3DCG制作ソフト(Cinema 4Dなど)を快適に動作するには、各ソフトが推奨する以上のスペックを備えたパソコンが必要です。
一般的にクリエイター向けのデスクトップパソコンは「BTOパソコン」か「自作パソコン」で用意します。
「BTOパソコン」でも、自分の用途に合ったPCパーツで構成するのが望ましいです。とはいえ、自分に合うPCを選ぶのが難しい、面倒という場合には、以下のBTOパソコンがおすすめです。
3DCG制作者(特にCinema 4Dユーザー)におすすめのBTOパソコン
↓:初心者向け(ローポリゴン・簡単なアニメーション:軽い作業)
↓:中級者以上(ハイポリゴン・複雑なアニメーション:重い作業)
↓:上級者向け(フォトリアル・VFX:非常に重い作業)
Amazonのセールを、一応チェック
「自作パソコン」VS「BTOパソコン」メリットとデメリット
3DCG制作ソフトを利用する場合、パソコンには一定のスペックが求められます。
YouTube:【初心者向け】自作PC VS BTO!それぞれのメリットデメリットを徹底解説! «Aile ch.»
自作パソコン(安い)・BTOパソコン(高コスパ)・家電量販店のパソコン(即利用可能)を比較
3DCG制作ソフトを利用する場合は、自作パソコンかBTOパソコンを選んでください。家電量販店でパソコンを購入すると、コストパフォーマンスが悪いです。
YouTube:【自作 vs BTO】初心者はどっちでゲーミングPCを買うべきか!?メリットデメリットを徹底比較したおすすめはこれだ!
YouTube:自作PCとBTO、どっちを選ぶ?自作PCの特徴とBTOの特徴を比べて、どっちが君に適しているのか解説するぞ!実際に構成を比べて、価格の比較もしてみよう!
- 自作パソコンとは:自分でパーツを集めて組み立てたパソコン
- 必要なパーツをAmazonなどで購入し、自分で組み立てたパソコンのことです。OSやドライバのインストール、動作確認も自分で行います。
各パーツを選定するための知識がなければ、パーツ同士の相性問題で起動しなかったり本来の性能が発揮されません。
パソコンを組み立てる際はドライバーなどの工具が必要です。
- BTO(Build to Order)パソコンとは:パソコンの組み立て代行
- 受注してから組み立てられたパソコンのことです。
購入者はBTOパソコンメーカーのWebサイトで一定の選択肢からパーツを選び、購入手続きをします。メーカーは受注後に工場でパソコンを組み立て、指定の住所に発送します。
購入者がやることは、各パーツの選択と決済のみです。すべてがWeb上で完結しますが、住まいにPCが届くまで約1~2週間かかります。
- 家電量販店のパソコンとは:実店舗で見かけるパソコン
- 家電量販店で販売されている、NECや富士通などといったメーカー製のパソコンです。店頭で実際に触れて確かめることができ、店員からパソコンのアドバイスをもらえます。
値引きやポイントによってお得に購入できる場合もありますが、BTOパソコンや自作パソコンに比べると割高になることが多いです。
家電量販店のパソコン、BTOパソコン、自作パソコンの特徴を比較すると、以下のようになります。
形態 | 自作パソコン | BTOパソコン | 家電量販店のパソコン |
---|---|---|---|
価格 | 安い | 比較的安い | 高い |
パーツ自由度 | 高い 自分で調べてパーツを選ぶ(マザーボード、CPU、メモリなどの相性も確認) | 比較的高い メーカー側の選択肢からパーツを選ぶ(トラブルが発生しづらい組み合わせ) | ない 販売時点で組立済みのPCであり、原則パーツ変更は不可 |
手間 | 手間と時間がかかる(調査、選定、組立、動作テスト) | 手間と時間がかからない(選定から決済までネット完結) | 店舗でPC間のスペックを比較する手間と時間がかかる |
PCが使える までの期間 | 長い (各パーツを購入し、組み立てるまで約2~3週間) ※パーツごとに届く日時が違う | 比較的短い (組み立て済みのPCが届くまで約1~2週間) ※時期やパーツにより届くのが遅れる | 短い (購入した日に使用できる) ※店舗に赴き、組立済みのPCラインナップから選んで購入 |
