マザーボード選びは、他のPCパーツと比べて難しい印象があります。またマザーボードは、PCパーツの中でも重要度が低いと思われがちです。ところが実際は、マザーボードによってパソコンの性能は大きく左右されます。
結論を言うと、マザーボード選びで重要なのは、CPU・メモリの足を引っ張らないことです。マザーボードのチップセットやVRMなどが弱いと、CPU・メモリ・その他パーツの性能をフルで引き出せません。
要するに、CPU・メモリといったパーツが高性能ならばマザーボードも高性能であるべきです。特にCG制作・映像関係のクリエイターの場合、CPU・メモリを問題なく駆動できるマザーボードを選びましょう。
CPU・グラフィックボード(GPU)・メモリ・ストレージ(SSD・HDD)同様、マザーボード選びの際にも一定の知識が必要です。チェックすべきポイントは、記事内にまとめています。
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マザーボードの選び方(購入前のチェックポイント12個)
マザーボードを選ぶ際のポイントをまとめています。マザーボード選びで失敗しないように、参考にしてみてください。
公式(Intel):ゲーム向けマザーボードの選び方
参考:BCN AWARD 部門別受賞企業 マザーボード
参考:【マザーボードの基礎知識:機能とスペック編】何をするためのパーツ? 値段や仕様の違いは自作PCのどこに影響が出る?
1.フォームファクタ(マザーボードのサイズ)
マザーボードとPCケースとのサイズによっては、マザーボードがPCケースに収まりません。使用するPCケースに収まるマザーボードを選ぶ必要があります。
大きいマザーボードほど拡張性が高く、多くのパーツを増設できます。主流は「ATX」で、自作PCに慣れているなら「Micro-ATX」でも良いと思われます。
小さいマザーボードほど配線が大変で、上級者向けです。
マザーボードのサイズによって、選ぶPCケースも変わってきます。
またPCケースは性能には影響しませんが、PCケースによってエアフローによる冷却性能(各パーツをどれだけ冷やせるか)は異なります。
2.チップセット(CPU・メモリの対応)
「CPU」「メモリ」「マザーボード」の組み合わせは、最も注視してくだください。マザーボードのサポートから外れている場合、CPU・メモリが機能しません。
マザーボードの「チップセット」が「CPU」「メモリ」に対応するかどうか、マザーボードの購入前に仕様を確認しましょう。
「CPU」「メモリ」のOC(オーバークロック)対応も、各マザーボードの製品次第です。
・CPU:マウス、キーボード、ハードディスク、メモリー、周辺機器などからデータを受け取り、CPUが制御・演算を行います。
CPUとは?PCパーツのCPU選びで失敗しない方法とおすすめを初心者向けに徹底解説
・メモリ(RAM):CPUとストレージとの間でやりとりするデータやプログラムを一時的に保存する記憶装置です。
3.VRM(電源ユニットから供給された電圧を、CPUに適切に一定供給する装置)
高性能マザーボードはVRMフェーズ数が多く、またVRMヒートシンク(冷却装置)が大きいため、大きいCPUクーラーだと干渉します。CPUクーラーとマザーボードとの組み合わせに関する意見を、インターネット検索してみてください。
場合によっては、CPUクーラーのファンの位置をずらせば、VRMヒートシンクとの干渉を避けられます。
・CPUクーラー:CPUを冷却するためのパーツで、CPUに高負荷をかけた際のCPUの性能低下や誤作動、故障などのリスクを抑えます。
CPUクーラーとは?PCパーツ「空冷」「水冷」選びで失敗しない方法とおすすめを初心者向けに徹底解説
※高性能CPUを使用する場合、VRMフェーズ数は多いほど良く、またVRMのアンペアは高いほど良いです。CPUの性能をVRMがカバーできない場合、CPUの性能がフルで発揮されません。
4.メモリを挿すための「メモリスロット」
対応するメモリの規格、使用できるメモリの数は、マザーボードにより異なります。ハイエンドモデルのマザーボードほど、メモリの新規格(DDR5)に対応しており、またメモリOC(オーバークロック)も可能です。
メモリを2枚挿せればいいのか、4枚挿したいのか、自身の用途を明確にしましょう。
クリエイト用途でも、DDR4の32GBメモリを2枚組み(64GB)であれば大抵のソフトは快適に動作します。32GBメモリを4枚組み(128GB)にしたい場合は、4スロット必要です。
・メモリ(RAM):CPUとストレージとの間でやりとりするデータやプログラムを一時的に保存する記憶装置です。
5.グラフィックボード(dGPU)を挿すための「PCI Expressスロット」
グラフィックボードが「PCI Express」のどの世代(5.0 / 4.0 / 3.0 / など)に対応しているのか、マザーボードの「PCI Expressスロット」はどの世代(5.0 / 4.0 / 3.0 / など)で動作するのか、仕様を確認しておきましょう。
・グラフィックボード(GPU):グラフィックボードは、画像処理に特化して計算を行うGPU(半導体チップ)を搭載しています。
グラフィックボードが「PCI Express 5.0」の場合、グラフィックボードを挿すマザーボードの「PCI Expressスロット」が「PCI Express 5.0」対応の時にフルで性能が引き出せます。
グラフィックボード(GPU)とは何かを確認、クリエイター(3DCG制作)向けおすすめ紹介
・グラフィックボード(GPU)の設定:グラフィックボードの設定を見直してみましょう。
-色深度(RGBそれぞれが表示できる色数)を10bitに設定
-ドライバーの更新(不具合の修正・アップデート)
グラフィックボードを買ったらやるべきこと(クリエイター向け)「色深度:10bit」「ドライバー更新」
※マザーボードのI/Oパネル(PCケース背面のインターフェース)・・・
「HDMI/DisplayPort」ポートは、CPU内臓GPU(iGPU)のために使用します。
大きいグラフィックボードの場合、他のパーツと干渉して「PCI Expressスロット」に挿せないことがあります。「PCI Expressライザーケーブル」で、干渉を回避する手段もあります。
- ライザーケーブル
- マザーボード上の「PCI Expressスロット」とグラフィックボードとを連結するためのパーツ。
ライザーケーブルを使用する場合は、グラフィックボードを保持するための物理的な仕組みが必要です(以下例)。
・縦置きブラケットを備えたPCケースを用意
・グラフィックボードの垂直設置を可能にするオプションパーツがあるPCケースを用意
・PCケースの中にグラフィックボードのスタンドを設置
参考:ライザーケーブルでグラボの性能は落ちるのか?現行7製品で検証
YouTube:ライザーケーブルでグラボの性能は変わるのか大検証:ジサトラKTU 150
6.「M.2 SSD」を挿すための「M.2スロット」
「M.2 スロット」によって、「NVMe(PCIe)接続」対応か「SATA接続」対応かが異なります。
またマザーボードによって、「M.2スロット」の数・ヒートシンク(放熱板)の有無も異なります。「M.2スロット」のヒートシンクが無い場合、「M.2 SSD」用ヒートシンクのみを別途購入するとよいでしょう。
・ストレージ(HDD・SSD):画像や動画、テキスト、音声など様々なファイルを保存しておく場所、機器(記憶装置)です。
「2.5インチSSD」は「SATA 3.0」に接続するため、「SATA 3.0」のポート数も確認しておきます。
7.拡張性(「PCI Expressスロット」を確認)
パーツをたくさん取り付けたい場合は、「PCI Expressスロット」の世代(5.0 / 4.0 / 3.0 / など)、レーン数(×16 / ×8 / ×4 / ×2 / ×1)を確認しましょう。
マザーボードによって使用できるレーン数の上限が、CPU・チップセットでそれぞれ決まっています。
「PCI Expressスロット」の世代が新しいほど、また使えるレーン数が多いほど、マザーボードは高額です。
拡張性を求めないならば、レーン数の少ないマザーボードを選ぶことで節約できます。
パソコンを構成する各PCパーツの簡単な説明は、以下の記事にまとめています。
CPU・CPUクーラー/メモリ(RAM)/グラフィックボード(GPU)/ストレージ(HDD・SSD)/電源ユニット(PSU)/PCケースなど
8.ディスプレイ出力端子/I/Oパネル
CPU内臓GPUのために利用する「Display Port」「HDMI」の規格を確認しておきましょう。
CPU内蔵GPUで映像をPCモニターに出力する場合は、I/Oパネルの「Display Port」「HDMI」にケーブルを挿して利用します。マザーボードによっては、I/Oパネルの「USB Type-c」を利用して内蔵グラフィックスで処理した映像をPCモニターに出力します。
・PCモニター:クリエイター向けのPCモニターは主に「解像度」「色深度」「輝度(ダイナミックレンジ)」が一般的なPCモニターより高く設定され、「色域」を定めた造りとなっています。
クリエイター向けPCモニターおすすめ3選(主に3DCG制作)「色深度」「色域」「HDR」とは
