレームと次フレームの中間フレームをGPUだけで推測して出力します。CPUがボトルネックとなる状態で、効果を発揮します。レイトレーシングのように重い処理で特に効果的です。

公式(NVIDIA):ディープラーニング スーパー サンプリング (DLSS) テクノロジ
参考:GeForce RTX 4090基本ベンチ&解説編!Fire Strike UltraはRTX 3090から93%アップ!?

NIS(NVIDIA Image Scaling):FSR(AMD)に対抗するための空間アップスケーラー

GeForce専用の簡易アップスケーラーです。
GTX 750 / 900(Maxwellアーキテクチャ世代)以降のGeForceで利用可能です。Tensorコアが不要で、ゲーム側の対応も不要です。
ですがゲームを行う場合は、排他的フルスクリーンにする必要があります。

排他的フルスクリーン:ゲーム画面のみを描画するモード
最前面にゲーム画面が描画され、他のウィンドウをGPUが描画しないため、フレームの遅延を軽減します。

YouTube:GeForceユーザーならフレームレート爆上げ!NVIDIA Image Scalingの実力:ジサトラKTU 222
参考:DLSS非対応のゲームでも使えるアップスケーラー、NVIDIA Image Scaling速報レビュー! DLSSやFSRとの違いは?
YouTube:【NIS】APEXでも簡単にFPSが上がる!NVIDIA Image Scalingって知ってる?RTX3050を使って動作検証と画面比較!

NISのデメリットには、以下のようなものがあります。

  • DLSSより細部の再現性は劣り、処理によってはチラつきも出ます。
  • ゲーム画面のHUDも処理されるため、ボケ感が強いです。
    Head Up Display:通常の視界に重ねてゲーム情報を表示する機能
  • OBSなどのキャプチャが使えないため、HDMI出力を外部のキャプチャデバイスに接続する必要があります。
OBS(Open Broadcaster Software) Studio:ライブ配信ソフトウェア
無料でゲーム、雑談、顔出し、歌、お絵かきなどの配信ができます。
YouTube、Twitch、ニコ生、ツイキャス、ミラティブ、OPENREC、Mildom、などのサイトで配信できます。

参考:OBS Studioをダウンロード
参考:【図解】やさしいOBS Studioの使い方。ゲーム配信者のための設定ガイド
YouTube:【2023年最新】OBS Studioの画面説明・使い方・シーン作成・ライブ配信これ1本!【初心者向けOBS使い方講座】

DLDSR(Deep Learning Dynamic Super Resolution):空間ダウンスケーラー

RTX 20/30シリーズで利用可能です。
フルHD、WQHD環境でGPUパワーが余っているときに有効です。解像度を一旦大きくレンダリングした後に縮小することで、本来の出力では潰れていた細部の描写が向上します。

「DSR(GTX 900から存在)」の頃より「DLDSR」の方がAIの処理により入力解像度が低く済むため、フレームレートやVRAMへの負荷が低くなり、かつフレームレート(FPS)も伸びています。

AMDのアップスケール技術

AMDのアップスケールには、主に以下の技術(機能)があります。

  • FidelityFX CAS(Contrast Adaptive Sharpening)
    AMDの汎用シャープネス技術
  • FSR(FidelityFX Super Resolution)
    DLSS(NVIDIA)に対抗するための汎用空間アップスケーラー(主にAMD)
     -FSR 1.0:1枚のフレーム内でエフェクトを加える箇所を決めている(空間的アップスケーリング)
     -FSR 2.0:前後のフレームも参照する(時間的アップスケーリング)
     -FSR 3.0:補間フレームを導入
  • RSR(Radeon Super Resolution)
    NIS(NVIDIA)に対抗するための空間アップスケーラー

YouTube:DLSS、FSRって何? ゲーム画面の高解像度化と高FPSを両立するスケーリング技術をサクッと解説【DLSS/NIS/DLDSR/FidelityFX CAS/FSR/RSR】
YouTube:DLSS/NIS/RSR/FSR ゲームを快適にするアップスケーラーはどれ?:ジサトラKTU 253

FidelityFX CAS(Contrast Adaptive Sharpening):AMDの汎用シャープネス技術

「TAA」処理時に発生するボケを、GPUの処理で補正する技術です。
Temporal Anti-Aliasing:ジャギー(ピクセルのギザギザ)が目立たなくなるための処理

公式(AMD):AMD FidelityFX™
参考:ゲームで役割が分かりにくい「FidelityFX」と、その効果のまとめ(1/4)
参考:Temporal Anti-Aliasingの実装

ゲーム側の対応が必要ですが、GPUは選びません。
基本的には、「FSR(AMD)」の方が「FidelityFX CAS」よりも性能は高いです。

FSR(FidelityFX Super Resolution):DLSS(NVIDIA)に対抗するための汎用空間アップスケーラー(主にAMD)

ゲーム側の対応が必要(FSR 1.0/2.0それぞれ別で対応が必要)ですが、GPUは選びません(古すぎるGPUは不可)。「FSR1.0(2021年)」「FSR2.0(2022年)」と進化を続けています。

YouTube:Radeon Softwareが大幅にアップデート、その内容とは?:ジサトラKTU 237

以下のGPUでも「FSR」は利用可能です。

  • Polaris世代のRadeon
  • Pascal世代のGeForce
  • 内臓GPU

「DLSS(NVIDIA)」は専用のTensorコアAIを利用する必要がありますが、「FSR(AMD)」はハードウェアの制限がありません。

またゲームのHUDのシャープさは保ったままに、ゲームの3DCG部分だけレンダリング解像度を落とせます。
HUD(Head Up Display):通常の視界に重ねてゲーム情報を表示する機能