メリット | パソコンへの理解が深まり、故障しても自分でパーツだけ交換できるようになる | トラブルが発生してもBTOパソコンメーカーのサポートに問い合わせできる | 店舗で店員のアドバイスがもらえ、実際に見たり触ったりしながらパソコンを選べる |
デメリット | 組立時の破損リスク、その他トラブル発生リスクがある | 安価に提供するためPCケースにデザイン性がないことが多い | 店舗からPCを持ち帰る際に車が必要となる場合がある |
おすすめの人 | ・手間暇がかかっても安くパソコンを用意したい ・パソコンを自分で組み立てたことがある | ・手っ取り早く高コスパでパソコンを用意したい ・パソコンを自分で組み立てたことがない | ・パソコンを購入してすぐに使用したい ・パソコンが正常に動けば何でもいい |
これまで自分でパソコンを組み立てたことがある人、パソコンの知識を身に着けたい人、今後パーツごとに交換をしてみたい人は、自作パソコンをおすすめします。ですが自作パソコンの場合、起動しないなどのトラブルが発生しても基本的には自分で対処することになります。
パソコンパーツの選択、組み立てが不安な方は、BTOパソコンがおすすめです。
BTOパソコンは、一定の選択肢からパーツを選択するだけなので簡単です。また時間と手間を考慮した場合、パソコンを自作したことがない人ほど、BTOパソコンの方がトータルのコストパフォーマンスは良くなります。
近くにBTOの実店舗があれば、立ち寄ってみましょう。パソコンに関して分からないことがあれば、質問すると答えてくれます。
店員さんは、パソコンに詳しい方が多いです。
BTOパソコンメーカーを利用する流れ(やることは各パーツの選択と決済のみ、組み立て済みのPCが納品される)
BTOパソコンメーカーでPCを購入し納品されるまでの流れは、以下の通りです。
YouTube:【再潜入】ロマンしかないゲーミングPCの工場でワガママ構成を組んでもらってみた!プロの技術が光るBTOショップ STORMに潜入!!【工場見学】【BTO】
1.用途を選択(例:クリエイターPCを選択)
BTOパソコンのメーカーは、Webサイト上で用途別にパソコンのラインナップを用意しています。
・ゲーミングPC
・クリエイターPC
・ビジネスPC
・ディープラーニングPC
2.ラインナップから希望に近いPCを選択(価格とスペックを確認)
用途ごとに複数のパソコンが用意されているので、希望に近いパソコンを選びます。選ぶのが難しい場合は、BTOパソコンメーカーに電話やチャットで相談できます。
3.PCの基本構成をカスタマイズ(各パーツごとに他製品を検討)
選んだパソコンの基本構成を元に、各パーツで上位モデルにしたり、下位モデルに変更します。BTOパソコンメーカーによって、各パーツの選択肢は多かったり少なかったりします。また不要なソフトウェア(例:Microsoft Office)はパソコンにインスト―スしない状態にできるため、余計な出費が発生しません。
4.購入(多くのBTOパソコンメーカーで分割払いが可能)
クレジットカードの場合、基本的に最大24回払いまで対応しています。
5.BTOパソコンメーカー側で、組み立て、動作テストを行い、発送
指定されたパーツを元に、工場で組み立て作業が行われ、動作テストを経た後、約1~2週間後にパソコンが届きます。
6.指定した住所に購入したPCが届く(すぐにPCが使える)
完成したパソコンが届くため、すぐに起動できます。また動作テストが行われているため、トラブルが発生する確率は低いです。
もしトラブルが発生した場合は、購入先のBTOパソコンメーカーのサポートに連絡します。どのBTOパソコンメーカーでも、基本的に1年間は無償保証があり、有償で保証期間を延長できます。
例えば自作パソコンで20万円かかる構成の場合、BTOパソコンで23~25万円で購入できる感覚です。パソコンを組み立ててもらう手間と時間に対して、手数料を支払うと思ってください。セール期間中は、BTOパソコンが自作パソコンと同等の値段になることがあります。
BTOパソコンメーカーによっては、3DCG制作ソフトの利用に最適なパーツで構成されたクリエイターPCやハイエンドPCを用意しています。メーカーで比較しながら、予算内に収まる最適なスペックのパソコンを探しましょう。