・カラーマネジメントPCモニター:プロのクリエイターが使う、正確な色調整・色再現ができるPCモニターです。キャリブレーションによって、ディスプレイの「経年劣化」と「色の個体差」をカバーします。
カラーマネジメントモニターのおすすめ2選(クリエイターのためのキャリブレーションとは)
・ケーブル(HDMI/DP/USB):ポート(端子)の性能に合うケーブル規格を選びます。ケーブルの規格によっては、グラフィックボード(GPU)やPCモニターなど各機器の性能を発揮できません。
ケーブル選びに重要な「帯域幅」「リフレッシュレート」も解説しています。
PCとPCモニターとを繋ぐケーブル「HDMI」「DisplayPort(DP)」「USB Type-C」「Thunderbolt」/帯域幅/リフレッシュレート/Wi-Fi 6E/Bluetooth
9.インターネット接続/I/Oパネル
有線LAN・無線LAN機能の有無、速度を確認しておきましょう。
有線LAN・無線LANの機能がマザーボードに無い場合は、有線LANカード・無線LANカードを増設できます。
10.音響/I/Oパネル
サウンド機能にこだわりがある場合は、確認しておきましょう。基本的には、あまり気にしなくてOKです。
・PCスピーカー:最低限の音質を確保するため、パソコン、PCモニターと合わせて、PCスピーカーも準備します。
パソコンの音が小さい、出ない、おかしいを解決「PCスピーカー」おすすめ2選/Creative「Pebble」/Anker「Soundcore」各シリーズ比較
ハイエンドモデルのマザーボードには、「SPDIF」がある場合があります。
- SPDIF(Sony Philips Digital InterFace)
- 映像・音響機器などで、音声信号をデジタル転送するための規格です。I/Oパネルに、SPDIF(S/PDIFとも書く)がついている場合とついていない場合とがあります。
参考:S/PDIF
11.USB端子/I/Oパネル
ハイエンドモデルのマザーボードほどUSBの新規格に対応しており、また多くの種類のUSB端子をそれぞれ一定数備えています。
特に「USB Type-Cコネクタ」があると、外部デバイスとの接続で便利です。
またマザーボードによってはフロント(PCケース前面)用「USB Type-Cヘッダ」があり、ポータブルSSDなど抜き差しの多いデバイスの接続に重宝します。
参考:USB Type-Cを増設する!マザーボードのUSB Type-C Gen2用ピンヘッダを活用
USBは新規格の登場で呼び方が変わるため、混乱の元となっています。
おさえるポイントは以下の通りです。
- Gen1・・・1レーンあたり5Gbps
- Gen2・・・1レーンあたり10Gbps
- Gen3・・・1レーンあたり20Gbps
- USBは、下位互換性がある
例:「USB 3.0」のケーブルを「USB 2.0」の端子に挿して使えます。
→性能の低い「USB 2.0」として機能します。
YouTube:USBの種類を徹底解説!USB4が加わり圧倒的に複雑なUSBをやさしく解きほぐします
参考:USB 3.1 Gen 1、Gen 2、USB 3.2の違い
YouTube:【実は簡単♪】Macの「Thunderbolt4」「USB4」って何が違うの??わかりにくいType-Cの仕様の違いを比較。
参考:Thunderboltとは
参考:【かんたん解説】新規格「USB4」とは?USB従来規格と何が違う?
USBの種類 | 他の呼び方 | 転送速度 |
---|---|---|
USB 1.1 | なし | 12Mbps |
USB 2.0 | なし | 480Mbps |
USB 3.0 | USB 3.1 Gen 1 USB 3.2 Gen 1 × 1 | 5Gbps |
USB 3.1 | USB 3.1 Gen 2 USB 3.2 Gen 2 × 1 | 10Gbps |
USB 3.2 | - USB 3.2 Gen 2 × 2 | 20Gbps |
USB 4 Version 1.0 (USB 4 Gen 2 × 2) | なし | 20Gbps |
USB 4 Version 1.0 (USB 4 Gen 3 × 2) | なし | 40Gbps |
USB 4 Version 2.0 | なし | 80Gbps |
12.予算内に収まるマザーボードを選ぶ
全ての要望を満たそうとするほど、高性能で高価格なモデルとなります。妥協点を探しましょう。
Amazonや価格コムなどのサイトでレビューを読み、参考にすることをお勧めします。
パソコンを自作するのが面倒な場合は、BTOパソコンを検討してください。ネット上で構成パーツを指定するだけで、組み上がったパソコンが自宅に届きます。自作PCでありがちな、パーツ選びのミスも起こりません。出荷前に起動テストされているため、届いたらすぐにパソコンを使用できます。
3DCG制作のおすすめデスクトップPC【初心者/中級者/上級者】(BTOパソコンメーカー9選)
マザーボードのサイズ(フォームファクタ)4種類
クリエイターがマザーボードを選ぶ際は、PCの組みやすさ・拡張性を考慮して「ATX」がおすすめです。一般的にも人気のサイズ(フォームファクタ)で、初心者向けとも言えます。
自作PCに慣れている場合は、少し小さめの「Micro-ATX」が選択肢に入るでしょう。
フォームファクタ | E-ATX | ATX(主流) | Micro-ATX | Mini-ITX |
---|---|---|---|---|
サイズ (単位:mm) | 大きい 330 × 305 | 標準 244 × 305 ※Micro-ATXまでしか対応していないPCケースだと、ATXサイズのマザーボードが入らない場合がある | 小さめ 244 × 244 | 小さい(特殊) 170 × 170 |
価格 (製品によりピンキリ) | 高い | 普通 | 安め | 高め |
拡張性 (メモリ、SSDなどを設置できる数が多いほど拡張性が高い) | 高い | 普通 | 低め | 低い |
Amazonリンク | E-ATX マザーボード | ATX マザーボード | Micro-ATX マザーボード | Mini-ITX マザーボード |
CPUソケット(CPUをのせる場所)、チップセット(デバイス管理を行う集積回路)
- CPUソケット
- マザーボードにある、CPUを取り付ける場所です。CPUソケットはIntelとAMDとがあり、それぞれ規格によって形状・ピンの数が異なります。
マザーボードにCPUを取り付ける場合、「マザーボードのCPUソケット/チップセット」と「CPU」との規格が合うかどうか仕様を確認してください。「マザーボードのCPUソケット/チップセット」と「CPU」との規格が違う場合、CPUは動作しません。
参考:【CPU】Intel・AMDはソケット形状が違う!それぞれの見分け方とは?
参考:CPUソケット
- チップセット
- マザーボードに接続されている機器(SSD、LAN、キーボード、マウスなど)を管理する集積回路です。
1つのマザーボードに、1~2個搭載されています。
この記事では、デスクトップパソコン向けのCPUソケット/チップセット規格について記述しています。
※ノートパソコンの場合は、モバイル用のCPUソケット/チップセットがあります。
・ノートパソコン:3DCG制作のような重たい作業も、ノートPCで可能です。自宅でも色んな場所で作業したい、出先で作業したい、と思っているならノートPC一択です。パソコンに機動性を重視しない場合は、デスクトップPCの方が割安です。
IntelのCPUソケット
IntelのCPUソケットは、大まかに以下の通りです。
参考:Intel製CPU一覧
Wikipedia:CPUソケット インテル専用
ソケット ↑古いソケット ↓新しいソケット | 対応CPU |
---|---|
LGA1156 | 第1世代のCPUに対応 |
LGA1155 | 第2・3世代のCPUに対応 |
LGA1150 | 第4世代のCPUに対応 |
LGA1151 | 第6・7世代のCPUに対応 |
LGA1151 | 第8・9世代のCPUに対応 |
LGA1200 | 第10・11世代のCPUに対応 第10世代CPU ・Core i9-10xxx ・Core i7-10xxx ・Core i5-10xxx 第11世代CPU ・Core i9-11xxx ・Core i7-11xxx ・Core i5-11xxx |
LGA1700 | 第12・13世代のCPUに対応 第12世代CPU ・Core i9-12xxx ・Core i7-12xxx ・Core i5-12xxx 第13世代CPU ・Core i5-13xxx ・Core i7-13xxx ・Core i9-13xxx |
一部のハイエンド向けマザーボードでは、上記以外のCPUソケットが使用されます。
CPUソケットの数字は、ピンの数を表しています。数字が大きいほど世代が新しいというわけではありません。
AMDのCPUソケット
AMDのCPUソケットは、大まかに以下の通りです。
参考:AMD製CPU一覧
YouTube:Ryzen 7000シリーズ対応のSocket AM5マザーを一斉紹介!大幅進化した新CPUをどれで動かす?
