CPUとは?PCパーツのCPU選びで失敗しない方法とおすすめを初心者向けに徹底解説

CPUとは?PCパーツのCPU選びで失敗しない方法とおすすめを初心者向けに徹底解説

CPUはプログラムの処理速度に関わるパーツであるため、パソコンの作業効率を左右します。CPUの表記やスペックの意味を理解することで、3DCG制作に最適な製品を選べるようになります。
またCPUを購入の際は、マザーボード、メモリとの相性も考慮してください。

CPUを選ぶ際に見るべきポイントは大きく4つです。

  1. ビット数(前提:64-bit CPU)
  2. 動作周波数=定格クロック(優先度:高)
  3. コア数(優先度:中)
  4. キャッシュメモリ(優先度:低)

3DCG制作者向けのパソコンCPU以外のパソコンパーツについては、以下の記事をご覧ください。

CPU:制御・演算を行う=データ処理速度に影響する(パソコンの性能を決定づける)

CPUには、デスクトップモデル(デスクトップパソコン向け)とモバイルモデル(ノートパソコン向け)があります。3DCGを行う場合、基本的にデスクトップパソコンを使用することが多いです。

ここでは、デスクトップモデル(デスクトップパソコン向け)のCPUを主に解説します。Cinema 4Dユーザーの場合、基本的には以下2つのメーカー(ブランド)から選択することになります。

CPUは発売時期によっては大きな性能差があるため、各用語について理解したうえで、それぞれの製品を比較検討してから購入しましょう。

CPUは頭脳(CPUの性能が高いほどデータ処理速度が速い)

Central Processing Unit:中央演算処理装置

CPUは、人間でいうところの「頭脳」にあたります。
マウス、キーボード、ハードディスク、メモリー、周辺機器などからデータを受け取り、CPUが制御・演算を行います。
CPUはいわば頭の回転の速さのことで、CPUの性能が高いほどデータ処理速度が速いです。

基本的には、CPUの性能によってパソコン自体の性能の良し悪しが決まると思ってください。
パソコン内部にある基盤(マザーボード)にCPUをセットする場所があります。

CPUは2種類から選択(Intel・AMD)

CPUを製造しているメーカーといえば、Intel(インテル)AMD(エーエムディー)とがあります。ともにアメリカの会社です。

両社は1980年代から激しい競争を繰り広げてきました。一時期、ほぼIntelの独占市場となりましたが、AMDが持ち直しています。3DCG制作者は、どちらのメーカーの製品を選んでも正解です。

注意:CPUの搭載には制限がある(CPUに対応したマザーボードでなければ動作しない)

CPUを購入しても、マザーボードがそのCPUに対応していなければ動作しません。
ソケット、電源回路、チップセット、BIOSのすべてが対応している必要があります。
自分で判断することは難しいため、マザーボードメーカーがWebサイトで公開しているCPU対応表を確認しましょう。

CPUの表記の意味(ブランド、グレード、世代、シリーズ、型番、規格)

Intel(Core)AMD(Ryzen)とでは、CPUの表記が異なります。それぞれのメーカーごとに表記のルールがあります。ルールを知れば、CPUの製品名を見ただけである程度性能が理解できるようになります。

Intel(Core)のCPU表記

Intel Core i9-13900Kの例

グレードとは:
「i」の後ろの数値が大きいほど性能が高いです。

世代とは:
上記の場合だと13世代となります。数値が大きいほど性能が高いです。

型番とは:
数値が大きいほど性能が高いです。

規格とは:
末尾のアルファベットをサフィックスと呼びます。各アルファベットには意味があるため、下記の表をご参照ください。

規格の意味(Intel製のCPU)
Intel製のCPUには、デスクトップモデル(デスクトップパソコン向け)とモバイルモデル(ノートパソコン向け)があります。
3DCG制作をやる場合、一般的にデスクトップパソコンの使用が多いため、デスクトップモデルの規格(サフィックス)のみご紹介します。