どのパソコンを選べばいいか迷ったら、電話で相談しましょう。「3DCG制作ソフトを利用するにあたって、おすすめのパソコンを教えてほしい」と伝えると最適なモデルを教えてくれます。
おすすめBTOパソコンメーカー9選(3DCG制作者向けに厳選)
BTOパソコンメーカーは20社以上ありますが、Cinema 4Dなど3DCG制作ソフト向きのクリエイターパソコン、ハイエンドなパソコンを扱う会社に限定して紹介します。
各メーカーのラインナップを実際に比較して、予算とスペックに見合ったパソコンを見つけてください。
※仕様が変更されていることもあるため、リンク先の公式サイトからご確認ください。
※表での評価は目安としてとらえてください。
YouTube:【初心者向け】ゲーミングPCのおすすめBTOメーカーはどこ?失敗しない選び方をわかりやすく解説
YouTube:駅から徒歩3分以内!5階ぶんのフロアで見応え抜群inパソコン工房 町田店【ジサトラコンシェルジュ】
YouTube:ゲーミングチェア持ち帰り!? 在庫&取り扱い数超豊富inツクモ日本橋店【ジサトラコンシェルジュ】
自作パソコンを組み立てる流れ
自作パソコンを組み立てる流れを、大まかに解説している動画を紹介します。
YouTube:自作パソコンの組み立ての流れを動画編集者さん向けに解説
さらに詳しい自作パソコンの組み立て解説動画を見たい場合は、YouTubeで検索してみてください。以下のリンク「自作PC 組立」をクリックすれば、おすすめの動画が出てきます。
YouTube:自作PC 組み立て
自作PCでは、好みのデザインのPCケースを選ぶことができます。パソコンは毎日見ることになるため、外観の見た目にこだわってみてもいいでしょう。
・PCケース:性能には影響しませんが、PCケースによってエアフローによる冷却性能(各パーツをどれだけ冷やせるか)は異なります。高性能なPCパーツで組んだパソコンほど、風通しが良いメッシュパネルのPCケースを選びましょう。
PCケースとは?PCケース選びで失敗しない方法とおすすめを初心者向けに徹底解説
クリエイターのパソコン選びで特に見るべきPCパーツ「CPU」「グラボ」「メモリ」「ストレージ」
3DCG制作ソフトを利用するためのPCを準備する際、最低限見ておくべきパーツは主に「CPU」「グラボ」「メモリ」「ストレージ」の4つです。
各PCパーツの性能が偏りすぎないようにバランスをとることでPC全体のパフォーマンスが向上して、ストレスなく作業できます。
・各PCパーツの簡単な説明:パソコンを構成する各PCパーツ(CPU・CPUクーラー/メモリ(RAM)/グラフィックボード(GPU)/ストレージ(HDD・SSD)/電源ユニット(PSU)/PCケースなど)の簡単な説明は、以下の記事にまとめています。
「CPU」「グラボ」「メモリ」「ストレージ」の役割
自分の用途に合った最適なPCパーツで構成されたパソコンを選びましょう。性能が低すぎて作業効率の下がるパソコンや、オーバースペックで無駄なお金を使ってしまわないように注意してください。
- CPU:パソコンの頭脳
マウス、キーボード、ハードディスク、メモリー、周辺機器などからデータを受け取り、CPUが制御・演算を行います。
性能が高いほど、データ処理速度が速くなります。 - グラボ:画像処理専門の頭脳(GPUとも呼ぶ)
画像を描写するために必要な計算を行う半導体チップがGPUで、GPUをマザーボードに取り付ける状態にしたものがグラフィックボードです。
性能が高いほど、画像処理速度が速くなります。 - メモリ:CPUの作業領域(RAMとも呼ぶ)
CPUとストレージとの間でやりとりするデータやプログラムを一時的に保存する記憶装置です。
性能が高いほど、データ処理速度が速くなります。 - ストレージ:CPUの作業データを保存しておく引き出し(SSD・HDD)
パソコンのデータを長期間保管しておくための補助記憶装置です。
容量が大きいほど、より多くのデータを保存できます。
BTOでPCを準備しようと思っている場合、BTOメーカーが問題ないバランスの取れた構成にしているため、PCの知識があまりなくても問題ありません。