Wikipedia:CPUソケット AMD
Wikipedia:Category:AMDのCPUソケット
参考:歴代Ryzenの対応チップセット一覧表を作らせていただきました。
ソケット ↑古いソケット ↓新しいソケット | 対応CPU |
---|---|
AM3 | AMDのローエンドCPU「Athlon シリーズ等」 |
AM4 | AMDの主流となるCPU「Ryzen 第1~4世代」 第1世代(Zen) ・Ryzen 1000 ・Ryzen 2000G 第2世代(Zen+) ・Ryzen 2000 ・Ryzen 3000G 第3世代(Zen2) ・Ryzen 3000 ・Ryzen 4000G 第4世代(Zen3) ・Ryzen 5000 ・Ryzen 5000G |
AM5 | AMDの主流となるCPU「Ryzen 第5世代」 第5世代(Zen4) ・Ryzen 7000 |
以下は、AMDのウルトラハイエンドCPU「Ryzen ThreadRipperシリーズ」です。
ソケット | 対応CPU |
---|---|
TR4 | 「ThreadRipper 第1~2シリーズ」 ・第1世代(Zen):RyzenThreadripper 1900番台 ・第2世代(Zen+):RyzenThreadripper 2900番台 |
sTRX4 | 「ThreadRipper 第3シリーズ」 ・第3世代(Zen2):RyzenThreadripper 3900番台 |
sWRX8 | 「ThreadRipper 第4シリーズ」 ・第4世代(Zen3):RyzenThreadripper 5900番台 |
マザーボードのBIOSアップデートで、新しいCPUが動作可能となる場合がある
「マザーボードのチップセット」と「CPU」との規格が合わない場合でも、マザーボードのBIOSアップデートでCPUが動作可能となることがあります。BIOSアップデートにより、CPU・チップセット間で相互認識できるようになるためです。
古いBIOSバージョンのマザーボードは、BIOSアップデートできるか確認しましょう。現在のマザーボードで新しいCPUが利用できるかもしれないため、CPU・マザーボードを買い替える前に確認してください。
YouTube:マザーボードを5個買った(自腹)ので比較紹介してみた【5台同時自作企画】
USBデバイスで簡単にアップデート
ハイエンドモデルのマザーボードによっては、「UEFI(BIOS)」を開いたり「OS」を起動したりする必要もなく、USBデバイスを利用することで簡単にBIOSのアップデートができます。
古いBIOSでも認識できるCPUがいらない、つまりCPUなしでBIOSアップデートできる機能だと考えてください。
USBデバイスでアップデートする機能名称例・・・「BIOS Flashback」
※PC専門店でのBIOSアップデートは有料です。
参考:[マザーボード] BIOS Flashback™ の使い方
参考:ASRock BIOS フラッシュバック機能 ユーザーガイド
- UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)
- UEFIは、コンピュータにおける起動をつかさどるBIOSの機能を後継したインターフェイスです。
OSを起動させ、ハードウェアをセットアップさせる機能をファームウェア上で実現します。
参考:UEFIとは【用語集詳細】
- BIOS(Basic Input Output System)
- マザーボード上のROM(記憶装置)に搭載されているプログラムです。
Windows等のOSが起動する前に動作し、パソコン本体に搭載されているハードウェア(キーボード・マウス・メモリ・CPU・ハードディスク等)の管理と制御を行います。
BIOSの設定を変更することで、起動時のハードウェアの読み込み順序の変更や無効化などが可能です。
参考:BIOSとはなんですか?
CPUソケットの注意点「CPUクーラー取り付け不可」「ピン折れ」「すっぽん」
CPUソケットに関する注意点は、主に以下の3つです。
- 「CPUクーラー取り付け不可」・・・CPUクーラーとCPUソケットとの相性
- 「ピン折れ」・・・CPUの取り付け失敗
- 「すっぽん」・・・CPUクーラーの取り外し失敗
「CPUクーラー取り付け不可」・・・CPUクーラーとCPUソケットとの相性
CPUソケットに合わない場合、CPUクーラーは取り付けられません。使用するマザーボードのCPUソケットにCPUクーラーが取り付け可能かどうか、予め仕様を確認しましょう。
例)Intel第12世代のCPUを使う場合、「LGA1700」のソケットに対応したCPUクーラーを選びます。
CPUクーラーとは?PCパーツ「空冷」「水冷」選びで失敗しない方法とおすすめを初心者向けに徹底解説
「ピン折れ」・・・CPUの取り付け失敗
CPUをCPUソケットにのせる際は、CPUをCPUソケットの上に落とさないよう注意しましょう。CPUソケットのピンが折れて、最悪の場合CPUが起動しません。
YouTube:ガチでピン折れCPU反り問題とか片腹痛いわ胃が痛い最新Z690マザーなのに…奇跡!
YouTube:【LGA1151】CPUソケット交換に成功!cpu socket replacement【ジャンクPC】
「すっぽん」・・・CPUクーラーの取り外し失敗
CPUソケットからCPUクーラーを取り外す際、CPUごと外れる(「すっぽん」と呼ばれる)ことがあります。CPUとCPUクーラーとの間のCPUグリスが、強力に密着することで発生します。
ピンが曲がりCPUが起動しなくなる恐れがあるため、注意してください。
YouTube:CPU すっぽんを防止する方法
YouTube:AMD期待の新CPU規格「AM5」大丈夫か!? ~現状と公開情報を元に反るのか反らんのか考察~
チップセットとは、データの受け渡しを行うための集積回路(キーボード、マウス、ストレージの管理)
- チップセット
- マザーボードに搭載されたデバイスの、データ受け渡しを行うための集積回路です。主にキーボード、マウス、ストレージ、LAN、オーディオなどの比較的低速でも問題が生じないデバイスを管理しています。
グラフィックボード(GPU)・メモリ(RAM)といった高速なデバイスは、CPUがデータの受け渡しを行います。
CPUとチップセットとを結ぶ伝送路を「DMI(Intel)」「UMI(AMD)」といいます。
各マザーボードのポート(端子)・スロットによって、CPUのレーンと接続されるか、チップセットのレーンと接続されるかが異なります。
主にCPUのレーンに接続されるデバイス
- グラフィックボード(GPU)
- メモリ(RAM)
主にチップセットのレーンに接続されるデバイス
- キーボード
- マウス
- ストレージ(SSD、HDD)
- イーサネット
- オーディオ
チップ構成の変化(チップセット2枚で対応→チップセットとCPUとで役割分担
マザーボードの進化は、チップの進化でもあります。以前の「2チップ構成」から、現在の主流である「1チップ構成」に移行しました。
YouTube:【チップセットの歴史】名作の440BXに駄作の820~一般向けIntelチップセットの歴史を振り返る。+CPUの歴史 続編
以前は「2チップ構成」
・ノースブリッジ:
メモリー(RAM)や内蔵グラフィック(iGPU)、グラフィックボード(dGPU)など高速な処理が必要な部品を担当。
ノースブリッジがCPUに近いのは、少しでも高速な処理を行うためです。
呼び方・・・MCH(メモリーコントローラハブ)、GMCH(グラフィック機能を内蔵したMCH)
・サウスブリッジ:
HDD、光学ドライブ、マウス、キーボード、USB、LAN、オーディオなど比較的低速でも問題が生じないデバイスを担当。
呼び方・・・ICH(I/Oコントローラー・ハブ)
現在は「1チップ構成」(ハイエンドモデルは、同チップセットを2枚搭載する場合もある)
・CPU:
ノースブリッジの役割をCPUが担当しています。よってノースブリッジがマザーボードからなくなりました。
・チップセット:
低速で構わない処理は、チップセットが担当します。
Intelの呼び方・・・PCH(Platform Controller Hub)
CPUとPCHとを結ぶ伝送路を「DMI(Intel)」といいます。
Wikipedia:プラットフォーム・コントローラー・ハブ
Wikipedia:Direct Media Interface
AMDの呼び方・・・FCH(Fusion Controller Hub)
CPUとFCHとを結ぶ伝送路を「UMI(AMD)」といいます。
Wikipedia:Unified Media Interface
Wikipedia:List of AMD chipsets-Fusion controller hubs (FCH)
- チップセットバス(システムバス)
- DMI(Intel)・・・Direct Media Interconnect
UMI(AMD)・・・Unified Media Interface
システムバスとは、CPUとチップセットとをつなぐバス(経路)です。
システムバスは「FSB」「QPI」「DMI(Intel)/UMI(AMD)」と進化する中で、データのやり取りが高速になったり、構造がシンプルになったりしました。
「DMI 2.0」「DMI 3.0」「DMI 4.0」となるにつれて、転送速度が向上しています。
参考:パソコンのインターフェースと種類
IntelのチップセットはIntelのCPUを使用/AMDのチップセットはAMDのCPUを使用
チップセットはマザーボードに搭載されているものであり、チップセット単体で市販されません。新しいチップセットが出ると、マザーボードメーカー(ASUS、ASRock、MSI、Gigabyte)が新チップセット搭載のマザーボードを製造して、市場に売り出します。
発熱対策として、チップセットにはヒートシンク(冷却装置)が付いています。高級なマザーボードほど、ヒートシンクの性能も高いです。
チップセットにより、対応するCPUが異なります。チップセットがCPUに対応しているならば、CPUはCPUソケットにのせられます。
チップセットに対応しないCPUは、CPUソケットの形状に合わないため使用できません。購入前に、CPUとマザーボードとの仕様を確認しましょう。
参考:チップセットとは
YouTube:Ryzen用マザーボードの選び方!X570・B550・A520って何が違うの?マザーボードでCPU性能に差は出るの?PCIe 4.0って何?#ZEN3 #ZEN2
CPU同様、チップセットはIntel・AMDが開発しています。
参考:世代・性能が分かるチップセット
参考:チップセット比較【2023年最新版】
Intelのチップセット・・・
IntelのCPUは使用可能、AMDのCPUは使用不可
公式(パソコン工房):Intel チップセット スペック・性能・比較
AMDのチップセット・・・
AMDのCPUは使用可能、IntelのCPUは使用不可
公式(パソコン工房):AMD チップセット スペック・性能・比較
Intelの各種チップセット(対応CPU・メモリの確認、PCIeレーン数の違い、など)
IntelのCPUを利用する場合、マザーボードはIntelのチップセットとなります。
Intelのチップセットについて、以下の表でまとめています。
チップセットの種類 | 特徴 | 価格 | チップセットに合う CPUの目安 |
---|---|---|---|
~X | 語尾に「X」がつく超高性能CPU対応型 | とても高い | Core i9(目安) |
Z~ | オーバークロック可能型 | 高い | Core i9/i7(目安) |
H70 | 一般的な価格型 | 普通 | Core i7/i5(目安) |
B~ | コスパ追及型 | 安い | Core i5/i3(目安) |
H10 | 最も安価型 | とても安い | Core i3(目安) |
Intelにおける各種チップセットの特徴(サポートするCPUやメモリなど)をさらに詳しく以下の表でまとめています。
実際にマザーボードで使えるかどうかは、対応CPU、メモリー、BIOSバージョンなど、マザーボード側の仕様確認が必須です。マザーボードメーカーの各マザーボードによって、実装する際の仕様はそれぞれ違います。各社マザーボードの公式ページを確認しましょう。
600番台と700番台には互換性があります。よってマザーボードのBIOSアップデートを行えば(販売業者が事前に行っている場合あり)、600番台のマザーボードでもIntel第13世代のCPUが使えます。
参考:世代・性能が分かるチップセット
YouTube:Intel13世代でZ690やB660などの600シリーズのマザボ使うの、ちょっと待って!!B660マザーボードでCore i9-13900Kは起動するのか検証。
参考:チップセット比較【2023年最新版】
公式(パソコン工房):Intel チップセット スペック・性能・比較
公式(パソコン工房):Z790・H770・B760 チップセットの機能をスペックから徹底比較!