Intelの規格
(サフィックス)
意味
記載なし
(無印)
基準となる製品です。
Kオーバークロックできる製品です。
オーバークロック:定格の最高を上回る周波数で駆動させることです。例えば、定格で2.5GHzのCPUを3.0GHzで駆動させます。CPUには、一定の負荷がかかります。オーバークロックにはマザーボード側の対応が必要です。
FCPU内蔵グラフィックスを搭載していないため、別途グラフィックカードの購入が必要な製品です。
KFKとFを組み合わせた内容です。オーバークロック可能かつCPU内蔵グラフィックスが非搭載な製品です。
Xクリエイター向けのCore Xシリーズです。コア数が多く高性能です。
XEクリエイター向けのCore Xシリーズ最上位です。コア数が多く高性能です。
S通常よりも消費電力が低くなっており、その分性能が抑えられています。
TSよりも省電力機能を強化した製品です。
KSKとSを組み合わせた内容です。オーバークロック可能かつ通常より省電力となった製品です。

AMD(Ryzen)のCPU表記

Ryzen 9 7950Xの例

グレードとは:
数値が大きいほど性能が高いです。

シリーズとは:
数値が大きいほど性能が高いです。

型番とは:
数値が大きいほど性能が高いです。

規格とは:
末尾のアルファベットをサフィックスと呼びます。各アルファベットには意味があるため、下記の表をご参照ください。

規格の意味(Ryzen製のCPU)
Ryzen製のCPUには、デスクトップモデル(デスクトップパソコン向け)とモバイルモデル(ノートパソコン向け)があります。
3DCG制作をやる場合、一般的にデスクトップパソコンの使用が多いため、デスクトップモデルの規格(サフィックス)のみご紹介します。

AMDの規格
(サフィックス)
意味
記載なし(無印)基準となる製品です。
GCPU内蔵のグラフィックスを搭載している製品です。
Xベースクロックが、通常より高く設定された製品です。
XTブーストクロックが、Xより高く設定された製品です。

CPUのスペックを見るときの用語(コア数、スレッド数、動作周波数、キャッシュメモリ)

CPUを選ぶときのチェックポイントは以下の通りです。

  • コア数:実際にデータを処理する部分の数
  • スレッド数:1コアあたり1スレッドを処理
  • 動作(クロック)周波数:1秒間におけるクロック(周期的な電気信号)の発生回数
  • キャッシュメモリ:一時的なデータの置き場のことで、参照時間を短縮する
  • TDP:最大消費電力の目安(CPUにかかる負荷に応じて消費電力は変化)

コア数:実際にデータを処理する部分の数

コアは、実際にデータを処理している部分です。
以前のCPUは1コアでしたが、現在のCPUはマルチコア(複数のコアを束ねた状態)が一般的で、より性能を高めています。

作業する人員(頭脳)を増やすようなイメージ(1人より2人、2人より4人、4人より6人で作業したほうが効率的)です。

基本的には、コア数が多いほど処理能力が上がるため、作業時間が短縮します。
※コア数が多いほどスレッド数も多いため、複数のアプリケーションを同時起動した際の処理性能が高くなります。

以下は、コア数ごとの呼び方です。

  • 2:デュアルコア
  • 4:クアッドコア
  • 6:ヘキサコア
  • 8:オクタコア

スレッド数:1コアあたり1スレッドを処理

スレッドとは、CPUの1コアが処理できる最小単位の仕事のことです。

頭脳であるコアが1度にできる処理は1つだけで、並行処理はできません。
1コアあたり1スレッドを処理できるため、通常はコア数が2ならスレッド数も2となります。
アプリケーションを複数起動する場合は、マルチコア、マルチスレッドが有効です。

ですが、マルチスレッドに対応していないアプリケーションもあります。
マルチスレッドに対応していないアプリケーションを使用する場合は、コア数やスレッド数の多さよりも、コア自体の動作周波数を重視したほうが処理速度の向上が見込めます。

同時マルチスレッディング(ハイパースレッディング・テクノロジー)
同時マルチスレッディングは、コアが通常ならば休んでいた時間にも稼働させる技術です。
原則、1コアあたりの処理能力は、1スレッド(1つの仕事)です。
ですが同時マルチスレッディングを使えば、1つのコアに複数のスレッド(仕事)を並行で処理させられます。