※電源ユニットの電源容量に余裕があるかどうか、念のためにチェックしておきましょう。
・電源ユニット(PSU):電源ユニットは、マザーボードに接続された各PCパーツに電力を供給します。PCの安定動作に影響します。最も多くの電力を消費するのは、グラフィックボード(GPU)とCPUです。パソコン全体に必要な電力を計算して、適切な電源容量(W:ワット数)の電源ユニットを選びましょう。
電源ユニットとは?PCパーツの電源ユニット選びで失敗しない方法とおすすめを初心者向けに徹底解説
・マザーボード:CPU・メモリ(RAM)・ストレージ(HDD/SSD)・グラフィックボード(GPU)・電源ユニット(PSU)など、全ての部品はマザーボード(基盤)に接続されます。マザーボードによって対応するCPU・GPU・メモリの最大容量が異なるため、注意が必要です。またサイズ(フォームファクタ)によっては、所有するPCケースに収まりません。
CPUに迷ったら「Intel Core i7/i9 12000番台~13000番台」
「CGWORD」のアンケート結果によると、CGプロダクションの多くが「Intel Core i7 / i9 シリーズ」を使用しています。
CPU選びに迷う場合は、長年多くのクリエイターが使用してきた実績ある「Intel Core i7 / i9 12000番台~13000番台」にするのが無難です。
2022年に行われたアンケート:68%が「Intel Core i7/i9 シリーズ」
参考:国内CG制作環境の定点調査 CGプロダクション制作環境一斉調査2022
アンケート実施概要
調査対象:「CGプロダクション年鑑 2022」掲載企業
調査期間:2022年7月13日(水)~7月20日(水)
調査方法:Webアンケート
回答社数:91社
Q7:GPUは?
・1位(37%):「Intel Core i9 シリーズ」
・2位(31%):「Intel Core i7 シリーズ」
・3位(12%):「AMD Ryzen 9 シリーズ」
・4位(10%):「Intel Xeon シリーズ」
・5位(03%):「AMD Ryzen 7 シリーズ」
・5位(03%):「AMD Threedripper シリーズ」
・5位(03%):その他
※アンケートの構成比は、小数点以下を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があるようです。
CPU選びのポイントは「グレード」と「世代」です。IntelのCPUにする場合、以下2点に気をつければOKです。
参考:CPUとは?初心者向けに役割・性能・おすすめを解説!(PC用)
- Core i7~i9:グレード
グレードは「Core i7」以上であれば、3DCG制作ソフト(Cinema 4D)で十分に機能します。 - 12000番台~13000番台:第12~13世代
世代は「12世代」以上であれば、処理性能として優秀な働きをします。
CPUとは?PCパーツのCPU選びで失敗しない方法とおすすめを初心者向けに徹底解説
・CPUクーラー:CPUを冷却するためのパーツで、CPUに高負荷をかけた際のCPUの性能低下や誤作動、故障などのリスクを抑えます。最も発熱しやすいPCパーツであるCPUは、冷却が常に課題となります。CPUの性能に見合ったCPUクーラーでなければ、十分な冷却ができません。
グラフィックボード(GPU)に迷ったら「NVIDIA GeForce」
「CGWORD」のアンケート結果によると、CGプロダクションの多くが「NVIDIA GeForce」を使用しています。
グラフィックボード(GPU)選びに迷う場合は、コスパと信頼に優れる「NVIDIA GeForce」にするのが無難です。
2022年に行われたアンケート:77%が「NVIDIA GeForce」
参考:国内CG制作環境の定点調査 CGプロダクション制作環境一斉調査2022
アンケート実施概要
調査対象:「CGプロダクション年鑑 2022」掲載企業
調査期間:2022年7月13日(水)~7月20日(水)
調査方法:Webアンケート
回答社数:91社
Q7:GPUは?