公式(パソコン工房):Z590・H570・H510・B560 チップセットの機能をスペックから徹底比較!
公式(パソコン工房):Z490・H470・H410・B460・Q470・W480チップセットの機能をスペックから徹底比較!
チップセットの型番 | CPUソケット | 対応CPU | 対応メモリ規格 | CPUのOC (オーバークロック) | メモリのOC (オーバークロック) | 最大メモリソケット数/メモリ最大容量 | PCIe(CPU接続) Gen/レーン数 レーン構成 ×16はグラフィックボードを1本挿す 2×8 = x8 + x8(グラボ2本挿せる) | PCIe(チップセット接続) Gen/レーン数 ×4は「M.2 SSD」を挿す | DMI Chipset Bus(CPUとチップセット間を繋ぐ) リビジョン×レーン数 レーン数が多いほど良い | USB 3.2(20Gbps)最大数 =USB 3.2 Gen2x2 | USB 3.1(10Gbps)最大数 =USB 3.1 Gen2 =USB 3.2 Gen2 | USB 3.0(5Gbps)最大数 =USB 3.1 Gen1 =USB 3.2 Gen1 | USB 2.0(480Mbps)最大数 | SATA 3(6.0 Gbps) | Amazonリンク |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Z790 | LGA1700 | 第12/13世代 | DDR4/DDR5 | ◯(可能) | ◯(可能) | 4スロット / 128GB | Gen5.0 / 20レーン 1x16 + 1x4 2x8 + 1x4 | Gen 4.0 / 20レーン Gen 3.0 / 08レーン | DMI 4.0 ×8 | 5 | 10 | 10 | 14 | 8 | Z790 |
H770 | LGA1700 | 第12/13世代 | DDR4/DDR5 | ✖(不可) | ◯(可能) | 4スロット / 128GB | Gen5.0 / 20レーン 1x16 + 1x4 2x8 + 1x4 | Gen 4.0 / 16レーン Gen 3.0 / 08レーン | DMI 4.0 ×8 | 2 | 4 | 8 | 14 | 8 | H770 |
B760 | LGA1700 | 第12/13世代 | DDR4/DDR5 | ✖(不可) | ◯(可能) | 4スロット / 128GB | Gen5.0 / 20レーン 1x16 + 1x4 | Gen 4.0 / 10レーン Gen 3.0 / 04レーン | DMI 4.0 ×4 | 2 | 4 | 6 | 12 | 4 | B760 |
Z690 | LGA1700 | 第12/13世代 | DDR4/DDR5 | ◯(可能) | ◯(可能) | 4スロット / 128GB | Gen5.0 / 20レーン 1x16 + 1x4 2x8 + 1x4 | Gen 4.0 / 12レーン Gen 3.0 / 16レーン | DMI 4.0 ×8 | 4 | 10 | 10 | 14 | 8 | Z690 |
H670 | LGA1700 | 第12/13世代 | DDR4/DDR5 | ✖(不可) | ◯(可能) | 4スロット / 128GB | Gen5.0 / 20レーン 1x16 + 1x4 2x8 + 1x4 | Gen 4.0 / 12レーン Gen 3.0 / 12レーン | DMI 4.0 ×8 | 2 | 4 | 8 | 14 | 8 | H670 |
B660 | LGA1700 | 第12/13世代 | DDR4/DDR5 | ✖(不可) | ◯(可能) | 4スロット / 128GB | Gen5.0 / 20レーン 1x16 + 1x4 | Gen 4.0 / 06レーン Gen 3.0 / 08レーン | DMI 4.0 ×4 | 2 | 4 | 6 | 12 | 4 | B660 |
H610 | LGA1700 | 第12/13世代 | DDR4/DDR5 | ✖(不可) | ✖(不可) | 2スロット / 64GB | Gen5.0 / 16レーン 1x16 | Gen 4.0 / 00レーン Gen 3.0 / 08レーン | DMI 4.0 ×4 | 0 | 2 | 4 | 10 | 4 | H610 |
Z590 | LGA1200 | 第10/11世代 | DDR4 | ◯(可能) | ◯(可能) | 4スロット / 128GB | Gen4.0 / 16レーン SLI:◯ CrossFire:✖ | Gen 3.0 / 24レーン | DMI 3.0(16 GT/s) | 3 | 10 | 10 | 14 | 6 | Z590 |
H570 | LGA1200 | 第10/11世代 | DDR4 | ✖(不可) | ◯(可能) | 4スロット / 128GB | Gen4.0 / 16レーン SLI:✖ CrossFire:✖ | Gen 3.0 / 20レーン | DMI 3.0(16 GT/s) | 2 | 4 | 8 | 14 | 6 | H570 |
B560 | LGA1200 | 第10/11世代 | DDR4 | ✖(不可) | ◯(可能) | 4スロット / 128GB | Gen4.0 / 16レーン SLI:✖ CrossFire:✖ | Gen 3.0 / 12レーン | DMI 3.0(8 GT/s) | 2 | 4 | 6 | 12 | 6 | B560 |
H510 | LGA1200 | 第10/11世代 | DDR4 | ✖(不可) | ✖(不可) | 2スロット / 64GB | Gen4.0 / 16レーン SLI:✖ CrossFire:✖ | Gen 3.0 / 06レーン | DMI 3.0(8 GT/s) | 0 | 0 | 4 | 10 | 4 | H510 |
Z490 | LGA1200 | 第10/11世代 | DDR4 | ? | ? | 4スロット / 128GB | Gen3.0 / 16レーン SLI:◯ CrossFire:◯ | Gen 3.0 / 24レーン | DMI 3.0(8 GT/s) | 0 | 6 | 4 | 4 | 6 | Z490 |
H470 | LGA1200 | 第10/11世代 | DDR4 | ? | ? | 4スロット / 128GB | Gen3.0 / 16レーン SLI:✖ CrossFire:✖ | Gen 3.0 / 24レーン | DMI 3.0(8 GT/s) | 0 | 4 | 4 | 6 | 6 | H470 |
B460 | LGA1200 | 第10世代 | DDR4 | ? | ? | 4スロット / 128GB | Gen3.0 / 16レーン SLI:✖ CrossFire:✖ | Gen 3.0 / 16レーン | DMI 3.0(8 GT/s) | 0 | 0 | 8 | 4 | 6 | B460 |
H410 | LGA1200 | 第10世代 | DDR4 | ? | ? | 2スロット / 64GB | Gen3.0 / 16レーン SLI:✖ CrossFire:✖ | Gen 3.0 / 06レーン | DMI 3.0(8 GT/s) | 0 | 0 | 4 | 6 | 4 | H410 |
メモリの規格「DDR4」「DDR5」/Intel・AMD
「DDR4」と「DDR5」とは、ピン配置が違うためそれぞれ適したスロットにしか挿さりません(互換性がない)。
マザーボードによって、「DDR4」対応か「DDR5」対応かが異なります。購入前に、マザーボードとメモリとの仕様を確認しましょう。
YouTube:【自作PC】i3~i9まで対応!おすすめのintelマザーボード14選!『23年1月版』(Z790) (H770)(B760)(Z690)(H670)(B660)(H610) «Aile ch.»