公式(AMD):AMD FidelityFX™ Super Resolution

FSR 1.0:1枚のフレーム内でエフェクトを加える箇所を決めている(空間的アップスケーリング)

出力解像度が低い(フルHD)状態で「Balanced」以下は、ボケ感が強くなる傾向があります。
参考:今さら聞けない画質を維持しつつfpsを上げるRSR&FSRの使い方【AMDチップス集】

FSRのゲーム画面での設定例:

【高画質(FPS低い)】
-Ultra Quality
-Quality
-Balanced
-Performance
-Ultra Performance
【低画質(FPS高い)】

FSR 2.0:前後のフレームも参照する(時間的アップスケーリング)

深度(オブジェクトを構成するポリゴンの奥行き情報)、動き(モーションベクター)、色、前後のフレームを加味して処理することにより、「FSR 1.0」より画質が向上しています。

YouTube:【FSR2.0】遂にDLSSを超える!?AMD FidelityFX™ Super Resolution 2.0の検証比較!FSRやDLSSとどんな違いがあるのか。RX 6950 XTを使って検証
YouTube:【4K60fpsも】グラボ変えずにfps上げる!Radeon以外でも使えるAMDのFSR2.0を検証 画質比較やDLSSとの比較も【簡単に】

FSR 3.0:補間フレームを導入

「FSR 2.0」ではフレームサンプル数より多くのピクセルを計算していますが、「FSR 3.0」は補間フレームを導入することでさらに多くピクセル生成できます。
さらなる高フレームレートと低遅延(レイテンシ)とを実現します。

参考:AMD FSR 3はフレームレートを2倍近くに引き上げると発表
参考:AMD、FSR 3とAMD FidelityFX SDKを開発者向けに紹介

RSR(Radeon Super Resolution):NIS(NVIDIA)に対抗するための空間アップスケーラー

Radeon専用の簡易アップスケーラーです。
Radeon RX 5000シリーズ以降のRadeonビデオカードが必要ですが、ゲーム側の対応は不要です。つまり、FSRが使えないPCゲームのパフォーマンス向上に役立ちます。

参考:今さら聞けない画質を維持しつつfpsを上げるRSR&FSRの使い方【AMDチップス集】

RSRを利用するには、Radeon向けドライバー「AMD Software: Adrenalin Edition」にて事前に設定する必要があります。
公式(AMD):AMD Radeon™ Super Resolution

またゲームを行う場合は、排他的フルスクリーン(ゲーム画面のみを描画するモード)にする必要があります。

※Integer Scaling(ニアレストネイバー法):AMDの画像拡大技術

従来のスケーリング手法(線形補間)で全画面表示するとボケますが、Integer Scaling(ニアレストネイバー法)を使うとシャープになります。
画面上の画像を1ピクセルから4ピクセル(またはそれ以上)に拡大することで、例えば現代のディスプレイでビンテージ・ゲームが楽しめます。

公式(AMD):AMD Integer Scaling
参考:画像のリサイズを実装する(バイリニア編)
Twitter:まーでもニアレストネイバー法による補完を実装してないゲームでは絶大な効果があるな。

Intelのアップスケール技術

Intelのアップスケールには、主に以下の技術(機能)があります。

  • XeSS:低い解像度でレンダリングした画像を、AIでアップスケール(高い解像度への変換)する技術
     ※XMX(Xe Matrix Engine/Xe Matrix Extensions):IntelのAIエンジン

YouTube:Intel Arc A770/A750実機検証! Intel製GPUの上位モデルはGeForce&Radeonの分厚い壁を打ち壊せるのか? 性能、消費電力、使い勝手などをチェック!
YouTube:ASRockのIntel Arc A380 Challenger ITX 6GB OC、インテル製GPU搭載グラボの現状性能を徹底レビュー:ジサトラKTU 258

XeSS:低い解像度でレンダリングした画像を、AIでアップスケール(高い解像度への変換)する技術(Intel)

NVIDIAの「DLSS」、AMD「FSR」に対抗する機能が、Intelの「Xess」です。
基本的には、ArcシリーズのdGPU(CPU内臓ではないGPU=グラボのGPU)が対称となります。

公式(Intel):XeSS スーパーサンプリング
YouTube:インテル アーク グラフィックス |インテル XeSS テクノロジーの詳細
YouTube:Actually Impressive – Intel XeSS Defeats AMD FSR 2.1 on Arc GPUs

XMX(Xe Matrix Engine/Xe Matrix Extensions):IntelのAIエンジン

AI(人工知能)の処理性能向上に向けて新たに開発したマトリクスエンジンです。
「XMX」をアプリケーションに適用したものが「Xe SS(Super Sampling)」です。
従来の超解像技術にAI処理を用いることで、低解像度のフレームを高解像度のフレームにアップスケールします。

参考:インテルのGPU「Arc Aシリーズ」、CPUや内蔵GPUと連携しAI処理を効率化
YouTube:インテル アーク |インテル Xe マトリックス エクステンション (インテル XMX)
公式(Intel):Xe-HPG マイクロアーキテクチャー
公式(Intel):インテルのディスクリート・モバイル・グラフィックス・ファミリーが登場
参考:Intel Architecture Day 2021 個人的まとめ ―― 用語が整理された Xe GPU
参考:エントリーグラフィックスカードの新たな選択肢になり得るか?検証で分かったIntel「Arc A380」の立ち位置

グラフィックボードの消費電力

消費電力(W:ワット)
グラボを動かすために必要な電力です。高性能なGPUはより電力を必要とし、消費電力(電気料金)も大きくなります。

補助電源
電源ユニットから伸びるケーブルを介して、PCパーツにダイレクトに電力を供給します。マザーボードから送られる電力が足りない場合、電源ユニットから電力を直接補う仕組みです。