同時マルチスレッディングの例)
・8コア(シングルスレッド):8スレッド

・8コア(マルチスレッド) :16スレッド

OSに対して疑似的にコアが2つあるように見せているだけなので、コアの処理性能が2倍になるわけではありません。

物理的なコア数が多い方が早い

以下の例だと、物理的なコア数が多い16コア16スレッドの方が、8コア16スレッドよりも多くの場合で処理が速いです。
・8コア(マルチスレッド):16スレッド
・16コア(シングルスレッド):16スレッド
 ←こっちの方が速い

同時マルチスレッディング機能に対応しているCPUは、スレッド数の表記がコア数の2倍で記載されます。

・Intel製CPUでは以下の表記です。
Hyper Threading Technology(HTT:ハイパースレッディング・テクノロジー)

・AMD製CPUでは以下の表記です。
Simultaneous Multi Threading(SMT:同時マルチスレッディング)

動作(クロック)周波数:1秒間におけるクロック(周期的な電気信号)の発生回数

動作周波数とは、クロック(周期的な電気信号)が1秒間に何回発生するかを表したものです。
※CPUは、演算をクロックごとに行います。

動作周波数の多い方が処理能力が高い=高性能

・動作周波数3HzのCPU:1秒間にクロックが3回
・動作周波数6HzのCPU:1秒間にクロックが6回

→動作周波数6HzのCPUの方がより多くの処理ができるため、高性能と言える。

単位は「Hz(ヘルツ)」です。
最近のCPUのクロック周波数は、数百MHzから数GHzが多くなっています。

  • 1Hz        :クロック信号を毎秒1回発振する
  • 1kHz(キロヘルツ):クロック信号を毎秒1千回発振する
  • 1MHz(メガヘルツ):クロック信号を毎秒100万回発振する
  • 1GHz(ギガヘルツ):クロック信号を毎秒10億回発振する
クロックとは:周期的な電気信号
複数の電子回路が信号を送受信するタイミングをそろえるために、規則正しく刻まれる周期的な電気信号です。
CPUを含めたコンピュータの各装置は、クロックに合わせて動作します。
1周期(1クロック)にかかる時間が短いほど多くの処理ができます。
定格クロックとは:CPUに定められた基本のクロック
CPUのメーカーが安定して動作すると保証する基本のクロックです。CPUの寿命は短縮しません。
一般的に動作周波数(クロック周波数)という場合、定格クロックを指します。

CPUが定格クロックを超えて動作した場合のリスクは以下の通りです。
  • CPUの温度が上がるため動作が不安定になる
  • CPUの寿命が短くなる
  • 消費電力が上がる

動作周波数(クロック周波数)が自動で変化

近年においては、CPUの作業負荷や温度に応じて動作周波数を変化させるものが主流です。
周波数変化タイミングは以下のようになっています。

作業負荷が低いとき
周波数を下げて省電力化します。
CPUの作業負荷が低い時の動作周波数を「標準動作周波数」と呼びます。

作業負荷が高いとき
周波数を上げて処理時間を短縮します。
CPUの作業負荷が高い時の動作周波数を「最大動作周波数ブーストクロックターボブースト)」と呼びます。
ただし温度などの要因により、長時間安定してこの周波数が維持されるわけではありません。

CPU温度が高いとき
周波数を下げて回路を保護します。

オーバークロックとは:BIOS画面で動作周波数を高めに設定し、処理速度を上げること
定格クロックを上回る周波数でCPUを動作させ、任意に処理能力を高めることです。
例えば、定格クロックで3.00GHzのCPUを3.50GHzで動作するよう意図的に設定して使用します。
注意点として、CPUをオーバークロックするとメーカーの保証対象外となります。オーバークロックは、自己責任での実施となることを覚えておきましょう。

オーバークロックは、基本的にBIOSの画面で設定します。
BIOSの画面を表示する方法はマザーボードのメーカーによって違いますが、基本的にはパソコンの電源を入れたあとに「F2」キーか「Delete」キーを連打します。

BIOSの画面を出す方法(パソコンの電源を入れたあとの操作)は、基本的に以下の通りです。

「F2」キーを連打する主なマザーボードメーカー
・ASROCK
・Intel

「Delete」キーを連打する主なマザーボードメーカー
・ASUS
・BIOSTAR
・GIGABYTE
・MSI

キャッシュメモリ:一時的なデータの置き場のことで、参照時間を短縮する

CPUが連携しているメモリには以下の2つがあります

キャッシュメモリとは:CPUの機能、早くて小さい
・参照時間短い(CPUにデータを早く渡せる)
 =利用頻度が高いデータを一時保存
・CPUがメインメモリに読み書きする時間を短縮できる
・記憶容量が小さい