YouTube:【初心者向け】失敗しないメモリの選び方について完全解説!(2023年1月)『自作PC向け解説』 «Aile ch.»
画像:インテルのチップセットはB660とH610のどっちがいいの?
- Intel第12/13世代のCPU・・・「DDR4」「DDR5」両方に対応
- Intel第4~11世代のCPU・・・「DDR4」に対応
- Ryzen7000番台・・・「DDR5」のみ対応
- Ryzen5000番台以前・・・「DDR4」に対応
DDR4(2014年発売)・・・安さ重視
・1枚あたり最大容量:16GB(例外あり)
・規格速度:1600~3200MT/s
DDR5(2020年発売)・・・性能重視
・1枚あたり最大容量:64GB
・規格速度:3200~6400MT/s
複数のグラボを搭載「SLI」「CrossFire(CrossFireX)」
複数のグラフィックボードを組み合わせて、グラフィックス性能を向上させる技術です。
通常は1つのマザーボードに1つのグラフィックボードを搭載することが一般的ですが、マザーボードによっては以下の機能が備わっています。
参考:SLI や CrossFireX 構築するメリット、デメリット – ビデオカード
公式(AMD):AMD CrossFire™テクノロジー
参考:SLI接続って?ゲーム好きなら知っておきたいSLI接続の方法と注意点
- SLI・・・NVIDIAの技術
- CrossFire(CrossFireX)・・・AMDの技術
AMDの各種チップセット(対応CPU・メモリの確認、PCIeレーン数の違い、など)
AMDのCPUを利用する場合、マザーボードはAMDのチップセットとなります。
AMDのチップセットについて、以下の表でまとめています。
YouTube:【CPU情報】1万円マザーでAMDの時代?燃える問題や製品情報&コスパまで今のトレンドを語る!マザーやメモリについても
YouTube:【買うなら】今おすすめのAMDマザボをご紹介!【どのマザボ!?】
参考:RyzenシリーズのZenとは何?Zen,Zen+,Zen2,Zen3について解説
チップセットの種類 | 特徴 | 価格の目安 | チップセットに合うCPUの目安 |
---|---|---|---|
~E | グラフィックボードが 「PCIe 5.0」対応 | 高い | Ryzen 9(目安) |
X~ | 高性能 | 高め | Ryzen 7(目安) |
B~ | 普通 | 安め | Ryzen 5(目安) |
A~ | エントリー | 安い | Ryzen 3(目安) |
またAMDのチップセットには、以下の傾向があります。
↑高性能・高価格
・600番台
・500番台
・400番台
↓低性能・低価格
AMDにおける各種チップセットの特徴(サポートするCPUやメモリなど)をさらに詳しく以下の表でまとめています。
実際にマザーボードで使えるかどうかは、対応CPU、メモリー、BIOSバージョンなど、マザーボード側の仕様確認が必須です。マザーボードメーカーの各マザーボードによって、実装する際の仕様はそれぞれ違います。各社マザーボードの公式ページを確認しましょう。
「X470」「B450」で「Ryzen 5000シリーズ」を使用する場合、事前にBIOSアップデートが必要となる場合があります。
参考:チップセット比較【2023年最新版】
参考:世代・性能が分かるチップセット
公式(AMD):AMD ソケット AM5 チップセット
YouTube:【AMD】A620チップセットマザーボードランキング【RYZEN】【AM5】【自作PC】【ゲーミングPC】【ASUS】【ASRock】【MSI】【GIGABYTE】
参考:AMDチップセット「X670E、X670、B650E、B650」を比較!
公式(パソコン工房):AMD チップセット スペック・性能・比較
公式(パソコン工房):X570チップセット AMD 500シリーズ の機能を解説
公式(パソコン工房):B450 チップセット AMD 400シリーズの機能を解説
参考:新しいチップセット「AMD A520」とは?
YouTube:AMDチップセットA520,B450,B550,X470,X570は、何が違うのか?どれを買えばいいのか?
YouTube:【ZEN4】Ryzen 7000シリーズのマザボ選び!X670、B650、A620ではどんな違いがあるのか?A620はどんなマザーボードなのか、解説するぞ!
YouTube:【自作PC】マザーボードの選び方2023年ソケットAM5他
チップセットの型番 | CPUソケット | 対応CPU | 対応メモリ規格 | CPUのOC (オーバークロック) | メモリのOC (オーバークロック) | 最大メモリソケット数/メモリ最大容量 | PCIe(CPU接続) Gen/レーン数 レーン構成 ×16はグラフィックボードを1本挿す 2×8 = x8 + x8(グラボ2本挿せる) | PCIe(チップセット接続) Gen/レーン数 ×4は「M.2 SSD」を挿す | USB 3.2(20Gbps)最大数 =USB 3.2 Gen2x2 | USB 3.1(10Gbps)最大数 =USB 3.1 Gen2 =USB 3.2 Gen2 | USB 3.0(5Gbps)最大数 =USB 3.1 Gen1 =USB 3.2 Gen1 | USB 2.0(480Mbps)最大数 | SATA 3(6.0 Gbps) | Amazonリンク |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
X670E | AM5 | Ryzen 7000シリーズ | DDR5 | ◯(可能) | ◯(可能) | 4スロット / 128GB | GPU:Gen5.0 / 16レーン(1×16 or 2×8) NVMe:Gen5.0 / 04レーン | Gen 4.0 / 12レーン Gen 3.0 / 08レーン | 2 | 12 | 0 | 12 | 8 | X670E |
X670 | AM5 | Ryzen 7000シリーズ | DDR5 | ◯(可能) | ◯(可能) | 4スロット / 128GB | GPU:Gen5.0 / 16レーン(1×16 or 2×8) NVMe:Gen5.0 / 04レーン | Gen 4.0 / 12レーン Gen 3.0 / 08レーン | 2 | 12 | 0 | 12 | 8 | X670 |
B650E | AM5 | Ryzen 7000シリーズ | DDR5 | ◯(可能) | ◯(可能) | 4スロット / 128GB | GPU:Gen5.0 / 16レーン(1×16 or 2×8) NVMe:Gen5.0 / 04レーン | Gen 4.0 / 08レーン Gen 3.0 / 04レーン | 1 | 6 | 0 | 6 | 4 | B650E |
B650 | AM5 | Ryzen 7000シリーズ | DDR5 | ◯(可能) | ◯(可能) | 4スロット / 128GB | GPU:Gen5.0 / 16レーン(1×16 or 2×8) NVMe:Gen5.0 / 04レーン | Gen 4.0 / 08レーン Gen 3.0 / 04レーン | 1 | 6 | 0 | 6 | 4 | B650 |
A620 | AM5 | Ryzen 7000シリーズ | DDR5 | ✖(不可) | ◯(可能) | 4スロット / 128GB | GPU:Gen4.0 / 16レーン(1×16のみ) NVMe:Gen4.0 / 04レーン | Gen 3.0 / 08レーン | 0 | 2 | 2 | 6 | 4 | A620 |
X570 | AM4 | Ryzen 5000/3000シリーズ | DDR4 | ◯(可能) | ◯(可能) | 4スロット / 128GB | GPU:Gen4.0 / 16レーン SLI:◯ CrossFire:◯ | Gen 4.0 / 8レーン | 0 | 8 | 0 | 4 | 4 | X570 |
B550 | AM4 | Ryzen 5000/3000シリーズ | DDR4 | ◯(可能) | ◯(可能) | 4スロット / 128GB | GPU:Gen4.0 / 16レーン SLI:◯ CrossFire:◯ | Gen 3.0 / 04レーン | 0 | 2 | 2 | 6 | 4 | B550 |
A520 | AM4 | Ryzen 5000/3000シリーズ | DDR4 | ✖(不可) | ◯(可能) | 4スロット / 128GB | GPU:Gen3.0 / 16レーン SLI:✖ CrossFire:✖ | Gen 3.0 / 04レーン | 0 | 1 | 2 | 6 | 2 | A520 |
X470 | AM4 | Ryzen 5000シリーズ(要BIOS更新) Ryzen 3000シリーズ | DDR4 | ◯(可能) | ◯(可能) | 4スロット / 64GB | GPU:Gen3.0 / 16レーン SLI:◯ CrossFire:◯ | Gen 2.0 / 08レーン | 0 | 2 | 6 | 6 | 6 | X470 |
B450 | AM4 | Ryzen 5000シリーズ(要BIOS更新) Ryzen 3000シリーズ | DDR4 | ◯(可能) | ◯(可能) | 4スロット / 64GB | GPU:Gen3.0 / 16レーン SLI:✖ CrossFire:◯ | Gen 2.0 / 06レーン | 0 | 2 | 2 | 6 | 4 | B450 |
VRM(CPU用電源回路)とは、電源ユニットからきた電力をCPUが使えるように変換する回路
- VRM(Voltage Regulator Module)
- 電源ユニットから来た12Vの電気を、CPUが使う1.2V前後に変換する回路です。
CPU・メモリは、一定の電圧で動作することを前提にしています。ところがCPUの消費電力は、CPUの働きにより変動します。
電圧が一定で消費電力が変動するということは、電流量が変動することを意味します。VRMは、電流量が変動しても電圧(Voltage)を一定にする装置(Regulator)と言えます。
参考:分かった気になるVRMの仕組
参考:マザーボードのフェーズの話
・電源ユニット(PSU):電源ユニットは、マザーボードに接続された各PCパーツに電力を供給します。PCの安定動作に影響します。
電源ユニットとは?PCパーツの電源ユニット選びで失敗しない方法とおすすめを初心者向けに徹底解説
マザーボードのVRM(VRMフェーズ数、アンペア数)に注目