参考:グラボを動かすのに必要な補助電源とは?正しい選び方と注意点
参考:グラボの補助電源とは?種類や変換コネクタの使い方を解説【マイニングで培った知識】

使用するグラフィックボードによっては、補助電源が必要です。

  • 高消費電力(GPUの処理能力が高い)・・・補助電源が必要
  • 低消費電力(GPUの処理能力が低い)・・・補助電源が不要

電源ユニット(PSU):コンセントの電流を、パソコンで使用可能な電気に変換します。電源ユニットの電力が、使用できる電力(消費電力)の上限となります。電力を必要とするPCパーツ全体の消費電力に対して、一定の余裕を持たせた電源ユニットを選ぶのが良いです。

電源ユニットとは?PCパーツの電源ユニット選びで失敗しない方法とおすすめを初心者向けに徹底解説

推奨電源(W:ワット):システム電力要件

グラフィックボードは、「GPU」「ファン」といった消費電力が高い部品を使用しています。クロックの高い高性能なGPUは、より電力を必要とします。

参考:PCの電源容量はどれぐらいがいい?PC電源計算フォームで算出できます

グラフィックボードを使用する場合、パソコンの最大消費電力以内に収まるか確認が必要です。
電源ユニットの電力パソコンで使用する電力(マザーボード+CPU+グラフィックボード+メモリ+ストレージ+その他)

電化製品ごとの消費電力目安を比較

人気の高いグラフィックボードである「GeForce RTX」の定番製品と、一般的な家電製品との消費電力を表で比較しています。あくまで目安としてとらえてください。

参考:電気製品の消費電力一覧
参考:家電製品の消費電力リスト

電化製品消費電力の目安電化製品消費電力の目安
照明器具(1基・LED)10WGeForce RTX 4090315W
空気清浄機・加湿器60WGeForce RTX 3090350W
こたつ(弱)100Wテレビ(55V型・4K有機EL)400W
GeForce RTX 3060170Wこたつ(強)500W
掃除機(弱)200W洗濯機650W
テレビ(42型・液晶)210W電気ポット800W
GeForce RTX 4070 Ti226W掃除機1,000W
冷蔵庫(450ℓ)250Wドライヤー1,200W
GeForce RTX 3070 Ti290W電子レンジ1,500W
プロジェクター300Wエアコン(暖房最大時)2,000W
電化製品ごとの消費電力目安を比較

消費電力による使用量料金の計算式

以下は、消費電力による使用量料金の計算式です。
家電製品の消費電力(W)÷ 1,000 × 時間(h)× 使用量単価(円/kWh)

参考:家電製品の消費電力について知りたい

  • 1kW(1,000W)の電力を、1時間使ったときに使用した電気の量(電力量)が1kWhとなります。
  • kWh(キロワットアワー)は、電力(W)に時間(Hour)をかけて示される使用電力量を表す単位です。
  • 家庭の電気代は「1kWhにつき〇〇円」で計算されることが多いです。
  • 1kWh(キロワットアワー)あたりの使用量単価は、料金プランによって異なります。

例えば、消費電力1,000Wのドライヤーを6分間使用した場合の計算は、以下のようになります。
1kW(1,000W:消費電力)× 0.1時間(6分間)= 0.1kWh(電力量)

消費電力:ドライヤーを動かすために必要な電気の大きさ
時間:ドライヤーを使用する時間
電力量:ドライヤーを一定時間動かすために必要な電気の量

一般的な電気料金は「kWh × 料金単価」で計算できます。
例えば東京電力の一般的な料金プランである「従量電灯B」の場合で考えます。使用電力量が120kWhまでの場合、料金単価は19円88銭です。このとき、10kWhの電気(電力量)を使用した際の計算は、以下のようになります。
10kWh(電力量) × 19円88銭(料金単価) = 198円80銭(電気料金)

電気事業者によって異なりますが、使用した電気の量が多くなるほど、1kWhあたりの料金単価は高くなるように設定されているのが一般的です。

例)東京電力の「従量電灯B」の1kWhあたりの電気料金単価
使用電力量:料金単価
120kWh以下:   19円88銭
120kWh~300kWh:26円48銭
300kWh以上:   30円57銭

※実際の電気料金には基本料金(最低料金)なども加算されます。
参考:kWh(キロワットアワー)とは?電気使用量と電気代の関係を知って節約に役立てる

消費電力の指標「TDP」「TGP(NVIDIA)」「TBP(AMD)」

グラフィックボードのスペックを見ていると、以下の文字列が出てきます。

  • TDP(Thermal Design Power)
    最大発熱量≒最大消費電力の目安
  • TGP(Total Graphics Power)(NVIDIA):
    グラフィックボード全体の消費電力
  • TBP(Total/Typical Board Power)(AMD):
    グラフィックボード1枚あたりの、典型的な消費電力

「TGP(NVIDIA)」と「TBP(AMD)」とは、グラフィックボード全体の(最大)消費電力を意味しますが、算出方法は不明です。
よって消費電力の正確な比較とはなりません。ですがスペックの比較の際には参考になります。

参考:TBP、TGPについて

TDP(Thermal Design Power):最大発熱量≒最大消費電力の目安

電力が消費された分のエネルギーは熱になるため、消費後の熱量から大まかな消費電力を推測できます。ですが消費電力そのものを表すものではありません。そのデバイスを冷やすためにどの程度の吸熱量が必要か、を表した値と言えるでしょう。

またTDPで表される熱量は最大消費電力時の熱量のため、平均どれくらいの電力が必要かという計算もできません。PCパーツは常に最大消費電力で動作するわけではなく、アイドル状態は中程度の負荷状態が最も長いためです。

「TDP=最大消費電力」と仮定しましょう。
ですが消費された電力が全て熱になるわけではないため、実際の最大消費電力はTDPよりも大きくなります。
よってTDPから最大消費電力を推測する場合、GPUメーカーにもよりますが、TDPに1.3~1.5をかけた数値(TDP × 1.3~1.5)を想定してください。TDPが100Wなら、最大消費電力は130W~150Wで想定します。

参考:いまさら聞けないIT用語集 TDPってなに? 消費電力じゃないの?