メインメモリ(主記憶装置)とは:メモリの機能、遅くて大きい
・参照時間長い(CPUにデータを早く渡せない)
 =利用頻度が低いデータを保存
・記憶容量が大きい
・CPUはメインメモリに読み書き行う(Microsoft Wordに文章を打ち込む、など)
・保存せずに電源を切ると、読み書きしたデータは消える(電源を切る前に保存すると、補助記憶装置に保存される)

補助記憶装置とは:ハードディスクの機能、最も遅くて最も大きい
・メインメモリ(主記憶装置)と連携している
 CPU⇔メインメモリ⇔補助記憶装置
・参照時間が非常に長い(メインメモリを経由してCPUにデータを渡すため遅い)
・記憶容量が非常に大きい

CPUは基本的にメインメモリ上にあるデータに対して読み書きを行います。ですがよく使うデータをメインメモリまで読み書きしに行く場合、参照に時間がかるため非効率です。
よく使うデータの場合、参照時間が短くて済む近場のキャッシュメモリへ一時的にデータ保存したほうが効率的です。

キャッシュメモリのポイントは以下の通りです。

  • キャッシュメモリのサイズが大きいほどデータを多く一時保存できる
  • 高性能なCPUを選択すると、キャッシュサイズも大きくなる
  • アプリケーション側がキャッシュを効率的に使用できるかが重要
キャッシュメモリの呼び方(L1・L2・L3・LLC)
キャッシュメモリは複数存在します。CPUから近い位置(参照時間が短い位置)にあるキャッシュメモリからL1(レベル1)L2(レベル2)L3(レベル3)と呼びます。
レベルがあがるほどCPUから遠くに位置し、またキャッシュサイズは大きくなります。また最も遠い位置にあるキャッシュの事をLLC(Last Level Cache)と記載する場合があります。
CPUのスペックでは、LLC(多くはL3)のサイズをキャッシュサイズとして表記することが多いです。

CPUは、近い方(レベルが低い方)からデータが無いかを確認します。
L1:データ無い → L2:データ無い → L3・LLC:データあった
キャッシュメモリL1L2L3・LLC
速さ高速中速低速
容量小さい中間大きい
キャッシュメモリにおける各レベル(L1、L2、L3・LLC)の特徴

キャッシュメモリにデータが無ければ、CPUはメインメモリ(主記憶装置)を確認します。
L1:データ無い → L2:データ無い → L3・LLC:データ無い → メインメモリ:データあった

メインメモリ(主記憶装置)から読み込んだデータは、キャッシュメモリに保存されるため、同じデータや命令を読み込むときは、高速なキャッシュメモリから取得します。

TDP:最大消費電力の目安(CPUにかかる負荷に応じて消費電力は変化)

TDP(Thermal Design Power:熱設計電力):最大消費電力の目安
最大発熱量を表します。CPUで消費された電力の多く(全てではない)は熱に変わるため、最大消費電力の目安となります。
ですがCPUは常に最大消費電力で動作しているわけではなく、CPUにかかる負荷に応じて消費電力が変わります。例えば3DCG制作や動画編集、PCゲームなどCPUに高い負荷がかかる使い方をすると平均消費電力は大きくなり、WebブラウジングなどCPUに低い負荷がかかる使い方をすると平均消費電力は小さくなります。

Cinema 4D(3DCG制作ソフト)におすすめのCPU、推奨される動作環境

Cinema 4Dなどの3DCG制作ソフトを快適に動作するためには、一定の性能を持ったCPUが必要です。
まずは各3DCG制作ソフトのメーカーが推奨する動作環境を確認しましょう。ですが動作環境を最低限に満たしても快適に作業できないため、予算が許す限りスペックを積むべきです。CPUはパソコンの頭脳であり、パソコンパーツの中で最もお金をかけるべきパーツです。

CPUを選ぶ際は、発売時期に気を付けてください。多く場合、最近発売されたCPUの方が、以前に発売されたCPUよりも性能は上です。CPU選びのポイントは「グレード(Intel・AMD)」より「世代(Intel)」「シリーズ(AMD)」に注目することです。