・1位(77%):「NVIDIA GeForce」
・2位(16%):「NVIDIA Quadro」
・3位(02%):その他
・3位(01%):「AMD Radeon」
・3位(01%):「Intel UHDグラフィックス」
・3位(01%):「NVIDIA TITAN」
※アンケートの構成比は、小数点以下を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があるようです。
グラフィックボード(GPU)に関する知識は、以下の記事を参考にしてください。GPUのメーカーである「NVIDIA」「AMD」「Intel」について取り上げています。GPU業界は、現状「NVIDIA」「AMD」の2強です。
PCとPCモニターとを繋ぐケーブル「HDMI」「DisplayPort(DP)」「USB Type-C」「Thunderbolt」/帯域幅/リフレッシュレート/Wi-Fi 6E/Bluetooth
・グラフィックボード(GPU)の設定:グラフィックボードの設定を見直してみましょう。
-色深度(RGBそれぞれが表示できる色数)を10bitに設定
-ドライバーの更新(不具合の修正・アップデート)
PC周りの必須デバイス「PCモニター」
また「3DCG制作用のPC」には、一定スペックの「クリエイター向きPCモニター」が必要です。CPUやグラボの性能(リフレッシュレート、色深度、HDRなど)を最大限生かすためには、生かせるだけの性能を持ったPCモニターを選びましょう。
・PCモニター:グラフィックボード(GPU)の端子とPCモニターとの端子を、ケーブル(HDMI/DisplayPort)で繋いで使用します。クリエイター向けのPCモニターは主に「解像度」「色深度」「輝度(ダイナミックレンジ)」が一般的なPCモニターより高く設定され、「色域」を定めた造りとなっています。
クリエイター向けPCモニターおすすめ3選(主に3DCG制作)「色深度」「色域」「HDR」とは
・カラーマネジメントPCモニター:プロのクリエイターが使う、正確な色調整・色再現ができるPCモニターです。キャリブレーションによって、ディスプレイの「経年劣化」と「色の個体差」をカバーします。
カラーマネジメントモニターのおすすめ2選(クリエイターのためのキャリブレーションとは)
・ケーブル(HDMI/DP/USB):ポート(端子)の性能に合うケーブル規格を選びます。ケーブルの規格によっては、グラフィックボード(GPU)やPCモニターなど各機器の性能を発揮できません。
ケーブル選びに重要な「帯域幅」「リフレッシュレート」も解説しています。
PCとPCモニターとを繋ぐケーブル「HDMI」「DisplayPort(DP)」「USB Type-C」「Thunderbolt」/帯域幅/リフレッシュレート/Wi-Fi 6E/Bluetooth
PC周りの必須デバイス「PCスピーカー」
PCを購入する際は、基本的に「PCスピーカー」も別で一緒に購入します。音に関しては、「PCスピーカー」メーカーが販売するエントリーモデルでも十分に機能します。
・PCスピーカー:音声ファイルの再生に使うため、映像制作に必須。パソコンにケーブルを繋ぐだけで使えるスピーカーです。PCまたはPCモニターに内蔵されたスピーカーより高音質・大音量で、安価なPCスピーカーでも作業環境を改善できます。
パソコンの音が小さい、出ない、おかしいを解決「PCスピーカー」おすすめ2選/Creative「Pebble」/Anker「Soundcore」各シリーズ比較
パソコンの購入前に3DCG制作ソフト(Cinema 4D)の動作環境を確認
CINEMA 4D 2023 の動作環境
Windows:
Windows 10 Version 1809 移行 – もしくは Windows 11
AVXがサポートされたIntel 64-bit CPU もしくは AMD 64-bit CPU
8GB以上のメモリ(16GB以上推奨)
macOS:
macOS 10.15.7以降
AVXがサポートされたIntelベースの Apple Macintoshもしくは Apple M1/M2パワーの Mac
4GB以上のメモリ(8GB以上推奨)
※Cinema 4Dは、Microsoft Windows・macOSの両方に対応しています。
参考:動作環境
Cinema 4Dを使うことで具体的にどんなものが作れるのか、以下の記事で確認してください。「Blender」「Maya」「3DS MAX」「Houdini」の特徴や学習講座なども紹介しています。
Cinema 4Dとは&できること3選(作品例あり)3DCG制作ソフトBlender・Maya・3DS MAX・Houdiniとの比較
Cinema 4D(Maxon製品)を最もお得に購入(契約)したい場合は、以下の記事が参考になります。
【2024年12月最新】Cinema 4Dの価格をオススメ7社で徹底比較【Maxon製品をtoolfarmのクーポンで安く買う方法】