TGP(Total Graphics Power)(NVIDIA):グラフィックボード全体の消費電力

「TGP」は主にNVIDIAが2019年頃から使うようになった、グラフィックボード全体の消費電力の指標です。
「TGP」は、周囲の温度やエアフロー、電源の品質など、様々な要因によっても変化します。

公式(NVIDIA):GeForce GPU Power Primer
参考:NVIDIA GPUのTGP
参考:GeForce RTX 20 SUPERの性能を検証、次期Radeon対抗の実力
参考:TGP (Total Graphics Power) とは: どのように機能し、何のために使用するのですか?

TBP(Total/Typical Board Power)(AMD):グラフィックボード1枚あたりの、典型的な消費電力

「TBP」は主にAMD製のRadeonシリーズに対し、2011年ころから使われるようになった消費電力の指標です。
設計を考えたうえでの理論的な消費電力を見積もった値だと思われます。

「TBP」は主にAMD製のRadeonシリーズに対し、2011年頃から使われるようになった消費電力の指標です。
設計を考えたうえでの理論的な消費電力を見積もった値だと思われます。

「TBP」は、必ずしも実際の消費電力とは言えません。GPUメーカーにもよりますが、「TBP」に0.8をかけた数値(TBP × 0.8)を想定してください。
「TBP」が100Wなら、消費電力は80Wで想定します。

参考:最近よく見かける「TBP」って何のこと?

3DCGのレンダリングと「レンダーファーム(レンダリング専用のコンピュータ群)」

CG制作において、レンダリングは必須工程です。本来非常に奥が深いレンダリングですが、ざっくりとした概念を記述しています。

レンダリング(3DCG):3次元のモデルを2次元の画像に変換し、閲覧可能な状態にすること

モデリングで制作したイメージに色や質感などを出して、1つのファイルとして出力します。データの容量が大きいほど、変換に時間がかかります。

1台のPCでレンダリング・・・
1台のPCにかかる負荷が大きいです。
レンダリング中は他の作業が重たくなります。

レンダーファーム(複数台のPC)でレンダリング・・・
1台のサーバーにかかる負荷が小さいです。
レンダリング中の待ち時間が発生しないため、業務効率が向上します。
また途中でクラッシュするリスクの低減、処理にかかる時間の削減ができます。
参考:レンダーファームって何?レンダリングとは?

レンダーファーム:レンダリング専用のコンピュータ(サーバー)群

3DCG業界や映画業界などで、レンダリング作業効率化のためにクラスター(レンダリング専用のコンピューターを複数台接続した状態)を構築します。
クラウドのレンダーファームを使用すれば、膨大な計算能力を持つサーバーに自宅や仕事先からオンラインでアクセスできます。自分のPCで3Dプロジェクトをレンダリングすると数日かかるものが、レンダーファームだと数時間で完了します。

参考:レンダーファーム
参考:【2023】レンダーファームとは?クラウドレンダリングサービスの利用がおすすめ

個人のクリエイターでも、オンラインのクラウドレンダリングサービスを利用できます。例えば以下のようなサービスがあります。

シェーディング:画面の各ドットの色を決めてレンダリングする作業

シェーディング(shading):レンダリング処理の一部
3次元グラフィックスにおいて、光源、物体の色、反射率などを考慮して、物体表面の色や輝度、陰影、光沢などを決める手法です。
最終的に各画素の色を変化させ、陰影付けを行います。
参考:シェーディング
参考:シェーディング

シェーダー(shader):シェーディング処理を行う演算回路、プログラム
解像度が高まるほど、シェーダーの負担は大きくなります。
参考:シェーディング 【shading】
YouTube:DXR?VRS?VRR?VSR?OTR?謎の自作用語・略語を覚えよう!:ジサトラKTU 111

ラスタライズ:3Dデータを2Dのピクセルに変換して描画する技術
ラスタライズは、3Dデータのポリゴンにさまざまなピクセル処理(シェーディング)を施して、2Dとしてリアルさを演出する手法です。従来のPC性能では、リアルタイムに移り変わるグラフィックスの処理は、ラスタライズで行われていました。

参考:レイ トレーシングとラスタライズの違い
参考:ゲームや映画でより現実に忠実で美麗な3D映像をレンダリングできる「パストレーシング」についてNVIDIAが解説

現在のPCは性能が上がったため、ゲームプレイにおいてリアルタイムでレイトレーシング(3Dモデルを透過あるいは反射した光線を追跡することで描画する技術)可能です。
レイトレーシングにより、映像表現はさらに美麗になりました。

VRS(Variable Rate Shading):可変レートシェーデング(GPU側の対応が必須)

高解像度になるほど1ピクセル当たりの重要度は下がるため、手を抜ける場所はシェーディング密度を粗くするのが、「VRS」の考え方です。
空や床、壁などの比較的平坦な場所は、計算密度を下げることでゲーム中のフレームレートを高く維持します。ディスプレイ上の見た目は、オリジナルと「VRS」とでほとんど見分けがつきません。

YouTube:DXR?VRS?VRR?VSR?OTR?謎の自作用語・略語を覚えよう!:ジサトラKTU 111
参考:3DMarkのVRSテストにシェーディングレートを柔軟に適用する「Tier 2」追加
参考:VRWorks – Variable Rate Shading (VRS)