IntelのCPU
新:Intel Core i5-13600K(13世代)←こっちの方が処理が速い
古:Intel Core i7-12700K(12世代)

AMDのCPU
新:Ryzen 5 7600X(シリーズ7)←こっちの方が処理が速い
古:Ryzen 7 5800X(シリーズ5)

Cinema 4Dの場合、快適な作業を確保するためにも以下のスペックを満たすCPUをご購入下さい。

  • ビット数:Intel 64-bit CPU もしくは AMD 64-bit CPU
  • 動作周波数(定格クロック):基本は2.50Ghz以上、理想は3.00Ghz以上
  • コア数:基本は6コア以上、理想は8コア以上

Maxonが推奨するCinema 4Dの動作環境(64-bit CPU)

「CINEMA 4D 2023」の場合、使用するCPUは以下が推奨されています。
Windows:AVXがサポートされたIntel 64-bit CPU もしくは AMD 64-bit CPU
macOS:AVXがサポートされたIntelベースの Apple Macintoshもしくは Apple M1/M2パワーの Mac
参考:動作環境

AVX(Intel Advanced Vector Extensions)とは:小数点の計算を速くする機能
「AVX」とは小数点の計算を速くする機能(小数点の処理に特化した拡張命令)です。
Intel製・AMD製の最近発売されたCPUは、基本的に全て「AVX」を実装しています。「AVX」は、主に3DCGなどのグラフィック系アプリケーションで効果を発揮します。Cinema 4Dは「AVX」に対応したアプリケーションです。
参考:インテル® インストラクション・セット・エクステンションズ・® テクノロジー
参考:AVX2 または AVX-512 を搭載したプロセッサーは、AVX 命令をサポートしていますか?

CPUのビット(bit)数とは:一度に扱えるデータ容量
ビット数とは、一度に扱えるデータ容量のことです。ビット数によって、何桁の2進数(0と1とで全ての数を表す)を処理できるか決まります。
CPUには主に32bitと64bitとがあります。

  • 32bitの場合:32桁の2進数を扱える
  • 64bitの場合:64桁の2進数を扱える

CPUのビット数が大きいほど扱えるデータ容量が増えて、処理速度も上がります。
以前のCPUは32bitでしたが、現在のCPUは一般的に64bitです。Cinema 4Dは64bitのアプリケーションです。Cinema 4Dを利用する場合、64bitのCPU(Intel・AMD)を購入してください。

ビット(bit):コンピューターが扱うデータの最小単位
binary digit(バイナリーディジェット)の略でコンピューターが扱うデータの最小単位。日本語では「2進数」と同意義です。

現在PCに搭載しているCPUのビット数を確認する方法(Windows10)
スタート/設定/システム/詳細情報/システムの種類
x64ベースプロセッサなら64bit版のCPU
x86ベースプロセッサなら32bit版のCPU

CPU選びのポイント:「グレード(Intel・AMD)」より「世代(Intel)」「シリーズ(AMD)」に注目

Intel Core i9-13900Kの例

Ryzen 9 7950Xの例

グレードが上だからと言って、常に下のグレードより処理が速いわけではありません。世代(Intel)、シリーズ(AMD)を考慮に入れると下のグレードの方が上のグレードより処理が速くなることもあります。

  • Intel製CPUの例
    最新の「Core i5」の方が、以前に発売された「Core i7」より処理が速い
  • AMD製CPUの例
    最新の「Ryzen 5」の方が、以前に発売された「Ryzen 7」より処理が速い

世代で処理速度を比較する場合、一般的にPassMark(処理速度などCPUの総合点=性能をスコアにした最も有名な指標)を参考にします。
PassMarkの数値が大きいほど高性能で、高価格です。
参考:PassMark – CPU Mark

Intel製のCPUの名称PassMark(CPUの性能)の順位PassMark
Intel Core i5-13600K(13世代)1位38,420
Intel Core i7-12700K(12世代)2位34,720
Intel Core i9-11900K(11世代)3位25,556
Intelの場合、世代が新しい(iXの後ろの数値)ほどPassMarkの数値は大きくなる(=高性能)傾向にあります。
AMD製のCPUの名称PassMark(CPUの性能)の順位PassMark
Ryzen 9 3900(シリーズ3)1位30,657
Ryzen 5 7600X(シリーズ7)2位28,710
Ryzen 7 5800X(シリーズ5)3位28,111
AMDの場合、シリーズが新しい(Ryzen Xの後ろの数値)ほどPassMarkの数値は大きくなる(=高性能)傾向にあります。Ryzen 9は基本的にどのシリーズでも高性能です。