CPUを高いコアで稼働させない場合・・・
VRM性能が弱い(VRMフェーズ数が少ない、アンペア数が低い)マザーボードを選んでも良い
CPUを高いコアで稼働させる場合・・・
VRM性能が強い(VRMフェーズ数が多い、アンペア数が高い)マザーボードを選んだ方が良い
VRM性能が弱いマザーボードだと、電気不足でCPUの性能をフルで引き出せません。
VRMのフェーズ数が多いほど、CPUの高負荷動作に耐えられる
VRMフェーズの回路数が多いほど、CPU動作時の高負荷に耐えられます。高性能CPUを利用する場合、VRMフェーズ数が多いほど安心です。
特にCPUのオーバークロックをする場合は、VRMフェーズ数が多いほど良いです。
参考:マザーボードのVRM
参考:ハイエンドマザーとローエンドマザーのVRMの違い
VRMフェーズ数が多い マザーボード | VRMフェーズ数が少ない マザーボード | |
---|---|---|
CPUとの相性 | 大きな電力供給ができるため、 高性能CPUに最適 | 大きな電力供給ができないため、 低性能CPUに好適 |
発熱によるCPUの動作性 | 発熱しづらく、 CPUが安定動作する | 発熱しやすく、 CPUが安定動作しない |
CPUのオーバークロック | CPUのOCが、問題なく動作する | CPUのOCが、正常に動作しない |
電圧調整、耐久性 | 電圧調整が強く、耐久性が高い | 電圧調整が弱く、耐久性が低い |
価格 | VRMの部品が高品質なため、高価格 | VRMの部品が低品質なため、低価格 |
VRMのアンペア数が多いほど、CPUの高負荷動作に耐えられる
マザーボードのVRMによって、出力できるアンペア数も異なります。
フェーズ数と、アンペア数(◯A)との両方に注目しましょう。どちらも数値が大きいほど良いです。
YouTube:【自作PC】マザーボードの選び方2023年ソケットAM5他
以下例は参考までにご覧ください。
例:12 + 1 + 1(60A DrMOS)
1つ目の数値・・・CPUコア(演算回路)への電力供給回路数。
2つ目の数値・・・CPUアンコア(ダイ:半導体チップ)への電力供給回路数。
3つ目の数値・・・ダイ内にある、内臓グラフィックへの電力供給回路数。内臓GPUが弱い場合、3つ目の回路はありません。
12個 × 60A = 720A
◯Aの◯が大きいほどCPUコアへ多くの電力を流せるため、より高負荷に耐えられます。
マザーボードのPCI-Express(PCIe)とは、外部機器との接続/レーン(×1/×4/×8/×16)による違い
- PCI Express(PCIe/PCI-E)
- 「PCI-Express」は、「Peripheral Component Interconnect-Express」の略。
マザーボードにおける「拡張インターフェースの接続規格」や「スロットの形状」などを意味します。
基本的には、高速なデータ転送を必要とする外部機器(パーツ)をパソコンに接続する際に使用されます。例えば、「グラフィックボード(dGPU)」や「M.2 SSD NVMe」「LANカード」などです。
参考:PCI-Express(PCIe)とは
参考:PCI スロットと PCI-Express スロットについて
参考:PCI-eとは?規格の種類やPCI-e接続のSSDの特長をご紹介
PCI-Expressの世代(Gen)を確認/マザーボードのスロット・スロットに挿すデバイス
「PCI-Express」に至るまでの規格の変遷
・・・「PCI」 → 「AGP」 → 「PCI-Express」
「PCI-Express」になったことで転送速度が向上し、利便性が増しています。「PCI-Express」の世代が後になるほどに、転送速度は高速となります。
マザーボードの各スロットがどの世代に対応するか確認しましょう。また各スロットに挿すグラフィックボードや「M.2 SSD」などのデバイスが対応する世代も確認してください。
Wikipedia:PCI Express
参考:PCI-Express(PCIe)とは
参考:PCI Express の転送方式・転送レート
参考:マザーボードにあるスロットやソケット、コネクタ
- PCI-Express 1.0/2002年策定
- PCI-Express 1.1(Gen1)/2005年策定
- PCI-Express 2.0(Gen2)/2007年策定
- PCI-Express 3.0(Gen3)/2010年策定
- PCI-Express 4.0(Gen4)/2017年策定
- PCI-Express 5.0(Gen5)/2019年策定
- PCI-Express 6.0(Gen6)/2022年策定
- PCI Express 7.0(Gen7)/2025年策定予定
「PCI Express」の規格は互換性がある(最大速度が遅い方に合わせて動作)
「PCI Express」の規格が異なっても、最大速度が遅い方に合わせて動作します。最大速度が落ちることによって、本来の性能を発揮できなかったり正常に動作しなかったりします。
参考:PCI Express
参考:拡張カードの増設
参考:PCIボードとは?拡張ボードとは?
例1:拡張スロットの方が後の世代
・拡張スロット・・・「PCI-Express 4.0」
・拡張カード・・・「PCI-Express 3.0」
・最大速度・・・「PCI-Express 3.0」
例2:拡張カードの方が後の世代
・拡張スロット・・・「PCI-Express 3.0」
・拡張カード・・・「PCI-Express 4.0」
・最大速度・・・「PCI-Express 3.0」
拡張カード・・・
「PCI Express」の拡張スロットに接続して使用するPCパーツです。
例)M.2 SSD NVMe、サウンドカード、キャプチャボード、無線LANカード、など
「PCI Express」のレーン(データ伝送路)は、「CPU」か「チップセット」のどちらかに繋がっている
「CPU」・「チップセット」は、それぞれ「PCI Express」の「レーン(データ伝送路)」をいくつか持っています。
PCIe接続のデバイス(グラフィックボードやメモリ、サウンドカード、キャプチャボード、USB拡張カードなど)は、「CPU」か「チップセット」どちらかの「レーン(データ伝送路)」を使用します。高速なデータ転送が求められるデバイスほど、多くのレーン数を消費します。
マザーボードのどのスロットが「CPU」・「チップセット」に接続されるかは、マザーボードの仕様を確認してください。「CPU」・「チップセット」の使用できるレーン数が多いほど、より高速でより多くのデバイスを接続できます。
「PCI Expres」対応の拡張スロットは、レーン数が多いほど形状が長いです。ですが形状が16レーン(×16)でも、実際は8レーン(×8)として機能する仕様の場合もあります。
「CPU」のPCIeコントローラーが提供するPCIe・・・
グラフィックボード(dGPU)やメモリ(RAM)など、通信速度が速い機器に使用します。
例)「Core i9 12900K」レーン数
PCI-Express 5.0:16レーン
・・・「PCI-Express 5.0」のグラフィックボードに使用
PCI-Express 4.0:4レーン
・・・「PCI-Express 4.0」のメモリに使用
CPUのレーン数合計:20レーン
※「CPU名+レーン」で検索しましょう。
マザーボードの「チップセット」が提供するPCIe・・・
SSDやサウンドボード、無線LANカード、キャプチャボードなど、通信速度が遅い機器に使用します。
例)「Z690マザーボードのチップセット」レーン数
PCI-Express 4.0:12レーン
・・・「PCI-Express 4.0」の「M.2 SSD NVMe」などに使用
PCI-Express 3.0:16レーン
・・・「PCI-Express 3.0」の「M.2 SSD NVMe」などに使用
チップセットのレーン数合計:28レーン
※「PCI-Express 4.0」のレーンは、「PCI-Express 3.0」のレーンとしても使えます。
「PCI Express」のレーン数:レーン数が多いデバイスほど、高速でデータ転送できる
マザーボードのレーンはデータの通り道であり、レーン数が多いほど一度に伝送可能なデータ量が多いです。
CPU側のPCIeレーン数/チップセット側のPCIeレーン数は、マザーボードのグレードによって異なります。
接続する機器によって、使用するレーン数は異なります。接続する機器がマザーボードのPCIeレーン数の範囲内であれば、問題なく使用できます。もしマザーボード側(CPU/チップセット)のレーン数が足りない場合、接続した機器の性能が制限されます。
「M.2 SSD NVMe(PCIe接続)」、サウンドカード、キャプチャボードを後になって増設する場合は、マザーボードのレーン数に注意が必要です。
「PCI Express」のレーン数ごとの利用例
「PCIe4.0 × 〇」の〇の部分に入る数値が、「レーン数」です。
「PCI Express」では、主に以下のレーン数があります。
- ×1(1レーン)・・・「×1」のUSB増設ボード、などで利用
- ×2(2レーン)・・・「×2」の「M.2 SSD NVMe」、などで利用
- ×4(4レーン)・・・「×4」の「M.2 SSD NVMe」、などで利用
- ×8(8レーン)・・・「×8」のグラフィックボードなどで利用
- ×16(16レーン)・・・「×16」のグラフィックボードで利用(CPUに最も近い位置にあり、最も高速)
- ×8 + ×8(16レーン)・・・「×8」のグラフィックボード2本挿しで利用(×16より理論上低速となる)
より多くのレーン数を使用するデバイスほど、高速でデータ転送できます。
また「PCI-Express」の「×16」スロットに「×4」や「×1」対応の拡張カードを挿せますが、低速での使用となります。
参考:PCIeレーン数とは?計算方法は?足りないとどうなる?CPUとチップセット両方がもっているよ
「PCI Express」のレーン分割(×8 + ×8)で、グラフィックボードを2つ利用
レーン数を分割できるマザーボードの場合、「×16」の帯域を「×8 + ×8(2×8)」とできます。よってグラフィックボードを2本挿して使えるようになります。
グラフィックボードを2本挿さない場合は、レーン分割について考える必要はありません。基本的に、グラフィックボードは1本の利用でOKです。
参考:PCI Expressのレーン数はスイッチチップでなぜ増える?