VRR(Variable Refresh Rate):可変リフレッシュレート

ディスプレイ側のリフレッシュレートを可変とし、GPUの映像送出のタイミングに同期させる技術です。よってGPUのフレームレート(FPS)とPCモニターのリフレッシュレートとで、差が生じない状況となります。

参考:MacもVRRに対応!性能と実際のパフォーマンス、MacとWindowsの選び方は?(上)
YouTube:PS5のアップデートでVRRに対応!・・・VRRを簡単に解説!PS5のゲームはどう変わる?
YouTube:DXR?VRS?VRR?VSR?OTR?謎の自作用語・略語を覚えよう!:ジサトラKTU 111

使用するPCモニター(ディスプレイ)が「VRR」をサポートしている場合、PCモニターのリフレッシュレートはGPU同様シーンの複雑さによって変わります。

ゲーム中のシーン別フレームレート(FPS)の変化

派手で複雑なシーン・・・
GPUの計算量が多く負担が大きい = GPU側でフレームレートは下がる

平坦で単調なシーン・・・
GPUの計算量が少なく負担が小さい = GPU側でフレームレートは上がる

つまりゲームのプレイ中にフレームレート(FPS)が上下しても、画面の「ティアリング(画面のずれ)」「スタッタリング(画面のかくつき)」が発生しません。結果的にゲーム体験が向上します。

ゲーム機によっては、元々フレームレートが30fpsや60fpsで固定されているため、「ティアリング」「スタッタリング」は発生しません。

参考:ティアリング、スタッタリングについて

ティアリング(screen tearing):画面のずれ
GPUが送り出すフレームレート(FPS)がディスプレイのリフレッシュレートとずれることで、画面の上半分と下半分とでずれて見える現象です。
スタッタリング(screen stuttering):画面のかくつき
GPUが送り出すフレームレート(FPS)がディスプレイのリフレッシュレートとずれることで、映像が途中でカクッカクッと一瞬止まったようになる現象です。

NVIDIA・AMD・Intelそれぞれの「VRR」対応技術

NVIDIA・AMD・Intelそれぞれで、「VRR」に対応しています。PCモニターに、対応のロゴが記載されています。

YouTube:Nvidia G-SYNCやAMD FREE SYNCについて徹底解説!ゲーミングモニターの選び方。可変リフレッシュレート同期について解説していきます。

NVIDIAの「VRR」対応技術

G-SYNC・・・NVIDIAのGPUに対応するVRR
PCモニターには「G-SYNC」の専用モジュールを搭載しています。
AMDのGPUを使用しても、VRRが機能しません。

G-SYNC ULTIMATE・・・NVIDIAのGPUに対応するVRR(G-SYNCの上位互換)
PCモニターには「G-SYNC ULTIMATE」の専用モジュールを搭載しています。
AMDのGPUを使用しても、VRRが機能しません。

G-SYNC Compatible・・・NVIDIAがPCモニターの「adaptiveSync(VESAの汎用規格)」を検証して、互換性に問題がない場合に与える認証。
つまりPCモニターが「G-SYNC」の専用モジュールを搭載していなくても、「adaptiveSync(VESAの汎用規格)」に対応していれば、NVIDIAのGPUを使用してもVRRが機能します。

参考:ゲームをヌルヌルに動かすとっておきの方法。ゲーミングモニターでG-SYNC/FreeSync使っていますか?
公式(NVIDIA):NVIDIA G-SYNC
公式(NVIDIA):G-SYNC ゲーミング モニター

AMDの「VRR」対応技術

FreeSync・・・AMDのGPUに対応するVRR

AdaptiveSync・・・VESAが「FreeSync」を「Adaptive Sync」として採用した汎用規格のVRR
VESA:映像周辺機器に関する業界標準化団体(PCモニターに設けられる規格)
HDMI規格ではAdaptiveSyncを「DRR(dynamic refresh rate)」と呼びます。

参考:VESA、PCモニターの可変リフレッシュレート性能に標準規格

Intelの「VRR」対応技術

VSync(垂直同期)・・・IntelのGPUに対応するVRR
ディスプレイのネイティブなリフレッシュレートと同期します。

Smart VSync・・・IntelのGPUに対応するVRR(自動切換え)
アプリケーションのレンダリング速度に応じて、VSyncのオンとオフとを自動的に切り替えます。

公式(Intel):Talking VRR, HDR, and HDMI on Intel® Arc™ Graphics
公式(Intel):垂直同期の有効/無効を切り替える
YouTube:Intel Arc A380搭載ビデオカード解説【完全版】ついに発売されたIntel超久々の単体GPUをGeForce GTX 1650、Radeon RX 6400、内蔵GPUと比較!
参考:垂直同期(VSYNC)とは

ファームウェア:「BIOS」と「VBIOS」との違い

ファームウェア:ハードウェアを動かすためのソフトウェア
PCのファームウェア → 「BIOS」
グラフィックボードのファームウェア → 「VBIOS」

BIOS:マザーボードに内蔵されている、ハードウェアの管理・制御を行うプログラム

VBIOS:グラフィックボードに内蔵されているBIOS

ファームウェアとは:ハードウェアを動かすためのソフトウェア

ファームウェア:ハードウェアを動かすためのソフトウェア(プログラム)
ファームウェアはハードウェアの内部に組み込まれており、ハードウェア寄りのソフトウェアです。パソコンのファームウェアは「BIOS」と呼ばれます。
firm:硬い、固定の

参考:ファームウェア(英:firmware)とは

ファームウェアの例
ハードウェア:デジタルカメラ
ファームウェア:撮影機能(ピントを合わせたり、ズームしたり、画像として保存したり)