3DCG制作ソフトにおすすめのCPU(デスクトップPC用)「定格クロック(動作周波数)」「コア数」

Cinema 4Dなどの3DCG制作ソフトを利用するにあたり重要なのは、定格クロック(動作周波数)コア数です。

定格クロック(動作周波数):クロック(周期的な電気信号)が1秒間に何回発生するかを表したもの
・動作周波数の多い方が処理能力が高く、処理が高速
・3DCG制作ソフトを利用する場合、基本は2.50Ghz以上、理想は3.00Ghz以上

コア数:コアは実際にデータを処理している部分で、コア数は作業する人員(頭脳)の数
・コア数が多いほど処理能力が高く、処理が高速
・3DCG制作ソフトを利用する場合、基本は6コア以上、理想は8コア以上

「コア数」よりも「定格クロック(動作周波数)」が優先

購入の際、複数のCPUで迷った場合は「コア数」よりも「定格クロック(動作周波数)」を基本的には優先してください。理由は、3DCG制作ソフトを利用している最中、全てのコアが常に動作しているわけではないからです。1つずつのコアの性能(動作周波数)を重視することで、処理速度が上がります。

基本のCPU「PassMarkが2万以上」(3DCG制作ソフト向け-デスクトップPC用)

Cinema 4Dなどの3DCG制作ソフトを利用する場合、PassMarkの数値が目安として約2万以上のCPUであることが望ましいです。
参考:PassMark – CPU Mark

PassMarkが2万以上となるCPUの条件(目安)

  • 定格クロック(動作周波数):2.50Ghz以上
  • コア数:6コア以上

▼Intelの場合

  • 「Core i5」の12世代(Intel Core i5-12000番台
  • 「Core i7」の11世代(Intel Core i7-11000番台
  • 「Core i9」の10・11世代(Intel Core i9-10000・11000番台

▼AMDの場合

  • 「Ryzen 5」のシリーズ5(Ryzen 5 5000番台
     ※シリーズ4、6はノートPCのみ
  • 「Ryzen 7」のシリーズ5(Ryzen 7 5000番台
     ※シリーズ4、6はノートPCのみ

理想のCPU「PassMarkが3万以上」(3DCG制作ソフト向け-デスクトップPC用)

Cinema 4Dなどの3DCG制作ソフトを利用する場合、PassMarkの数値が目安として約3万以上のCPUであることが理想です。
参考:PassMark – CPU Mark

PassMarkが3万以上となるCPUの条件(目安)

  • 定格クロック(動作周波数):3.00Ghz以上
  • コア数:8コア以上

▼Intelの場合

  • 「Core i5」の13世代(Intel Core i5-13000番台
  • 「Core i7」の12・13世代(Intel Core i7-12000・13000番台
  • 「Core i9」の12・13世代(Intel Core i9-12000・13000番台

▼AMDの場合

  • 「Ryzen 5」のシリーズ7(Ryzen 5 7000番台
  • 「Ryzen 7」のシリーズ7(Ryzen 7 7000番台
  • 「Ryzen 9」のシリーズ3・5・7(Ryzen 9 3000・5000・7000番台
     ※シリーズ4、6はノートPCのみ

IntelのCPU性能比較「Core i5 / i7 / i9」(3DCG制作ソフト向き-デスクトップ用)

Intelの規格
(サフィックス)
意味
記載なし
(無印)
基準となる製品です。
Kオーバークロックできる製品です。
オーバークロック:定格の最高を上回る周波数で駆動させることです。例えば、定格で2.5GHzのCPUを3.0GHzで駆動させます。CPUには、一定の負荷がかかります。オーバークロックにはマザーボード側の対応が必要です。
FCPU内蔵グラフィックスを搭載していないため、別途グラフィックカードの購入が必要な製品です。
KFKとFを組み合わせた内容です。オーバークロック可能かつCPU内蔵グラフィックスが非搭載な製品です。
Xクリエイター向けのCore Xシリーズです。コア数が多く高性能です。
XEクリエイター向けのCore Xシリーズ最上位です。コア数が多く高性能です。
S通常よりも消費電力が低くなっており、その分性能が抑えられています。
TSよりも省電力機能を強化した製品です。
KSKとSを組み合わせた内容です。オーバークロック可能かつ通常より省電力となった製品です。