PCを用意して、PCにCinema 4Dをインストールしたら、次はCinema 4Dの具体的な学習です。以下の記事で、初心者向けに学習手順を紹介しています。
【Cinema 4Dの独学ロードマップ】初心者が中級者になるための⑦ステップ(手順通りにやるだけ)
【3DCG制作向け】レベル別おすすめパソコン構成(初心者/中級者/上級者)
以下4つのPCパーツに、特に注目します。
YouTube:初心者がパソコン購入する時の知識と選び方【完全解説】
- 「CPU」・・・パソコンの頭脳
- 「グラボ(GPU)」・・・画像処理専門の頭脳
- 「メモリ(RAM)」・・・CPUの作業領域
- 「ストレージ(HDD・SSD)」・・・データの保管庫
Amazonのセールを、一応チェック
「CPU」「グラボ(GPU)」「メモリ(RAM)」「ストレージ(HDD・SSD)」を選ぶ際の参考にしてみてください。おすすめのデスクトップPC、ノートPCも載せておきます。
BTOメーカーの製品ページを開いた際は、自分の求めるスペックにカスタマイズしてください。
※デスクトップPCの拡張:足りないPCパーツを追加したり、別のPCパーツと交換できます。BTOメーカーからパソコンを購入する場合、パソコンをばらすとBTOメーカーの保証はなくなります。
※ノートPCの拡張:原則できません。
以下の記事でノートPCの選び方を紹介しています。
初心者向け(ローポリゴン・簡単なアニメーション:軽い作業)
初めて3DCG制作に取り組む方は、最初から高性能すぎるパーツ構成にしてもオーバースペックとなります。
実際に3DCG制作ソフトを触っていく過程で作業が重たく感じたら上位のパーツに交換したり、PC自体を買い替えればOKです。
- CPU:Intel「Core i7-12000番台以上」 AMD「Ryzen 7 7000番台以上」
- グラボ(GPU):GeForce RTX 3060以上
- メモリ:16~32GB DDR4-3200以上
- 1stストレージ「OS、ソフトをインストール」:500GB SSD / NVMe M.2 以上
2ndストレージ「制作中、制作済のCGデータを保存」:1TB HDD / 3.5インチ Serial-ATA
ドスパラ(公式):raytrek MV 写真向けモデル 第13世代Core搭載
ドスパラ(公式):raytrek 4CXFi-K インテル(R) Core(TM) プロセッサー 14700KF搭載
ドスパラ(公式):raytrek R7-RL メモリ32GB搭載モデル
mouse(公式):DAIV Z6-I9G70SR-A
中級者以上(ハイポリゴン・複雑なアニメーション:重い作業)
3DCG制作ソフトを動作する際、多くの場合は以下のパーツ構成で特に不便を感じないでしょう。
ストレスなく、十分に3DCG制作を楽しめます。予算に余裕がある場合のみ、用途に合わせパーツの一部をハイクラスにするとさらに快適です。
- CPU:Intel「Core i7-13000番台以上」 AMD「Ryzen 9 5000番台以上」
- グラボ(GPU):GeForce RTX 4070以上
- メモリ:32~64GB DDR5-4800以上
- 1stストレージ「OS、ソフトをインストール」:1TB SSD / NVMe M.2 以上
2ndストレージ「制作中のCGデータを保存」:1TB SSD / NVMe M.2 以上
3rdストレージ「制作済のCGデータを保存」:2TB HDD / 3.5インチ Serial-ATA 以上
ドスパラ(公式):raytrek 4CZG インテル(R) Core(TM) プロセッサー 14900KF搭載
MSI(公式):Creator Z17 HX Studio A13V
ASUS(公式):ASUS Zenbook Pro 16X OLED UX7602BZ (UX7602BZ-MY009WS)
上級者向け(フォトリアル・VFX:非常に重い作業)
・フォトリアル:実写のようなCG表現
・VFX(Visual Effects):CG技術と実写を合成した映像
容量の大きいテクスチャのある複雑なシーンでも、レンダリング時間の短縮が期待できます。
- CPU:Intel「Core i9-13000番台以上」 AMD「Ryzen 9 7000番台以上」
- グラボ(GPU):GeForce RTX 4090以上
- メモリ:64~128GB DDR5-4800以上
- 1stストレージ「OS、ソフトをインストール」:2TB SSD / NVMe M.2 以上
2ndストレージ「制作中のCGデータを保存」:2TB SSD / NVMe M.2 以上
3rdストレージ「制作済のCGデータを保存」:4TB HDD / 3.5インチ Serial-ATA 以上
ドスパラ(公式):raytrek 4CZZ+ インテル(R) Core(TM) プロセッサー 14900KF搭載