×16(16レーン)が2つある場合の使用例
- グラフィックボード
CPUに近い「PCIeスロット」へグラフィックボードを挿して利用。 - 「M.2 SSD」の変換アダプタ
「PCIeスロット」を「M.2スロット」に変換して、「M.2 SSD NVMe」を利用。
PCI Expressの形状(スロットの形状と実際のレーン数が異なる場合もある)
レーン数が多いほど、スロットの形状は長くなります。
ですが、スロットの形状と動作レーン数とが必ず一致するとは限りません。よってレーン数は、マザーボードの仕様を確認する必要があります。
参考:PCI Express の形状レーン数と動作レーン数は、異なる場合あり
YouTube:PCIeによるグラボ性能を調べたら謎結果…ゆえにトンデモ仮説提唱
例)形状と動作レーン数とが一致する
形状・・・「×16」スロット
実際・・・16レーンを割り当てられ、16レーンで動作する。
例)形状と動作レーン数とが一致しない
形状・・・「×16」スロット
実際・・・16レーンを割り当てられ、8レーンや4レーンなどで動作する(処理が遅くなる)。
「M.2 SSD」は「M.2スロット」に取り付けて使用する
「M.2 SSD」は、「PCI-Expressスロット」とは別の形状をした「M.2スロット」に接続します。
「M.2 SSD」には以下の2種類があります。どちらもM.2スロットへ接続しますが、SSD側の接続規格が違います。
- 「M.2 SSD NVMe」
- 使用スロット・・・M.2スロット
消費レーン数・・・PCI-Express「×4」分のレーン数を使用することが多いです。
転送速度・・・とても速い
※消費するレーン数は、各メーカーの「M.2 SSD NVMe」により異なります。購入前に仕様を確認してください。
- 「M.2 SSD SATA」
- 使用スロット・・・M.2スロット
消費レーン数・・・従来から存在する「2.5インチSSD」と同様のSATA接続となるため、「PCI-Express」のレーン数を消費しません。
転送速度・・・速め
ストレージにおける規格ごとの特徴比較「3.5インチHDD(SATA)/2.5インチSSD(SATA)/M.2 SSD(NVMe/SATA)」は、以下の記事を参考にしてください。
SSD・HDDとは?PCパーツのストレージ選びで失敗しない方法とおすすめを初心者向けに徹底解説
マザーボードの排他仕様(他のスロットが使用できなくなる)
マザーボードの仕様で「スロット」「ソケット」に以下のような記載があれば、注意してください。
「帯域を共有しています」・・・それぞれのSSDの速度が遅くなる
「無効になります」・・・排他仕様(他のスロットが使用できなくなる)
マザーボードによっては、取り付ける場所次第で他の機器が排他(使用不可)となります。
例えばマザーボードの「M.2スロット」に「M.2 SSD」を挿すと、特定の「SATAポート」が機能しなくなります。
- 「M.2 スロット(A)」を使用 → 「SATAポート(1・2)」が使用不可
- 「M.2 スロット(B)」を使用 → 「SATAポート(3・4)」が使用不可
参考:M.2SSD増設後にSataHDD(SSD)が認識されない原因と対処法
参考:M.2 NVMe SSD をマザーボードに取り付ける際は場所に注意が必要というお話
安いマザーボードと高いマザーボードとの違い、特徴を比較
マザーボードは価格帯によって性能が大きく異なります。高性能なCPUやメモリなどを使用する場合は、原則として高性能なマザーボードを選ぶことになります。
要するに、各パーツ性能のバランスをとることが重要です。どこかのパーツは高性能で、どこかのパーツは低性能にすると、パソコン全体のパフォーマンスが落ちることがあります。
また同価格帯のマザーボードでもメーカーによって細かい性能は異なるため、購入前に公式サイトで仕様を確認してください。
以下の表では、低価格帯と高価格帯とのマザーボードの傾向を示しています。
YouTube:【格安 VS 高級】激安マザーでi9は使える?高級マザーで性能が変わる?性能や温度を徹底テスト
参考:PCI Express各世代のデータ転送速度まとめ
低価格のマザーボード | 高価格のマザーボード | |
---|---|---|
見た目 | 質素なデザイン 光らない | 凝ったデザイン 光る(通電確認になる) ※光る機能のオンオフ切替え可能 |
VRM(CPU用電源回路)のフェーズ数 | 少ない(十分な電力供給ができない) CPUの高いクロックを維持できないため、本来のCPU性能が引き出せない場合がある | 多い(十分な電力供給ができる) CPUの高いクロックを維持できるため、本来のCPU性能が引き出せる |
VRM(CPU用電源回路)の温度 | 6フェーズ程度 VRMが発熱しやすい ファントムスロットリングが発生しやすい(CPUの性能低下) | 16フェーズ程度(熱が分散する) VRMが発熱しにくい フェーズ数が多いほど電圧が一定となり、CPUのクロックが安定する |
VRM(CPU用電源回路)のヒートシンク | 無い or 最低限 | しっかりとした作り ※CPUクーラーが取り付けられるか仕様を確認 ヒートシンクが大きい場合、一部のCPUクーラーは取り付け不可 |
用途 | 低性能のCPUやメモリなどで構成 普段使い向き | 高性能のCPUやメモリなどで構成 クリエイター向き |
チップセット (様々な機能をまとめた集積回路) | Intel:H410、など AMD:A320、など | Intel:Z790、など AMD:X670E、など |
CPUの オーバークロック(OC) | 非対応なことがある 例)H610チップセットはCPUのOC不可 | 基本的に対応している 例)Z690チップセットはCPUのOC可能 |
メモリ(RAM)の オーバークロック(OC) | 非対応なことがある 例)H610チップセットはメモリOC不可 | 基本的に対応している 例)Z690チップセットはメモリOC可能 |
メモリ(RAM)の スロット数 | 2スロットのことが多い (2本挿し) | 4スロットのことが多い (4本挿し) |
メモリ(RAM)の 対応規格 | DDR5:非対応 DDR4:対応 or 非対応 DDR3:対応 ※DDR4/3で形状が異なるため互換性なし | DDR5:対応 DDR4:対応 or 非対応 DDR3:非対応 ※DDR5/4で形状が異なるため互換性なし |
M.2スロット (M.2 SSD用のスロット) | 0~2 ヒートシンクがない場合もあり 以下の帯域が多い ・PCIe3.0 × 2(16Gbps) ・PCIe3.0 × 4(32Gbps) 高性能「M.2 SSD NVMe」の性能をフルに引き出せない | 3~4 全てにヒートシンクあり 以下の帯域が多い ・PCIe4.0 × 4(64Gbps) ・PCIe5.0 × 4(128Gbps) 高性能「M.2 SSD NVMe」の性能をフルに引き出せる |
背面I/Oのカバーパネル | マザーボードとパネルが一体化していない 個別にPCケースへ設置(作業が面倒) 見栄えが安っぽい | マザーボードとパネルが一体化している PCケースへの設置の手間が無い 見栄えが良い |
端子の数、種類 | 端子の数も種類も少ない 各端子の規格が古い 後々、USB-HUBが必要になるかもしれない | 端子の数も種類も多い 各端子の規格が新しい 後々、USB端子不足に困らない |
有線LAN | 1G LAN | 2.5G LAN 10G LAN |
Wi-Fi/Bluetooth | なし 別売りの機器をマザーボードにとりつければWi-Fi、Bluetoothは可能 | あり |
オーディオ | 以下3つのことが多い ・LINE IN ・LINE OUT ・マイク | 以下6つのことが多い ・LINE IN ・LINE OUT ・マイク ・リアスピーカー用 ・サイドスピーカー用 ・光出力(ノイズを抑えて他のオーディオ機器に接続できる) |
オーディオ回路 | 低音質(人の感じ方次第) ローモデル:ALC897 or ALC893 | 高音質(人の感じ方次第) ミドルモデル:ALC1200系 ハイモデル:ALC4080系 ※アンプ、DACがセットになったモデルもある |
ファン端子 | 3個程度(必要最低限) | 8個程度(エアフロー重視) 端子が多いほどファンごとに回転数を設定しやすい |
ライティング(LED)端子 | 12V RGB × 1個(4ピン/古い規格) 製品によっては「なし」の場合もある | 5V ARGB × 3個(3ピン/主流規格) 12V RGB × 1個(4ピン/古い規格) |
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ファントムスロットリング:VRM電源のオーバーヒートによるCPUコアクロックの性能低下