ファームウェアは基本的にあまり変更されません。ですがたまに「ファームウェアアップデート(ファームウェアの更新)」が通知されます。
ファームウェアの更新により、不具合の改善や機能の拡張、脆弱性の対策などが行われます。原則、常に最新のバージョンにしておくことが望ましいでしょう。

参考:ファームウェアとは?意味・定義・特徴をわかりやすく解説

BIOSとは:マザーボードに内蔵されている、ハードウェアの管理・制御を行うプログラム

BIOS(Basic Input Output System):
マザーボード上のROM(長期的な記憶域)に搭載されているプログラムです。
パソコンに接続されているキーボード、マウス、CPU、メモリーなどハードウェアの管理・制御を行っています。

ROM:データが書き込まれる長期的な記憶域。
RAM:PCが処理で使う一時的な記憶域(メモリー)

パソコンの電源を入れ、特定のキー(F2やDeleteなど)を入力することでBIOSの画面に入ります。ハードウェア(CPU、ハードディスク、メモリー、光学ドライブなど)の状況を確認したり、起動するデバイスの順位を変更したりします。
自作パソコンを組む場合、パソコンパーツの交換の際に利用します。

参考:ハードウェアの管理・制御
参考:BIOS(バイオス)とは?基本的な知識やBIOS設定画面の起動方法や操作方法などをご紹介

各PCパーツの簡単な説明:パソコンを構成する各PCパーツ(CPU・CPUクーラー/メモリ(RAM)/グラフィックボード(GPU)/ストレージ(HDD・SSD)/電源ユニット(PSU)/PCケースなど)の簡単な説明は、以下の記事にまとめています。

PCパーツまとめ一覧(自作したい人のための各PCパーツ解説)

VBIOSとは:グラフィックボードに内蔵されているBIOS

VBIOS(Video BIOS):
VBIOSは、グラフィックボード(ビデオカード)に内蔵されているBIOSです。
一般的にVBIOSを開くことはありませんが、ファンの制御を細かく行ったり、クロックアップ(動作周波数の向上)をしたりする場合があります。

使用中のPCでグラフィックス関連の問題が発生していない場合、VBIOSのアップデートは必須ではありません。VBIOSをアップデートしたことでグラフィックボードの調子が悪くなった場合は、ダウングレードを検討してください。

参考:vBIOSを書き換えグラボのファン制御機能を変更する
参考:ビデオ BIOS についてよく寄せられる質問
参考:NVIDIA グラフィックカード ( VGA / GPU ) の 「 VIDEO BIOS ( VBIOS )」 のバージョンを確認する方法 ( Windows10 )
参考:BIOS更新でRadeon RX 5600 XTがどのぐらい性能が向上するのかをテスト
参考:Intel GPU の 「 VIDEO BIOS ( VBIOS )」 のバージョンを確認する方法 ( Windows10 )

「ソフトウェアエンコード(CPUによるエンコード)」と「ハードウェアエンコード(GPUによるエンコード)」

エンコードには以下の2種類あります。

  • ソフトウェアエンコード(CPUによるエンコード)
  • ハードウェアエンコード(GPUによるエンコード)

比較した場合、大まかに以下の傾向があります。
・画質: 高 CPU > GPU 低
・速さ: 速 GPU > CPU 遅

ソフトウェアエンコード:
CPUによるエンコードです。ソフトウェアでエンコーダーを疑似的に作って使用します。
素材やエフェクト、ビットレートなどによりますが、GPUよりCPUの方が比較的高画質であることが多いです。

ビットレート:1秒間に送受信できるデータ量(単位:bps)

参考:エンコードとは?動画を扱うなら知っておきたいエンコードの基本について。
ハードウェアエンコード:
GPUによるエンコードです。物理的な専用のエンコーダー回路を使用します。
エンコードは基本的に、CPUよりGPUの方が速いです。

ソフトウェアによって、各GPUメーカー(NVIDIA、AMD、Intel)のハードウェアエンコードの対応の有無が異なります。
ハードウェアエンコーダー:
GPUによるエンコード機能です。

参考:ハードウェアエンコード (NVENC) を試してみた
YouTube:【GPUエンコードとCPUエンコードの差】果たして如何程に?
YouTube:[エンコード]どっちが速い? ソフトウェアーエンコード vs ハードウェアーエンコード

「エンコード(データを他の形式へ変換すること)」と「デコード(エンコードされたデータを元の形式へ戻すこと)」

「エンコード」も「デコード」も、どちらもデータの形式を変換する行為を指す用語です。

参考:「エンコード」と「デコード」の違い

エンコード(encode):
大きいデータを圧縮して、用途に合わせた動画形式(MP4,AVI,FLVなど)に変換することです。
エンコード機能がないグラフィックボードの場合、ゲームしながら配信はできません。

参考:エンコードとは何?エンコード種類、エンコードとデコードの違い、エンコードやり方を分かりやすく解説
デコード(decode):
動画ファイル形式特有のデータ形式となっているデータから、映像を再生できるデータ形式に戻すことです。
圧縮されている動画ファイルを、動画編集ソフトウェアなどのタイムライン上で再生できるようにします。

参考:クリエーターのためのGPU講座 -これを読めば全てが分かる?-
レンダリング:
画像、映像データにして出力(ファイル化)することです。

AV1ハードウェアエンコーダー:「AV1」に対応したハードウェアエンコーダー

AV1(AOMedia Video 1):
高圧縮率を実現した、次世代のビデオコーデックです。
より低いビットレートで高画質に配信できるため、将来的に「AV1」によるゲーム配信、動画編集が主流になると期待されています。

コーデック:動画を形成する動画データと音声データとを、それぞれ圧縮・変換・復元するプログラム
ビットレート:1秒間に送受信できるデータ量(単位:bps)

参考:動画コーデックとは? 代表的な種類とコーデックエラーが起こる原因と対処法
参考:動画形式の種類と違い(AVI・MP4・MOV・MPEG・MKV・WMV・FLV・ASF等)【コンテナ】
AV1ハードウェアエンコーダー:
「AV1」に対応したハードウェアエンコーダー

参考:内蔵と外付けのGPUが同時稼働しAV1にも対応!これがIntel Arcの本領。動画/配信系に強いその理由を探る
公式(NVIDIA):Discord が GeForce RTX シリーズ GPU 向けに AV1 ストリーミングをサポート開始
YouTube:RADEON RX 7900 XTX AV1とH264録画を比較!【OBS 29 Beta2】
YouTube:来たぞ Intel Arc A380!気になるAV1機能!