BTOパソコンのポイント、注意点
BTOパソコン選びのポイント、注意点について解説します。
BTOパソコンでよく見るOSの「DSP版」は、セットで購入したパーツを組み込んだPCに対してのみOSをインストールできる
- DSP版(Delivery Service Partner version:販売代理店版)とは
- セットで購入したパーツ(主にマザーボード)を組み込んだPCに対してのみOSをインストールできます。その分、別のPCにOSを移せるパッケージ版(製品版)のOSより価格が安いのが特徴です。
BTOパソコンのOSは、価格面でお得なDSP版がよく採用されます。
DSP版は「DVD」形式のインストールメディアであることが多く、光学(DVD)ドライブが無ければインストールは出来ません。
PCに光学(DVD)ドライブを組み込まない場合は、USBでPCと接続できる「ポータブル(外付け)DVDドライブ」をご利用ください。
Amazonのおすすめ商品を確認
DSP版のライセンス(プロダクトキー)は、基本的にマザーボードと紐づけられます。マザーボード(もしくはマザーボード以外のPCパーツ)を新しく交換する際に再度ライセンスが認識されるため、場合によってはPCパーツの交換時にライセンスが通らなくなる可能性があります。
ただしライセンス認証が通らなくとも、電話認証で同時購入したパーツを継続利用する旨をMicrosoftに伝えればライセンスは通ることが多いです。
頻繁にPCパーツを組み替えない限り、DSP版で問題ありません。
参考:製品版とDSP版は何が違いますか。 – パソコン工房
参考:【Windows 11 / 10】認証についてのまとめ
参考:Windows の製品ライセンス認証 – オンライン サポートの電話番号
「OSのライセンス」電話認証の例
「パソコンのパーツが壊れたので交換しました。ライセンス認証していただけませんか?」
↓
Microsoftの電話サポート
「わかりました。これからお伝えする番号を入力してください。それで認証が完了致します」
Windowsの「Home」と「Pro」との違い(基本的に「Home」を選べばOK)
2021年10月にWindows11が登場し、広く定着してきました。
Windows10まで存在した32Bit版はWindows11では廃止され、「Home」「Pro」のいずれを選択しても64Bit版となります。
YouTube:【ミニPC買うなら必見!】Windows Pro OSはここが凄い。ミニPCに多いWindows Proのメリットを紹介します
参考:Windows 11 HomeとProの違いとは?どちらを選べば良いのか解説!
参考:【Windows 11】「Home」と「Pro」エディションの違いを解説!
参考:Windows 11 HomeとProの違いを解説
「Pro」は「Home」よりも以下の点で上回ります。
- 搭載できるCPUのコア数
Home・・・64コア
Pro・・・128コア - 最大搭載メモリの容量
Home・・・128GB
Pro・・・2TB
種類 | Windows 11 Home | Windows 11 Pro |
---|---|---|
価格 | 安い | 高い |
機能 | 基本機能 | Home+以下の機能 ・BitLocker(ドライブの暗号化) ・リモートデスクトップでホストになる ・仮想OSを立ち上げる など |
用途 | 個人(ネットサーフィン、ゲームなど)で使う | ・ビジネス(Proの機能を使いたい)で使う ・ハイスペックPC(CPU/メモリ)を使う ・共有ネットワーク内でファイル共有する ・パソコンのセキュリティ管理をする |
「Pro」にしかない機能は、主に以下の4つです。
- BitLocker機能
- ドライブを暗号化する機能です。
パソコンが盗難に遭っても、ドライブ自体がロックされているため、データ漏洩の心配がありません。
- リモートデスクトップ(ホスト=操作される側になれる)
- 他のパソコンやスマホから遠隔操作する機能です。
例えば会社で利用しているパソコンがProの場合、自宅のパソコンから会社のパソコンを遠隔操作できます。
- Hyper-V(Microsoft社製の仮想化ソフト)
- Hyper-Vを用いて1台のパソコン上に複数の仮想マシンを作成し、それぞれが独立してOSを起動できます。
例えば、Windows11のパソコンにWindowsServerやWindows7などの旧版のWindowsOS、あるいはLinuxOSなどを立ち上げられます。
- WIP(Windows Infomation Protection)機能
- 企業ファイルと個人ファイルとを明確に分離できる機能です。
企業ファイルのアクセス権設定、コピー・送信禁止などの制御ができます。個人PCを業務利用する場合、企業側データの保全効果が期待できます。