購入前の確認作業

  1. 表をスクロールして、公式サイトでスペックを確認(メモリとの相性など)
  2. 各CPUの名称をクリックして、Amazonで購入者のレビューを確認

Intel Core i9(13・12・11・10世代)のCPU比較表

CPUの名称PassMark
:性能目安
コア数
(スレッド数)
定格クロック
(最大クロック)
TDP
:消費電力目安
キャッシュ公式サイト
▼13世代
Core i9-13900KF60,13524
(32)
3.00GHz
(5.80GHz)
125WL3:36MB確認
Core i9-13900K59,66324
(32)
3.00GHz
(5.80GHz)
125WL3:36MB確認
▼12世代
Core i9-12900KS44,61316
(24)
3.40GHz
(5.50GHz)
150WL3:30MB確認
Core i9-12900K41,55916
(24)
3.20GHz
(5.20GHz)
125WL3:30MB確認
Core i9-12900KF41,52516
(24)
3.20GHz
(5.20GHz)
125WL3:30MB確認
Core i9-12900F37,04316
(24)
2.40GHz
(5.10GHz)
65WL3:30MB確認
Core i9-1290035,26616
(24)
2.40GHz
(5.10GHz)
65WL3:30MB確認
▼11世代
Core i9-11900K25,5578
(16)
3.50GHz
(5.30GHz)
125WL3:16MB確認
Core i9-11900KF25,3708
(16)
3.50GHz
(5.30GHz)
125WL3:16MB確認
Core i9-11900F23,0388
(16)
2.50GHz
(5.20GHz)
65WL3:16MB確認
Core i9-1190022,9968
(16)
2.50GHz
(5.20GHz)
65WL3:16MB確認
▼10世代
Core i9-10980XE33,09018
(36)
3.00GHz
(4.60GHz)
165WL3:24.75MB確認
Core i9-10940X28,24314
(28)
3.30GHz
(4.60GHz)
165WL3:19.25MB確認
Core i9-10920X26,42912
(24)
3.50GHz
(4.60GHz)
165WL3:19.25MB確認
Core i9-10900K23,45610
(20)
3.70GHz
(5.30GHz)
125WL3:20MB確認
Core i9-10900X22,61810
(20)
3.70GHz
(4.50GHz)
165WL3:20MB確認

Intel Core i7(13・12・11世代)のCPU比較表

CPUの名称PassMark
:性能目安
コア数
(スレッド数)
定格クロック
(最大クロック)
TDP
:消費電力目安
キャッシュ公式サイト
▼13世代
Core i7-13700K47,21616
(24)
3.40GHz
(5.40GHz)
125WL3:30MB確認
Core i7-13700KF47,14816
(24)
3.40GHz
(5.40GHz)
125WL3:30MB確認
▼12世代
Core i7-12700K34,71612
(20)
3.60GHz
(5.00GHz)
125WL3:25MB確認
Core i7-12700KF34,53212
(20)
3.60GHz
(5.00GHz)
125WL3:25MB確認
Core i7-1270031,14112
(20)
2.10GHz
(4.90GHz)
65WL3:25MB確認
▼11世代
Core i7-11700K24,6638
(16)
3.60GHz
(5.00GHz)
125WL3:16MB確認
Core i7-11700KF24,1068
(16)
3.60GHz
(5.00GHz)
125WL3:16MB確認
Core i7-11700F21,1908
(16)
2.50GHz
(4.90GHz)
65WL3:16MB確認
Core i7-1170019,9698
(16)
2.50GHz
(4.90GHz)
65WL3:16MB確認