VRMが高温となった場合、CPUに送る電力を減らして回路を守ります。結果的にCPUのクロックが低下します。
参考:「NZXT N7 Z490」をレビュー。ASRock製に生まれ変わったHUE2&GRID+統合マザーボードを徹底検証
無線通信技術「Wi-Fi」と「Bluetooth」との違い
無線LAN:限られた範囲内で電波を使って通信するネットワーク
データを盗み見されないように、認証・暗号化でセキュリティを確保しています。
参考:「無線LAN」と「Wi-Fi」と「Bluetooth」の違いとは?使い方まで
YouTube:Wi-FiとBluetoothの違いや無線LANの代表的な規格を解説【高校情報Ⅰ】4-3 無線LAN
Wi-Fi(IEEE 802.11)
・通信距離:50~100m
・通信速度:~数G bps
・特徴:遠距離、高速
・用途:無線LANルータ(Wi-Fiルーター/アクセスポイント)- PC、スマホ、プリンター
Bluetooth(IEEE 802.15.1)
・通信距離:数~10m
・通信速度:~24M bps
・特徴:省電力、接続が簡単
・用途:スマホ-イヤホン/PC-マウス
※bps・・・1秒あたり何ビット送受信できるかを表す。
OSが立ち上がるまでの工程(OSが立ち上がらない場合、どこかで問題が発生している)
OSが立ち上がるまでに、基本的には以下の工程を踏みます。OSが立ち上がらない場合、以下の工程のどこかで問題が発生しています。
- PCの電源を入れる
- CPUをチェック
- メモリ(RAM)をチェック
- グラフィックボード(GPU)をチェック
- BIOSが起動
- Boot(OSの立ち上げ)
OSが立ち上がらない場合、マザーボードによっては問題が生じている機器をランプで知らせる機能がついています。
CPU・メモリ(RAM)・グラフィックボード(GPU)のどの機器に問題があるのか、ランプ機能によって特定が容易となるため、自作PC初心者には特に便利です。
ハイエンドモデルの場合、問題を特定したうえでパネルに2桁の数値を表示するマザーボードもあります。
マザーボード用のライティング(LED)端子
ケースファンなどを光らせる場合、LEDのタイプは3つあります。現在の主流は、「アドレサブルRGB(ARGB) LED」です。
YouTube:【自作PC】キレイに光らせたい!見落としがちなRGBの種類について解説! / BITFENIX ENSO MESH
※接続時の注意:
12V・5Vの電圧の向きを間違えると、ショートにより破損の恐れがあります。オス・メス側の向きに気を付けて接続しましょう。
参考:RGB LEDとアドレサブルRGB について
YouTube:【自作PC】LEDの種類について解説。アドレサブルRGBで出来ることと問題点。独自規格のメリット。
YouTube:光る自作PCで初心者が失敗しがちな要注意ポイントを解説!光るメモリならKLEVVのCRAS XR5 RGBがおすすめ
- LED(単色)
- 電源をONにすると、デバイス(単色のLEDが搭載されているタイプ)がその単色で光ります。
配線(電源供給):ファンコネクタ or 4ピン(12V/古い規格)
- RGB LED
- コントローラーで仮に赤を指定すると、コントローラーに接続された「RGB LED」搭載のデバイス全体が赤で光ります。
複数のデバイスを接続しても、別々に色を変更できません。
配線(電源供給):4ピン(12V/古い規格)
- アドレサブルRGB(ARGB) LED
- コントローラーで自由に色を指定すると、コントローラーに接続された「RGB LED」搭載のデバイスが個別に複数色で光ります。
LED1個単位で色に変化をつけられます。
配線(電源供給):3ピン(5V/新しい規格・主流)
RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks):ビジネスシーンでのデータの安全性の向上・データの保存の高速化
複数のHDDをひとつのドライブのように認識・表示させる技術です。特にビジネスシーンなど、高い信頼性を必要とするデータのストレージとして利用されます。
個人の場合は通常のバックアップで十分なため、あまり利用されません。
YouTube:【自作PC】サーバー向けRAIDカードでRAID5を組んでみた!構築手順紹介
RAIDを導入すると、基本的に以下のメリット・デメリットがあります。
参考:RAIDとは
YouTube:【自作PC】RAIDする?
メリット
・1つのHDDが故障してもデータ復旧・アクセスが可能となり、安全性が向上する
・複数HDDへの分散書き込みにより、データ保存(書き込み速度)が高速となる
デメリット
・PCの起動時間が長くなる
・BIOSアップデートをする際に、データが消えることがある
主なRAID方式は以下の通りです。
参考:Vol.3 RAIDとは何か?知っておきたい基礎知識
- RAID 0
- データをブロック単位に分割、複数のディスクに分散して配置することで、読み込み・書き込み速度が高まります。
- RAID 1
- 同じデータを複製して2つのディスクに書き込む方式で、「ミラーリング」とも呼ばれています。
- RAID 5
- HDD1台分の容量の「パリティ」と呼ばれるデータを常に付加して保存しておきます。
- RAID 6
- パリティを二重で生成し異なるディスクに記録することによって、「RAID 5」より耐障害性を向上させています。
- RAID 10(RAID 1+0)
- 「RAID 1」と「RAID 0」とを組み合わせたRAID方式。「RAID 1」と同じように2台のHDDにまったく同じデータを書き込みつつ、データをブロック単位に分割して並列に書き込んでいくため、データの書き込み速度は上がります。
- RAID 50(RAID 5+0)
- 「RAID 5」と「RAID 0」とを組み合わせたRAID方式。「RAID 5」のグループを複数用意し、それぞれにストライピングしていきます。
※ストライピング:ひとまとまりのデータをブロック単位に分割して、複数のHDDへ同時に書き込むこと。
おすすめマザーボードメーカー4選(ASUS/ASRock/MSI/GIGABYTE)
マザーボード市場は、4つのメーカーでほぼ全てのシェアを取り合っています。
以下表における4つのメーカーは長く愛されてきた実績があるため、どれを選んでも安心です。中でもASUSは、10年以上シェアNo.1です。
参考:栄枯盛衰…10年でマザーボード市場のシェア2位から転落のギガバイト 躍進するASRockとMSI
参考:BCN AWARD 部門別受賞企業 マザーボード
現在使用しているマザーボードのUEFI(BIOS)に慣れている場合は、同じメーカーを選んでも良いでしょう。
参考:UEFI
参考:UEFIとBIOS:確認の方法と違い完全解説
マザーボードメーカー (公式サイト) | 本社所在地 (Wikipediaなど) | Amazonページ |
---|---|---|
ASUS | 台湾 | ASUS マザーボード |
ASRock | 台湾 | ASRock トップページ |
MSI | 台湾 | msi マザーボード・PCパーツ |
GIGABYTE | 台湾 | 日本ギガバイト マザーボード |
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おすすめマザーボード「IntelのCPU向け」(ATX)
IntelのCPUを使う場合のおすすめマザーボードを紹介しています。
マザーボードの「チップセット」と使用する「CPU」との組み合わせに注意しましょう。
YouTube:【自作PC】i3~i9まで対応!おすすめのintelマザーボード14選!『23年1月版』(Z790) (H770)(B760)(Z690)(H670)(B660)(H610) «Aile ch.»
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「H670/ATX」(IntelのCPU向け)
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「Z690/ATX」(IntelのCPU向け)
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おすすめマザーボード「AMDのCPU向け」(ATX)
AMDのCPUを使う場合のおすすめマザーボードを紹介しています。
マザーボードの「チップセット」と使用する「CPU」との組み合わせに注意しましょう。
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「X570/ATX」(AMDのCPU向け)
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