NVIDIA/AMD/Intelのハードウェアエンコーダー・デコーダー

NVIDIA、AMD、Intel、それぞれに独自のハードウェアエンコーダー・デコーダーがあります。

NVIDIAのハードウェアエンコーダー・デコーダー

NVENC
NVIDIA製のGPUで使用できるエンコーダー(Keplerアーキテクチャ以降のGPUに搭載)

NVDEC
NVIDIA製のGPUで使用できるデコーダー

公式(NVIDIA):Video Encode and Decode GPU Support Matrix
公式(NVIDIA):NVIDIA Video Codec SDK

AMDのハードウェアエンコーダー・デコーダー

Video Coding Engine
AMD製のGPUで使用できるエンコーダー・デコーダー
Southern Islandアーキテクチャ以降のGPUに搭載しています。
Trinity以降のAPUに搭載しています。
※APU(Accelerated Processing Unit):CPUとGPUを1つのチップに統合したプロセッサ

Video Core Next
AMD製のGPUで使用できるエンコーダー・デコーダー
Video Coding Engineの後継に当たります。
Naviアーキテクチャでは「Radeon Media Engine」とも呼びます

参考:APU(Accelerated Processing Unit)とは?そのメリット・デメリットを解説! [MiniTool]
YouTube:RX7900XTXと他グラボで動画編集アプリを比較
YouTube:Media Encoder 2020の処理速度がRadeonで超加速!:ジサトラKTU 159
参考:CPUよりも7倍以上速いことも!?RadeonのGPUエンコーダーでアドビソフトの動画エンコード速度を検証
参考:Video Coding Engine
参考:Video Core Next

Intelのハードウェアエンコーダー・デコーダー

Intel Quick Sync Video(QSV)
Intel製のCPU内臓のGPUで使用できるエンコーダー・デコーダー
QSVはCPUのダイに専用の回路を持ち、低消費電力で高速な処理ができます。「CPU」「GPGPU」を利用したエンコーダーとは異なります。
Sandy Bridgeマイクロアーキテクチャ以降のiGPUに搭載しています。

公式(Intel):インテル® クイック・シンク・ビデオ
YouTube:INTEL Quick Sync Video vs nVidia NVENC | RENDER
参考:Intel Quick Sync Video
YouTube:ASRockのIntel Arc A380 Challenger ITX 6GB OC、インテル製GPU搭載グラボの現状性能を徹底レビュー:ジサトラKTU 258

ビットレート:1秒間に送受信できるデータ量(単位:bps)

ビット(bit):コンピューター上で処理する情報の最小の単位

参考:ビットレート制御の違いについて ~CBR,VBR,MBRとは~
YouTube:【カメラ技術解説】動画でわからない単位”bps”「”ビットレート”が違うと何が違うのか!」
参考:ビットレートを理解して動画のクオリティを調整する

主に以下4種類のビットレートの制御方法があります。
おすすめは、通信が安定しており帯域の無駄が少ない「MBR」とされることが多いです。

  • CBR(固定ビットレート)
    常に一定のビットレートで通信を行う。
  • VBR(可変ビットレート)
    映像に応じたビットレートを上限なく変化させて使用し、通信を行う。
  • ABR(平均ビットレート)
    全体を通して目標ビットレートになるように調整して、通信を行う。
  • MBR(最大ビットレート)
    上限を定めた範囲内でビットレートを変化させ、通信を行う。

CBR(Constant Bit Rate):固定ビットレート

映像を送る際のビットレートを、指定した値(例:256kbps、1Mbps、など)に保ちます。
1秒間に送受信するデータ量を固定するため、安定した通信ができます。通信帯域の管理も容易です。

指定されたビットレートを超えることが出来ないため、画質が不安定になる場合があります。
また常に同じ通信量のため、映像のデータ量が少ないシーンでは通信帯域を無駄にします。

参考:CBR(固定)とVBR(可変)とABR(平均)の違い【ビットレート】

VBR(Variable Bit Rate):可変ビットレート

転送するファイル(音声や映像データ)の圧縮符号化方式のうち、ビットレートが変化して転送効率を向上させる方式です。
1秒間に送受信できるデータ量を固定せず、映像に合わせて自動的に必要なだけビットレートを使います。

データの変化が激しい箇所
高ビットレートで転送(画質や音質を維持したままデータを再現できる)

データの変化が単調な箇所
低ビットレートで転送(転送量が無駄なく抑えられる)

注意点
ビットレートの使用に上限がないため、高解像度・高フレームレートで動きの激しい映像を送る際は、多量のデータ通信を行います。よってネットワーク回線の切断や映像の乱れなどが生じることがあります。