Intel Core i5(13・12世代)のCPU比較表

CPUの名称PassMark
:性能目安
コア数
(スレッド数)
定格クロック
(最大クロック)
TDP
:消費電力目安
キャッシュ公式サイト
▼13世代
Core i5-13600K38,42214
(20)
3.50GHz
(5.10GHz)
125WL3:24MB確認
Core i5-13600KF38,09914
(20)
3.50GHz
(5.10GHz)
125WL3:24MB確認
▼12世代
Core i5-12600K27,77110
(16)
3.70GHz
(4.90GHz)
125WL3:20MB確認
Core i5-12600KF27,46710
(16)
3.70GHz
(4.90GHz)
125WL3:20MB確認
Core i5-1260021,3536
(12)
3.30GHz
(4.80GHz)
65WL3:18MB確認
Core i5-1250020,3496
(12)
3.00GHz
(4.60GHz)
65WL3:18MB確認
Core i5-12400F19,7506
(12)
2.50GHz
(4.40GHz)
65WL3:18MB確認
Core i5-1240019,5566
(12)
2.50GHz
(4.40GHz)
65WL3:18MB確認

AMDのCPU性能比較「Ryzen 5 / 7 / 9」(3DCG制作ソフト向き-デスクトップ用)

AMDの規格
(サフィックス)
意味
記載なし(無印)基準となる製品です。
GCPU内蔵のグラフィックスを搭載している製品です。
Xベースクロックが、通常より高く設定された製品です。
XTブーストクロックが、Xより高く設定された製品です。

購入前の確認作業

  1. 表をスクロールして、公式サイトでスペックを確認(メモリとの相性など)
  2. 各CPUの名称をクリックして、Amazonで購入者のレビューを確認

AMD Ryzen 9(シリーズ7・5・3)のCPU比較表

CPUの名称PassMark
:性能目安
コア数
(スレッド数)
定格クロック
(最大クロック)
TDP
:消費電力目安
キャッシュ公式サイト
▼シリーズ7
Ryzen 9 7950X63,49016
(32)
4.50GHz
(5.70GHz)
170WL3:64MB確認
Ryzen 9 7900X52,03612
(24)
4.70GHz
(5.60GHz)
170WL3:64MB確認
▼シリーズ5
Ryzen 9 5950X45,85116
(32)
3.40GHz
(4.90GHz)
105WL3:64MB確認
Ryzen 9 5900X39,28812
(24)
3.70GHz
(4.80GHz)
105WL3:64MB確認
▼シリーズ3
Ryzen 9 3950X39,03316
(32)
3.50GHz
(4.70GHz)
105WL3:64MB確認
Ryzen 9 3900X32,74712
(24)
3.80GHz
(4.60GHz)
105WL3:64MB確認

AMD Ryzen 7(シリーズ7・5)のCPU比較表

CPUの名称PassMark
:性能目安
コア数
(スレッド数)
定格クロック
(最大クロック)
TDP
:消費電力目安
キャッシュ公式サイト
▼シリーズ7
Ryzen 7 7700X36,5068
(16)
4.50GHz
(5.40GHz)
105WL3:32MB確認
▼シリーズ5
Ryzen 7 5800X3D27,7588
(16)
3.40GHz
(4.50Ghz)
105WL3:96MB確認
Ryzen 7 5800X28,1098
(16)
3.80GHz
(4.70Ghz)
105WL3:32MB確認
Ryzen 7 5700X26,7038
(16)
3.40GHz
(4.60Ghz)
65WL3:32MB確認
Ryzen 7 5700G24,5958
(16)
3.80GHz
(4.60Ghz)
65WL3:16MB確認

AMD Ryzen 5(シリーズ7・5)のCPU比較表

CPUの名称PassMark
:性能目安
コア数
(スレッド数)
定格クロック
(最大クロック)
TDP
:消費電力目安
キャッシュ公式サイト
▼シリーズ7
Ryzen 5 7600X28,7136
(12)
4.70GHz
(5.30GHz)
105WL3:32MB確認
▼シリーズ5
Ryzen 5 5600X21,9466
(12)
3.70GHz
(4.60GHz)
65WL3:32MB確認
Ryzen 5 560021,5556
(12)
3.50GHz
(4.40GHz)
65WL3:32MB確認
Ryzen 5 5600G19,8556
(12)
3.90GHz
(4.40GHz)
65WL3:16MB確認
Ryzen 5 550019,4836
(12)
3.60GHz
(4.20GHz)
65WL3:16MB確認

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