パソコンのストレージ(SSD・HDD)容量が足りなくなったら増設する
ストレージが足りない場合は、以下の方法で容量を増やすことができます。
- 内臓SSD・HDDを増設する
- 外付けSSD・HDDを増設する
またSSD・HDDは消耗品で、一般的に5年程度が目安とされています。ストレージの種類や使用環境、読み書きの頻度など、様々な要因により寿命は変わりますが、使用不可となる前に交換を検討してください。重要なデータは常にバックアップを取りましょう。
SSD・HDDの寿命が近いときの症状として、以下が挙げられます。
参考:SSDの寿命はどれくらい?寿命を縮める原因と対策方法をご紹介
- データの保存やファイルを開くなどの処理速度が、以前より大幅に低下する
- 作業中に突然フリーズしたり、突然シャットダウンする
- SSD・HDDが、デバイスとして認識されない
- SSD・HDDに関するエラーメッセージ、ブルースクリーンが表示される
また上位の規格へとSSDを交換することで、読み書きの速度を向上できます。作業効率を高めることで、生産性も高まります。
詳しくは、以下のストレージに関する記事をご覧ください。ドライブの用途別に、おすすめのSSD・HDDも紹介しています。
Macで3DCG制作する場合のPC選び(コスパが高いのは「BTOのPC」「自作PC」)
3DCG制作を行うにあたって、Apple製品でPC環境をまとめることは可能です。最新モデルのMacなら、Cinema 4Dの利用もスペック的には問題ありません。
参考:動作環境
参考:M1搭載のMacでMaxon Cinema 4Dがすぐにご利用
ですが基本的にMacはコスパが悪いです。BTOのPCや自作PCなら、同等以上の性能をさらに安く組めます。
よってコスパを重視する場合は、Macが選択肢から外れます。コスパ以上のメリットをMacから受けられる場合は、Appleの公式サイトでスペックを確認してください。
Macで3DCG制作する場合のおすすめPCを紹介します。
- 自宅での作業しかない・・・デスクトップPC:Mac Studio
- 外出先での作業もある・・・ノートPC:MacBook Pro(14インチ or 16インチ)
- デスクトップPC 公式:Mac Studio
- 自宅での作業が主で、外出先で作業することがない場合は、デスクトップPCを選びましょう。
チップ | Apple M1 Maxチップ | Apple M1 Ultraチップ |
---|---|---|
価格 | 278,800 | 558,800 |
CPU | 10コアCPU | 20コアCPU |
GPU | 24コアGPU 32コアGPU | 48コアGPU 64コアGPU |
メモリ | 32GB 64GB | 64GB 128GB |
ストレージ | 512GB SSD 1TB SSD 2TB SSD 4TB SSD 8TB SSD | 1TB SSD 2TB SSD 4TB SSD 8TB SSD |
購入先 | 詳細を見る | 詳細を見る |
以下の表では「Mac」と「BTOのPC・自作PC」とで特徴を比較しています。
種類 | Mac | BTOのPC・自作PC |
---|---|---|
OS(オペレーティングシステム) | maxOS | Windows |
CPU | Apple M1/M2(CPUやGPUなどが1枚のチップになっている) | Intel Core AMD Ryzen が基本 |
GPU | Apple M1/M2(CPUやGPUなどが1枚のチップになっている) | NVIDIA GeForce AMD Radeon など |
販売価格 | 高い リセールバリューも高い | 安い リセールバリューも安い |
構成パーツの自由度 | 低い Appleが決めた構成 | 中間~高い BTOのPC:BTOメーカーが決めた構成 自作PC:ユーザーが決めた構成 |
各パーツの増設・交換 | やりづらい 基本的にはPC丸ごと買い替え | やりやすい 基本的には各パーツのみを買い替え |
利用者数 ・最適化 ・共有 ・トラブル | 少ない ・利用者数が少ないためCGソフトの最適化が後回しされる ・プロジェクトの共有相手がWindowsであることが多いため互換性が不安 ・利用者数が少ないためトラブル発生時に対応策が見つかりづらい | 多い ・利用者数が多いためCGソフトの最適化が優先される ・プロジェクトの共有相手がWindowsであることが多いため互換性が安心 ・利用者数が多いためトラブル発生時に対応策が見つかりやすい |
サポート | サポートはApple Careで対応 | サポートはBTOメーカーで対応。自作PCの場合はサポートなし。 |
対象者 | これまでMacを使用してきた人 Apple製品で統一したい人 Macへの愛着が強い人 | Macを使用したことがない人 コスパを重視する人 MacOSかWindowsか迷っている人 |