参考:VBRとは

ABR(Averate Bit Rate):平均ビットレート

VBRのうち、転送されるデータ量が全体的に平均に近づくよう調整される方式です。

「目標ビットレート」が高く設定されている場合・・・
ビットレートを必要としない部分にも、ビットレートを一定程度割り当てる

「目標ビットレート」が低く設定されている場合・・・
ビットレートを必要としない部分には、ビットレートをあまり割り当てない

参考:ABR

MBR(Maximum Bit Rate):最大ビットレート

ビットレートの上限(例:256kbps、1Mbps、など)を決めた範囲内で、常にビットレートを変化させます。
映像のデータ量が上限を超える場合は、画質やフレームレートを下げて指定のビットレート内に収めようとします。

「CBR」同様データ量が多い時は画質が安定しないこともあります。ですが通信を安定して行えて帯域の無駄も少ないため、おすすめのビットレート制御方法です。

PCI-Express(PCIe):高速でデータ転送できるシリアルインタフェース

「PCIe」は、「Peripheral Component Interconnect-Express」の略です。グラフィックボードなどの接続で使用されます。
参考:PCI-Express(PCIe)とは
YouTube:PCIeによるグラボ性能を調べたら謎結果…ゆえにトンデモ仮説提唱

シリアルインタフェース:信号が1つずつ順番に送られる接続口
参考:シリアルインタフェースとパラレルインタフェース!どっちが速い?

「PCI-Express」以前の規格として「PCI」「AGP」がありますが、グラフィックボードの要求する性能に転送速度が追い付かないため現在はほぼ使用されません。

PEG:「PCI Expressスロット」に取り付けたグラフィックボード
YouTube:Ryzen 7 7800X3Dを7950X3Dなどと性能で比較!:ジサトラKTU 283
参考:「Advanced」メニュー

PCI:「PCIスロット」に取り付けたグラフィックボード
参考:PCI スロットと PCI-Express スロットについて
参考:PCIボード(拡張ボード)の違いと選び方

「PCI-Express」の世代の変遷

現在主流の規格である「PCI-Express」は、世代が変わるごとに進歩してきました。
参考:PCI Express

「PCI-Express」の世代の変遷

PCI-Express 1.0/2002年
実用には問題点がありました。

PCI-Express 1.1(Gen1)/2005年
※Gen1(ジェネレーション1=第1世代)
以降PCI-Expressはパソコンパーツなどの接続規格の主流となっていきます。
1レーンあたりの実効データ転送速度:
片方向:約0.25GB/s
双方向:約0.5GB/s

PCI-Express 2.0(Gen2)/2007年
※Gen2(ジェネレーション2=第2世代)
1レーンあたりの実効データ転送速度:
片方向:約0.5GB/s
双方向:約1GB/s

PCI-Express 3.0(Gen3)/2010年
※Gen3(ジェネレーション3=第3世代)
1レーンあたりの実効データ転送速度:
片方向:約1GB/s
双方向:約2GB/s

PCI-Express 4.0(Gen4)/2017年
※Gen4(ジェネレーション4=第4世代)
1レーンあたりの実効データ転送速度:
片方向:約2GB/s
双方向:約4GB/s

PCI-Express 5.0(Gen5)/2019年
※Gen5(ジェネレーション5=第5世代)
1レーンあたりの実効データ転送速度:
片方向:約4GB/s
双方向:約8GB/s

PCI express 6.0(Gen6)/2022年
※Gen6(ジェネレーション6=第6世代)
1レーンあたりの実効データ転送速度:
片方向:約8GB/s
双方向:約16GB/s

「レーン(上りと下りとの信号を1セットにしたもの)」と「スロット(「PCI Express」を挿す場所)」

「PCI Express」はレーン(伝送路)を複数束ねていく構成になっています。上りと下りとの信号を1セットにしたのが1レーンです。
レーン数が多いほど「PCI Express」は長くなり、高速転送できます。

参考:PCI-Express(PCIe)とは
参考:PCI Express 規格(拡張スロット編)
参考:PCI Express x16

  • 1レーンのスロット・・・「PCI Express × 1」
  • 4レーンのスロット・・・「PCI Express × 4」
  • 8レーンのスロット・・・「PCI Express × 8」
  • 16レーンのスロット・・・「PCI Express × 16」

※注意点
「×16スロットの見た目」で、内部的には「×8」「×4」といったスロットも存在しています。「× 16」のグラフィックボードを挿しても性能を発揮しません。
「PCI-Express」のスロットごとのレーン数はマザーボードの説明書で確認が必要です。

スロット数(「PCI Express」を挿す場所の数):グラフィックボードの厚みに相当する
グラフィックボードの厚みによって、パソコンの拡張スロット(PCI Express)をいくつ分使用しているかを意味します。
ハイエンドモデルのグラフィックボードなら3スロット分を使用します。
グラフィックボードを購入する前に、パソコンのPCI-Expressスロットの空きを確認してください。

参考:グラフィックボードの取り付け&交換方法と注意点!

ロープロファイル(Low Profile)対応のグラフィックボード:PCIを小型にした規格の、スリムなグラフィックボード

グラフィックスボードは性能向上を目指して大型化しています。ですがPCケースの制約から小型のグラフィックボードを求める人もいます。
「ロー・プロファイル」のグラフィックボードならば、「フルサイズ」「ハーフ・ショートサイズ」のグラフィックボードよりもコンパクトで、ブラケット(取り付けるための金属部分)が短いです。よって小型PCに搭載できます。

ロー・プロファイル(Low Profile)版のグラフィックボードは、標準型よりも高さが半分ほどで基板面積が小さいため、ローエンドタイプ(性能が低め)の製品しかありません。
スリム型のPCで搭載することが多く、スリム型PC自体も基本的にはローエンド機(性能が低め)です。

参考:Low Profile(ロープロファイル) PCI とは?
参考:ロー・プロファイル対応のグラフィックカードとは
参考:拡張バス、PCI/PCI-X/PCI Express規格のスロットとカード

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